夕日ダイブ その4
扉に入るとガコンと作動音がなり、部屋が下に降りていく。
扉が開くと、まず聴こえるのが水が叩きつけられる音。
一定リズムを刻むように音が聞こえる。
先に進むと、灯りが見えるところまで辿り着くと影がユラユラと動いており、音が鮮明に聞こえてくる。
「あらぁ? 夕日ちゃん。ちょっと寝ぼすけさんだったわねぇ〜」
ウェインは仰向けに、仲間であった女はその上に跨り、左右にグラインドしたり上下に激しく動き、その度に水がぶつかる音が部屋に響いていた。
もう1人の男が、跨ってる女を押すと、大きな乳房がウェインにのっかり形をかえる。
そのまま、男も重なると更に激しさを増す。
「い⋯⋯いや!」
首を横に大きく振る。
ウェインが恍惚な表情のまま、夕日を見ると涙を流す。
「ゆ⋯うひ⋯に⋯⋯げろ」
たった一言だが、上にいる2人が驚く。
「あらあら〜、凄いわね。ここまで脳を溶かしてるのに、言葉を発するなんて〜、ねぇ? あなた?」
「ふむ。さすがは凄腕の事だけはあるな。実験のやりがいがある」
興味は確実にウェインに向いている。
夕日の事はひとまず興味がなくなり、逃げようとすれば逃げれる可能性もあったがそれを拒絶する。
「実験って⋯⋯! ウェインを離して! じゃないと斬るわ!」
その言葉に反応はなく、行為だけは続いている。
「馬鹿にするな!!」
ウェインの剣を手に取り、上の2人を袈裟斬りをする。
「ゴフッ⋯⋯ひどい、私達も⋯⋯あやつら⋯れ⋯」
「いや⋯だ⋯⋯死にたく⋯⋯ない」
仲間だった2人は、それ以上動く事はなかった。
ただし、動かなくなったのは上半身のみで、下半身は激しく動いていた。
「ど⋯⋯どうして⋯⋯」
ウェインが身体をビクンとさせる。
腰を叩きつけるように前に突き出し、下半身となった身体の中へと注いでいく。
「あぁん。やっぱり若者の死の間際の射精はいいわぁ。もう⋯⋯お腹一杯よ」
どこから言葉を発しているのか分からないが下半身は言葉を放ち、自分の中に入ってた棒をズルりとぬくと、接合部分から信じられないほどの白い液体が滴る。
下半身だけでひょこひょこあるく姿がとても不気味で気持ちが悪い。
「で、着床はしたか?」
「したわよ〜もうさっきからポコポコお腹を蹴るもの〜。あら? お腹なかったんだっけ?」
切断面がブクブクと膨れ上がると、赤黒い肉を削っただけの女性を型どった人形が生え、もう一つは男性型が生えた。
「う⋯」
あまりの気持ち悪さに吐く。
「失礼しちゃうわ〜。このマネキンみたいなラインは女性の理想でしょう〜」
そういいながらもお腹をさすると、ボコボコと蠢く。
「あなた〜? この子はどうするの〜? 何かに使う〜?」
「いや、必要ない。緑の化け物から取った細胞を人と合わしてみたかっただけだ。放置してあとは観察するだけでいい」
「緑の化け物〜? あぁ、エルバちゃんじゃないの。名前ぐらい覚えてあげたら〜?」
「下らん。そんな暇あるならさっさとソレを産め。こっちはもう済んだぞ」
あまりのおぞましさに気がつかなかったが、男性型はウェインに何かをしていた。
「ウ⋯ウェインになにをした⋯の」
「⋯⋯ぁ、ぁあ⋯ゆう⋯ひ⋯にげ⋯ろ⋯ろろろろぉ⋯」
死んだはずのウェインが声をあげるが、生者のソレとは違い新しい記憶の言葉をあげてるに過ぎなかった。
ズルズルと拙いほふく前進をしながら、袈裟斬りにされて残った上半身の方に向かい、そのまま頭から喰べはじめる。
「ふん、まずは無くなった部位の補充か」
