第1回戦
※ここも書き直し予定
流れ的にはこのままでいくんですが、表現力不足な為。時間が物凄く取れるときに修正していきます。
「⋯⋯⋯⋯ここまでなのか⋯⋯」
ラグニス自身、素手を使う事もあり構えの無いスタイルに少し戸惑っていた。
本来動作というのは、次の動作をスムーズに動かせる事が前提であり、自分のスタイルを貫き磨いていくと自然と形が出来上がって出来たのが構えなのだ。
しかも約10人全員で襲われて全て捌き攻撃に転換する事でも達人を越えてるというのに彼女の立ち位置は最初にいた位置から動いてはいなかった。
「驚いただろ? ジョークが過ぎた事もあるが俺が吹っ飛ばされたのも納得しただろう?」
「お前は驚かないのか? あの子にいる位置は計り知れないぞ?」
「驚いてばっかりだっただからな。慣れることはないと思ってもいつの間にか慣れてしまったよ。ただあの子は呪いみたいなのがかかってるのでな⋯⋯物理ダメージは1しか与えれない」
「それはいつ頃からだ?」
「さぁ、転移者だったからこっちに着いてからだと思うんだがな。ただ状態異常は平気で与えれるから本人は困ってもなかったがな」
「転移者か⋯⋯前の世界はここより激しかったのかもな」
兄弟の討論は当分そのまま続いていく。
「こう見ると本当に枝葉さんは桁がはずれてるな。数ヶ月でこの戦闘力ってことは、ほぼ前の世界で出来てた事だろ? 改めて痛感するよ」
「そうですね。メル様は前の世界でも戦闘をしていたようですね。私達は魂だけの存在だった為、館からは出る事は叶わなかったですし、どんな戦闘を繰り広げたかは申し上げれませんが」
「た・ただ、メル様は直接戦闘自体は、し・してなかったと聞いたことがあります」
「だとすると、別に戦っていた仲間がいたってことなのか?」
「そうですね。仲間というより前の世界の本当の家族といっても過言ではないです」
「その2人は今はどうしてるんだい?」
その質問にミキとヒタリは首を横に振る。
「その2人を探すのが最初の目標だったんだけどね」
「お帰りなさいませ」
「ただいま。向こうからきてくれるとおもったんだけどやっぱり人違いなのかな⋯⋯」
「っというと? この大会にいるのかい? 枝葉さんの家族」
「確信はないけどね。チェルノの黒いローブの中身が見えたらいいんだけど」
「お姉様、私見ましたよ」
「そうなの?」
「はい、ただ⋯⋯理由は申し上げれませんが、多分違うかと思われます」
「うーん⋯⋯まぁ実際に見てから判断しようかな⋯⋯」
「そうですか⋯⋯理由をお伝えできなくてすみません⋯⋯」
「はい! お待たせ致しました。本戦の選手の振り分けが済みましたので、早速第1戦目開始さしていただきます! 名前を呼ばれた方は速やかに闘技場までお越しください」
「第1試合メルディスVSダブオ」
「いきなしダブオか⋯⋯ダメージ1しか与えれないなら相性悪いだろうな」
ラグルスは両手を組んで仁王立ちしている。
「そうだろうな。ダブオの呪いも一種の特殊技能だったよな?」
「そう⋯⋯認定されてるな。戻るとはいえ、長期戦であいつに勝てる人間はいないだろう」
「まぁ、どう立ち回るのかは楽しみにさしてもらおうか」
「さてお互いの選手が揃いましたので早速試合を開始さしていただきます」
合図がなるとすぐにダブオが口を開いた。
「悪いんだけど、棄権してもらえないかな?」
「ん? どうして?」
「正直、あんまり酷いようにしたくないし、僕と戦った後の戦闘はほぼ勝てないからさ。どうせ負けるなら僕に先にいかして無傷で終わった方がいいとおもうからさ」
「ほぼ(・・)なら勝てる可能性もあるんじゃないかな? やってみないと分からないし棄権するつもりないよ?」
