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ソウル オブ ナイト  作者: 古狐さん
2章 『異世界』
3/50

敵に襲われ逃げて助けを求めると・・・

4月9日 修正完了

 両腕で顔を保護するように爆発に堪えようとするが、特にダメージを負う事は無かった。

 煙が晴れると自分の服装が一新している。

 首には黒く長いマフラー、服装は黒のワンピースに左は足まで右は股下までのスカートで構成されている。

 両腰には白い留め金がついておりそのまま後ろに繋がっており黒の誓書を腰に固定するようになっている。


【前の世界でいえば『天の羽衣』というべきものじゃな。ここでは『天衣』や『翼衣』ともいわれる。空の住人の専用防具じゃぞ】

 肩に乗ったエコーが説明してくれる

「⋯⋯⋯⋯」

 無言で掴もうとするとマフラーに引っ込む。

「チッチッチッ! このマフラーは黒の誓書の触媒になってるからな! ウチの出番がないときに勝手に出てこれるという優れものじゃ! 舐めるでない!」

 マフラーが喋りかけてくる。

「⋯⋯⋯⋯」

 無言のままマフラーを取ろうとする。

【黒の誓書に関連している為、はずせません】

 ーー呪われてるよね⋯⋯これ⋯⋯。

「はぁ⋯⋯もういいや」


 前の世界から持って来たものは、ご丁寧に全て誓書に記されてかなり身軽になっていた。

「とりあえず次は武器かな」

 誓書をとろうと手を回すと腰の留め金のデザインだと思ってた球体部分を掠めた途端に手の平に銃が収まる。

 これは便利。

 とりあえず片方の銃を確認。

 軽く銃を構え、感触を確かめる。

 銃身部分を見ると、カスタマイズ通りに開閉式に左右カードの差込口がありお願いしてた通りになっている。

 最後にマガジンをとりだすと中には弾が込められている事を確認し戻す。


 弾の種類は3つ。

 1:実弾(弾消費)


