表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
ソウル オブ ナイト  作者: 古狐さん
2章 『異世界』
2/50

異世界での始まりは爆発から

頭では色々考えているんですが、文章にするとなんでこう時間がかかるものなのか・・・けど、徐々にできあがっていくのを見ると楽しいw


4月7日修正完了

 大牙君を落とした後の反応は凄まじかった。


「えー! なんで!」

「勇者の卵押し付けるとかwww」

「村人からだよ! 速攻で襲われて詰みよ!」

 色んな声が聞こえる。


「ん〜お面も気に入った事もあるし、何より勇者とかに興味ないからかな? 自由気ままに好きな事をしていた方が楽しいからね。まぁ、この世界でのやる事はもうなくなっちゃったし、異世界で同じ時間帯に過ごす人がいたらよろしくね」

 私は淡々と伝える事だけ言って、ピョンっと黒い空間に消えた。


ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 黒い空間を落ちる。


「これどこまで落ちるんだろ?」


【解:体の構造の書き換えが終わり次第、そのまま異世界に進入できます】


 頭に声が響く。

「そうなんだ? じゃあ、その間に質問いいかな?」


【了。答えられる範囲であれば問題ありません。身体のスキャンを開始いたします】


「私達がいた世界がそもそも救済っぽくなったのはなんで? そもそも滅亡なんてものは星の宿命みたいなものでしょう? 物質文明に入った時点で身体能力の退化、それにともない豊かな暮らしにはなるけど星は徐々に蝕んでいくんだし。人は自分達だけを長生きするために多種族を滅亡に追い込んでるんだし自業自得じゃない?」


【解。貴女のいた世界は本来は (ありえなかった)世界です。ただし箱庭の中にいる生物は本物である為に、こちらの世界に呼ぼうとしたものだと思われます。スキャン終了致しました。ジョブ『村人』を定着させ能力値を変動します】


「異世界に私達を呼ぶメリットは?」


【解。世界そのもののジャンルが違うことによる新しい発想・発展がメリットだと思われます。ジョブ『村人』定着不可能である事が判明しました。原因を解析⋯⋯解析結果すでに『???』がありました。『???』をスキャンし削除を実行した後、再度『村人』を定着します】


「痛ッ!」

 ズキンと頭に痛みが走る。


【ジョブ『???』は削除できません。原因解明した結果、過去の古い強力な封印が施されている事が判明しました。解除可能な為、解除します】


 ズキン⋯ズキンと更に痛みが増す。

 気を持たせないと意識が飛ぶほどに⋯⋯。

 無意識の内に鞄の中にある【ある本】に手を伸ばす。

 大きな黒い龍と白い女の子の映像が頭によぎる。

 フラッシュバック? それにしてはとても鮮明な映像が流れている。

 お互いがかなり傷ついており、黒龍が少女を庇っているのか、少女が黒龍を庇っているか分からないがお互いを庇っている光景だった。

 黒龍が彼女に何かを話している。

 その言葉に彼女頷くと、黒龍は彼女を守るように抱擁するとサーっと黒龍の手の中は黒く染まった。

 体の色が全てそこに収縮するかのように。

 新しい生命が宿るのか卵の形になっていく。

 彼女を包み込む黒い卵は黒龍の全身の色が無くなると同時にパキュンと消滅した。

 あとに残されたのは追っ手の数々と灰色になった黒龍の残骸だけで映像は終わった。


「あぁ、これは私が拾われた時からずっと持っていたソウルオブナイト(本)の内容だ。好きだったから内容は覚えてるけど、映像が見えたのは初めてかも」


【フウイン⋯⋯カイ⋯⋯ジョ⋯⋯カンリョウ】


 ハッと我にかえる。

 手に持っていた【本】が淡い光を放つ。

【ジョブ: 境界線を断ち切る者 (ラインブレイカー)は消去不可能。封印を解除した為、元々身体の特性(世界から愛される者)もパッシブ状態になりました。リンク先とされる【本】の先に統合⋯⋯書物の先に繋がってる者から切断、隔離されました】