「若いなぁ。まぁいいや、最初に言っておくね。僕の身体は呪いで蝕まれているんだ。一回毎に一歳若返る。そして記憶もないんだよ。一回につき1時間過去の自分に入れ替わる。どんなに強い人でも過去に戻されたらどうしようもないだろ? まぁそういう訳だからさ。棄権してくれない?」
「ふむ。なら貴方は何が望みでこの大会に望んだの?」
「最優先はこの呪いの解き方だね。家系からの呪いでね。どうしても解きたいんだよ。あとはやっぱり普通に彼女作って普通に過ごしたいだけだよ」
「なるほど、その呪いに興味あるし、私が解析して調べてあげてもいいけど? 解けるものなら解いてあげる」
「その申出は嬉しいけど、賭けをするには信用が足りないかな。それなら優勝して確実に色んな人から調べてもらった方がいい。全力でやってもらえるしね」
「そっか。なら交渉決裂だね。まぁけど私が勝ったらその呪い調べさしてね」
「いいよ。なら僕が勝ったら君を貰うね。僕の家系は子を宿すのも一苦労なんだよね。だから物扱いして悪いけど子を宿す道具となってもらうよ」
【さてさてどうする? 解析までは時間がかかるよ】
(とりあえずは質問。私が過去と入れ替わったらエコーは維持できない?)
【できる。残念だけど私の一部はメルと同一だけど根本的な本質は違う】
(その一部だけ残して他は切り離せる?)
【可能だよ】
帯となっていった天の羽衣は服を抑えるだけになり余分な部分は4本の黒い槍になる。
それと同時に4隅に槍を投げ地面に刺す。
【って事はやっぱりするんだね⋯⋯】
(チャンスといえばチャンスだからね。解析が済み次第戻れるようにできたらお願い)
【間に合わないかもよ?】
(まぁ鬼がでるか蛇がでるか。これで分かるでしょう)
その刹那、風打ちで間を詰めたあと2回ダブオに入れた。
2発とも入れた瞬間に、白い煙で包まれて直ぐに人影が出てくるが、紺色のブレザーに白いシャツに赤いリボン、そして紺色スカートに黒いタイツの女の子が姿を表す。
「あれ? ここどこかしら?」
きょとんと辺りを確認する。
「枝葉さん!!」
マーリンが観客席から叫ぶ。
「んん? あれ百合? なんか男の子になってるけどどうしたの? 男装っというより男性になってるよね?」
あぁ、その百合という呼ばれ方、確かに前の世界の枝葉さんだ。
「いまはそんな事より前の相手に気をつけて!」
「いやいや、初めまして」
「はい、初めまして。状況を察するに貴方と戦ってるようですけど、説明いただけますか?」
「ただの闘技会の試合ですよ。ただ僕の呪いの身体に攻撃したことにより、若返っただけなんです。先程の貴女は勝つつもりでしたが、貴女はどうでしょうか? 棄権して頂けるとたすかるのですが」
「なるほど⋯⋯ということは2回ぐらい攻撃したんじゃないでしょうか?」
「えぇ、その通りですが何か?」
「あともう1つ、4本の黒い槍みたいなのは貴方の攻撃ですか?」
「いえ、それは貴女ですよ。なにか結界的なものか攻撃しようと設置したみたいですが」
「なるほど、大体状況が理解できましたのでそのまま戦闘を再開さしていただきますね」
「は? いやいや、僕に攻撃できないんだから無意味でしょう! さっさと棄権してください」
「いえ、終わらしてないってことは、わざわざ私にバトンタッチしただけだよ? 今の私でも貴方程度にそこまで苦戦することもありませんので」
「はぁ⋯⋯では、まだ若返ってください。結果は分かり切ってる事なのに⋯⋯」
そういって両手を広げ、攻撃を受け入れようとする。
「やっぱり女の子だからかな。何かと甘く見られてるんだよね。まぁ私の事だから上手い具合に利用してるんだろうけど⋯⋯でも、今の私にはちょっぴりイラっと感じるし⋯⋯」