 2:属性弾(弾消費)実弾の中身を魔力炉に通すため弾を消費する。


 3:空砲(弾消費無)魔力のみで弾は使わない。体術と組合わせる為のもの。


 1木を撃ってみると木に小さい穴が空く。

 弾は細く貫通力重視なので口径は小さい。

 2は現在使える属性ないため使用不可である。

 3を打つまえに銃を腰に引っ掛ける。

 ピョンピョンっと2、3回跳んだあと、手を木の前に置き一呼吸する。


「風打ち(かざうち)!」


 木が左右に大きく揺れる。

 3を打つのは止める。

 風打ちの強化verが銃を使った風打ちなので木が吹っ飛ぶと理解したため。

 長銃は本の方に手をかざすとでてきた。

 こちらも威力は高めなので撃つ機会はまた今度で感触を確かめて収める。


 現状把握オッケー。

 武器確認オッケー。

 体術確認オッケー。


 ひとまず確認作業は終了。

 一安心した所で少しお腹が空いた事に気づく。

 確か鞄の中にカロリーメイトあったけど、取り出せるんだろうか? 腰の留め金部分に触れると案の定出てきた。

 本の中に記されている物をイメージすれば腰から取り出せる事を理解する。

 ポカリとカロリーメイトを食べながら、これからの事を考えてると、マフラーの一部が黒い炎の鞭みたいになり何かを地面に叩きつける。


【敵対反応を確認。迎撃完了致しました】


 何かが近寄ってきたのは分かってたけど、距離離れすぎじゃない? それよりも機械的な返答が嬉しい。

【ふあぁ、よくねた。こんな雑魚に近寄らせるなんてとんだ甘ちゃんだな。私が仕事してなかったら危なかったんじゃよ】

 ただ単に寝てただけでした。

 しかも危なくもないし。

「エコー、迎撃システムの変更できる? 距離を周囲にしてほしいんだけど」

【めんどいから断るんじゃよ】

 即答だった⋯⋯絶対に前の方が仕事してくれる⋯⋯。

 黒の誓書を手にとる。

【あ! まつのじゃ! やっぱり気が変わったからやってあげるのじゃ!】

 必死に止めてくる。

 無言で誓書を手に取ると細く長い鎖に巻かれている為、軽く引っ張り本を開く。


 オプション。

 指を走らす


 その他設定から迎撃システムの項目に目をやると迎撃範囲10mと表示される。


 10mって⋯⋯長すぎるよ⋯⋯。

 このまま町にいってたら歩く災害だよ⋯⋯。


 迎撃範囲1mに変更する。


 迎撃システムからその他設定に戻る時にふと、「お仕置き」の項目が目に付く。

【まて! やめてくれ! いや、やめてください!】

 躊躇わずスイッチを押す。

 途端にエコーが、ぐあぁぁぁぎゃぁぁと悶えてマフラーから落ちて頭から煙を上げていた。

「⋯⋯いいわねコレ。なんかこれが1番スッキリしたわ」


 気を取り直し、エコーが迎撃した物体を見てみるとスライムだった。

 ただ周りのゼリー体がとばされ剥き出しの核の部分から徐々に再生していってる状態であった。

 とりあえず再生が終わるまで観察していると、5分も立たずに再生が終了するが、その後はプルプルと震えて動こうとしない。

【スライムが起き上がり、仲間にして欲しそうにこちらをみています。お嬢様 ゲーム風にいうとそんな感じです】

 口調からして先程のお仕置きは、かなりの恐怖を与えていたらしい。

 けど、正直気持ち悪いので、仕事さえしてくれればいままで通りでいいよとフォローだけはしておく。

「仲間ねぇ⋯⋯」

【書に記すやり方は沢山あるんじゃよ】


 1:生物の吸収


 2:戦闘中、時間が経つごとに相手をスキャンしている為、一定時間経過して完了するまで(触れる、見るでも徐々に蓄積)


 3:技、魔法は喰らうと蓄積情報が一瞬で手に入る。


【簡潔にこんなもんじゃの】


「吸収するとその生物はどうなるの?」


【その内新しくなってまた再POPするよ。吸収させると情報が一発で解析完了になるので書から再生ができるんよ。いわゆる召喚ね。デメリットは書から召喚した魔物の経験値はしんでも蓄積されてるってことかな】


 スライムLV1を死ぬまで森で探索させるとLV5になって強敵に当たって死んだとする。すると次に召喚すると5から始まるって訳。


「吸収はどうやるの? 書でも当てたらいいの?」


【簡単な設定にしておいたよ。銃で撃つだけじゃ】


 ⋯⋯はい? 確かに簡単だけど。

「それって止めさすだけじゃない?」


【とりあえずやってみなはれ。百聞は一見にしかずじゃ】


 心でごめんなさいとだけ言ってとりあえず撃つ。

 弾が当った場所から文字配列がスライム全体に行き渡り真っ黒になったら一枚のカードだけ残された。


【それでオッケー。当てなくても地面に当てたら呪文でてくるから手前で撃ってもいいけどね。約束通りカード化にしておいてあげたよん】


 腰に掛けてた銃をとりカードを差し込む。


 召喚(サモン)といって銃を地面に向かって撃つと黒い魔法陣が白く光り、そのまま消える同時にスライムがチョコンといた。


 立て続けに4発撃って更に4体増やす。


 プルプルしているのを見てるのは面白いしとてもかわいい。

 じ〜っと眺めているとエコーが話しかけてくる。

【やっぱ魔力の消費がないから規格外やな】

「どういうこと?」

【その身体の生まれ持った特性のせいだよ。特性(世界から愛される者)は、大気に含まれる魔素いわゆる無属性の精霊など、目にする事ができないものだろうが恩恵が得れるって事ね。


 普通は⋯⋯。

 魔術師→体内の魔力 (呪文)→周りの魔素→相手に放って消費、消滅。


 メルの場合は⋯⋯。

 メル→体内の魔力→周りの魔素→相手放って体内の魔力は魔素に変換し周りの魔素は綺麗に拡散するだけ】


「なるほど⋯⋯なんか村人からhardモードで進めるかと思ったら、逆に強くなってeasyモードになったのね」

【そういうことやな、けどその特性とジョブはメルが探すあの人のモノだったんだけどね】

「という事は、あの人がお母さんとか? 黒い男性がお父さん?」

【きっぱりいえるけどそれはないよ。彼女の身体の本質は人ではなく龍だもん。メルは人だよ。関係はあるとはおもうけどあってみないとやっぱりわからないが正解。強いて言えばSOK(ソウルオブナイト)の本自体がロスト・レガリアだったはず。今は黒の誓書に変わってるけど⋯⋯】