男性型は、ただその光景を観察している傍ら、もう一人の女性型は腰をくねらしながら徐々に膨れているお腹を触っている。
「う〜ん、どんどん激しくなってきたわ〜。そろそろ頃合いかしら〜?」
お腹がへこむと同時にずるりと股から赤黒い丸い物体が地面に落ち、丸い物体はボコボコと膨らむと袋を突き破る様に手が生える。
中から緑色の赤ん坊が出てくると、早送りでも見ているかのように子供ぐらい大きくなる。
「あなたぁ〜、産まれたけど名前どうする〜?」
「名前? ないだ」
「おはようベイビィ〜ちゃん、あなたの名前はないみたいだから〜ん〜、エルバちゃんの〜子供みたいなもんだしジュニアでも名乗ってたら〜?」
「かmsぐdねお」
「あ〜頭もわるいのね〜。私達はもう行くけど、このお姉ちゃんがずっと一緒に遊んでくれるっていってるから〜しっかり勉強して大きくなるのよ〜」
「⋯⋯ぇ」
逃げようにも、あまりの光景に腰も身体も言うことがきかない。
いや、呼吸をしてたのかもわからない。
「ksんぐwじゃ」
緑色の子供がいつのまにか、腕を後ろに回して抱きついていた。
私の反応が遅い?
いや、もうそんな事はどうでもいいんだ。
この子を大事にしていこうと心から思う。
「お姉ちゃん、私とずっと一緒にいてくれる?」
「えぇ、ずっと一緒にいるわ」
(もう喋れるようになったなんて偉い子)
そう思って感心している夕日の耳には、緑色の触手がウネウネと蠢いていた。
その後、女の身体を使ってでも冒険者達を呼び、彼女に知識を与え、残りの肉は化物というペットに与えていたのである。
これが私の閉じていた記憶であり、あの日から始まった悪夢なのである。
そしてこれから⋯再び⋯悪夢のループが始まる⋯。
「っとまぁ、ここまでが夕日の悪夢らしいね。相変わらずあの夫婦は最低な実験バカね」
夢は終わったことにより、村はなくなり真っ暗な空間の中メルディスは眺めていた。
【あの娘はまた悪夢を見続けるのですか?】
「ん? それなら最初からこんな手間かけないよ。大地君もそこでうずくまってないでちゃんと見ておいたら?」
いまだ直視できないで座りこんでいた大地を影人が無理やり移動させ立ち上がらせる。
【この事実が嫌で死にたいのならさっさと死ねばいい。だが、我が主人が声をかけていただけたのなら、そのつまらぬ目できっちりと最後まで見届けろ】
「悪夢もただ見ているだけで先ほどの幸せと何も変わりはしない」
絶望に染まった夕日が狭い部屋の中で揺れている。
「いまから起こる悪夢なんて、先程の夢と比べたらとても下らないものなのよ」
ゆらゆらと揺れているその手には自分の剣と赤ちゃんを包んでた布を持っていた。
「破るも破らないも自分の心次第。悪夢だからといって変化を起こせないわけではない。夢で見るということはその時に何かをしたかったという衝動でもある」
その言葉に、大地は自分の眼で姉さんの姿をしっかりとに捉え、これから起こる事を見る決心をした。
今回の悪夢編のどこかで、ジュニアの実験書類を出して見るシーンをいれたかったんですが省きました。
どこで入れたらいいのか迷いすぎてしまって(汗
そのときに名前欄に実験no.71と書かれていて、男性型が「名前? ないだ」っていってたのは本当は「ナイだ」だったりしてたり(´・ω・`)
女性型も夕日も名前がないと勘違いしているように表してます。
後書きだからかけるけど、ツッコミは今回の話に入れる勇気はなかったです(ノ∀`*)
以上、補足でした(ノД`)