風打ちで間合いを詰め、右の内ももに風打ちを放つ。
「がっ!!」
先程の痛みがない打撃が嘘のように感じる程に強い激痛が内ももに入り、右足がそのまま力のベクトルの方向に不自然に浮き上がり身体全体のバランスを崩す。
バランスを取る間もなく、左肩に新しい打撃が入り身体がオモチャの様に回転する。
「こう見えてもまだまだ子供ですし、ハンデとして四肢をいただきますね」
肩と足の付け根に衝撃が走り、そのあと数発打ち込まれると地面に立っている状態に戻っていた。
「え? 僕⋯⋯いま、え?」
あれほど激痛が走った場所から痛みはなく、動かそうとするが動かずバランスを崩し地面に膝をつく。
ヒラリとスカートの花が咲き、収まるとメルディスは口を開く。
「少なくとも今日一日、その手足が動くことはないです。人が動く為の氣⋯⋯いえ、電流みたいを通らなくしましたので。ただこの後の私次第ではなおせるかもしれませんが⋯⋯」
最後まで言うことはなく、再び白い煙が彼女を包み込む。
「いま一体何発いれたんだ⋯⋯」
「8発ですね」
「見えたのか? 今のを」
「いえ、行動と一致さしただけです。一撃でメル様が仕留めてなければ多分やる事は1つしかありません」
ミキが目を瞑る。
「私達もメル様すらも知らない(・・・・)自分を出してみたのでしょう⋯⋯」
「それって⋯⋯」
会場の空気が一変する。
空気中にキラキラするものが視認できる。
「これは⋯⋯魔力の素? いやそれよりも意思のある精霊みたいに」
マーリン自体は神聖な森に永い事過ごしていたから魔力の素より精霊に近いと感じていた。
その精霊達は中心部に行くほど濃くなっている事に。
黒い4本の槍が抜けるとそのまま、持ち主の元に吸い込まれる様に還っていく。
中心部の靄は一向に晴れることはなく、会場中がブーイングを訴えはじめる。
監視員達が寄ろうとすると透明な壁に遮られた。
その行動を見ていたラグニスが全力で壁を殴る。
「⋯⋯これは⋯⋯無理だ。全力でやっても意味がない。痛みすらなくただ全ての衝撃が吸収されてる」
魔力の素が充実し、普段の威力が増している魔法で攻撃しても、同じ様に無意味で透明な壁はビクともしなかった。
現場にいるダブオは全ての感覚が鷲掴みにされてる感覚に陥っている。
「はぁ⋯⋯はぁ⋯⋯」
心臓の鼓動が高まっているはずなのに静かに聴こえる心音、冷や汗をタップリ出している感覚なのに汗は一切かいておらずにいた。
キョロキョロと辺りを見渡すが靄がかかっていて見ることは叶わない。
いますぐ降参して逃げ出したいが、四肢が動かないし声も出せない。
「なんだよ⋯⋯どうなってんだよ。ただの子供になってるだけじゃないのか⋯⋯分からない、怖い、怖い⋯⋯」
コツ⋯⋯コツと足音が聞こえる。
物凄く静かに時が止まってるような世界で確かに誰かが動いている。
「はぁ⋯⋯はぁ⋯⋯」
嫌でも音のなる方を見つめてしまう。
靄が動いているように、まるで道を開けるかのように晴れていくとそこには小さな女の子がいた。
髪は雪のように白く自分の身長を越えるほど長く、透き通るほど真っ白なワンピースを着ており足は裸足、傍らには黒い小さなドラゴンが飛んでいる。
そしてなにより目立つのが、その後ろにある4枚の翼であった。
「お⋯⋯お前は⋯⋯なにものなんだよ」
今言える精一杯の言葉を吐く。
女の子は静かに会釈してゆっくりと顔を上げる。
「初めまして。リフィと申します。束の間の会話ですが、どうか以後お見知りおきを」
言葉はとても静かに、微笑みながら女の子はそう言い放った。
ここから少しずつ本編に関わるようになっていきます。
⋯⋯たぶん。
頭の中では形にできてますが文章にすると細かく書きすぎたい気持ちでいっぱいです。