「そっか、異世界生活を当分、堪能したら探してみようかな。それよりもまずはこのeasyをどうにかしたいんだけどなにかある?」

【先に探すじゃなくて堪能するんやね⋯⋯。

 easyモードがいやなら、黒の誓書で相手に与えるあらゆるダメージを1にならあるよ。

 メリットは黒の誓書を使った場合は格段に強化される。

 デメリットは2度と戻せない事だけ】

「それでお願い」

 スライムを弄りながら、確認をすることもなく即答する。

【りょうかーい。反映までは時間かかるから気長にまってて】


 黒の誓書からスライムの構造を弄る。

 麻痺、酸やら沢山ある項目の中で自己再生機能を指で走らすと構造極性の欄を見つける。

「これね⋯⋯」

 構造極性を他者に適応する様に設定する。

 あとは、身体操作も私の魔力と連結できる様にする。


 今のでできる様にした事は。

 スライムの自己再生を取り付いた他者にできるように変更した事と、魔力でスライムを操れるようにした事の2つである。


【変更完了したよん。とりあえず黒の誓書を使用しない限り相手に与えるダメージは1になったよ。ただしスタミナ切れや内部破壊、気絶や毒などの状態異常などはキッチリ入るからね〜】

「ありがとうね。そろそろジッとするのにも飽きたし、動こうと思うんだけど街とか村とか周りにありそう?」

【まだ記されてないから不明だね。地図はメルが歩いたとこに自動で記されるから気にしなくていいけど、そういえばさっきの爆発で数人ほど、ここの近くで何か探してるグループはあるよ】

「お、いいね。村からさっきの爆発について調査でも開始したのかな? その人達に案内してもらおう。どっちの方角が分かる?」

【あっちの方角だね。何かやろうとしてる?】

「漫画でよくある事をしてみようかとおもうのよ。モンスターから襲われ逃げた所を冒険者に救出してもらう。逃げてきた女性が好感度どれぐらい上がるのか、冒険者が女性についてどれだけ興味を持つのか⋯⋯まぁ私では好感度上がらないだろうし⋯⋯冒険者の反応と雰囲気味わうだけかなぁ」

【面白い事にはなるけど、うーん⋯⋯まぁ、サプライズってことでいっか⋯⋯】


 スライム=プルちゃんを身体のに纏わせて準備完了。

 服装を制服に着替えて、残り4体のスライム達に追いかけられるように人のいるほうに駆け出した。


-—-—-—-—-—-—-—-—-—-—-—-—-—-—-—


 森の奥から声が聞こえる。


 ガサガサと走り抜ける。


 3人程人影を確認する。

「助けてください! モンスターに追いかけられて⋯⋯」

 言葉はそこで詰まる。

 あれ? 冒険者って盗賊みたいな格好してたっけ?

【サプラーイズ! 実は冒険者ではなくて山賊でしたw】

 ニヤリとエコーが言う。

 スライムも意外に遅い (私が早すぎたかも)せいで追いついてなかった。

「あの⋯⋯すみません。間違いでした」

 ペコっとお辞儀して帰ろうとする。

「おいおい、嬢ちゃん折角会いにきてくれたんだ。ゆっくりと仲良くしていこうぜ」


【幻術・催眠魔法確認。黒の誓書に記されました】


 木の上にいた山賊が魔法を唱えていた。

「へへ、パーティのバランス揃えるだけでここまで仕事が楽になるっていいもんだよな」

「そうだよな。ただ、頭の女好きにはこまるけどな」

「俺らに回ってくる頃には、意識ないからな」

「ちげぇねぇ」

 男達がゲラゲラと笑う。


 成る程PTバランスをきっちりしてるんだ? 前衛 中衛 後衛を冒険者みたいに分けてるんだ。確かに漫画とかでよくみた盗賊とか山賊って支援系の魔法使いとか少なくかんじてたのよね。もっと効率のいい方法幾らでもあるだろうにと、ずっと感じていたし。

 などと考えながら、そのまま視界が暗転した。

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