 本が黒い炎に包まれる。

書物(ソウルオブナイト)が『黒の誓書』に異常進化致しました。なお白紙の書物の為、マスターである宵宮様専用にカスタマイズされます】


 1:ジョブ『村人』がお面に上書きされました。これにより身体に装備していれば、他者からジョブ『村人』の認識となります。


 2:マスター登録が済み次第、前の世界での貴女の所有物は全て書に記入されます。


 3:所有物の中に武器である事を確認しました。マスター用の武器『双銃』と『長銃』は、黒の誓書に関連付けられました。これによりカスタマイズ実行可能です。


 4:黒の誓書はマスターの情報以外は白紙のため、ここから世界の全てを書物に書き記す事が可能になります。


【以上で簡易的にですが書の説明を終了します】


「4の全ての情報は本に記されるってあったけど莫大な量だよね? 記すって事は取り出す事も可能? できるなら分類はカードで」


【了:変更しておきます】


「3の私の銃は魔力炉を積んでいたけど、今でも簡単なカスタマイズは可能?」


【程度によりますが可能です】


「なら双銃に銃身部分の左右にカードを差し込めるようにしてもらえる? イメージ的はこういう感じで回復カードを差し込んで、撃てば回復出来るようにしたいのでお願いね」

 頭に声が響くので、その逆を利用してイメージを想像して伝える。


【了:構造・性能の書き換えを実行します。実行時に書に触れた事によりこのシステムが書に記されました。以降、誓書のヘルプから呼び出し可能になりましたのでこれからよろしくお願いします】


「なるほど全て書に記せるってこういう事ね。後はとりあえず新しい世界を見てからかな。あぁ、あとヘルプでは可愛くないし君の名前はエコーでよろしくね」


【名称変更完了しました。いってらっしゃいませ】


ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 目を覚ますと森の中にいた。


「ん〜!」

 背伸びをして起き上がる。

 辺りを見渡すと木しかない。

 日が当たってるところから丁度いい感じの広場に降ろされたみたいだ。


「さてっと」

 やる事をさっさと終わらそうと書を開こうとしたが、書物の上にちっこい人形みたいなのが座っている。

「⋯⋯寝てる?」

 見覚えのあった人形を後回しにして本を開く。

 最初のページにメルディス・ロウ・グラム「宵宮 枝葉」と書かれていた。

「メルディス・ロウ・グラム? この世界での名前みたいね」

 その名前を指を走らすと文字が光り内容が変わっていく。

 プロフィール画面の文字が変化していくと、前の世界での私が拾われてからの事が記されていた。


 ふと思い出す。

 私を拾った両親は魔術師の家系であり、捨てられた私を見つけその内に秘めた膨大な魔力に目をつけた。

 その魔力を我が物にしようと計画を立て、成長した私を生贄に大魔術を発動して世界征服をしようと陳腐な企みをもっていた⋯⋯。

 私を道具としてみてなかった為、実際に世話をしていたのは魔術師の死霊術から生まれた人形の黒い男性型と白い女性型がしていた。

 家は過去に魔術師が使っていた古い洋館が山奥にありそこに人形2体と共に放り込む様に住まわせた。

 魔術師の考えでは、その館で外界と接触を一切遮断させ、精神状態を不安定にしてその内なる魔力をドス黒く輝かせ、17歳になったら生贄につかう予定だったのが⋯⋯私の魔力以外興味がなく、他を見抜けなかった魔術師の考えとは裏腹とは逆に私は伸び伸びと育っていく。

 魔術師が住んでいた事もあり、古い洋館には様々な魔術の資料もたくさんあり、読んで理解する時間もたくさんあった。

 魔術師の誤算は私が超が付くほどの好奇心旺盛で活発的であった。

 出来ないことは出来る様に、人形に捕まるなら捕まらない様に、人形の性能が私に追いつけなくなったら追いつく様に人形をいじったり、常に自分を研磨する姿勢を絶やすことはなかったのである。


 再び本に目を向ける。

 プロフィールには⋯⋯。


 10歳:人形「黒弐(クロノ)白華(ハクア)」と住みはじめる。

 洋館の探索や広い山一帯を駆け巡り遊ぶ。


 11歳:洋館内の書物を全て解読、破れているページなどもおおよその想像ができた為、困る事もなかった。


 12歳:実験や魔術理論の構築破壊と創造。

 ホムンクルスにより人形の魂を肉体に移す事に成功。

 2つの魂は親の死霊術から生まれた訳でなく術を利用して現界したとの事。

 その人形達により、両親の企みなど全て理解する。


 13歳:山などをつかった体力強化に黒弐による体術訓練を行う。

 この頃から外界の様子も見にいった事により様々なジャンルの知識を取り入れはじめる。

 憧れだった学校も社会勉強という形で通い始める。


 14歳:魔術、体術を一通りマスターする。

 黒弐から皆伝という程ではないが魔力と体術の両方使う戦闘技術「風打ち(かざうち)」を教えてもらう。

 黒弐、白華2人とも専用の武器を出せる事を知り、自分専用を欲しがり挙句の果て理想を求め武器創造を開始する。


 15歳:魔力構造式を組み込んだ3つの銃が完成。

 1つは長銃『ミラ』

 破壊力が抜群で小回りきかず射程は長い。

 残り2つは双銃『ノクターン』

 射程短く小回りがきき破壊力は普通。

 ただしアタッチメント箇所(改造ポイント)を多く含み魔力構造式も安易に行える。


 16歳:伸び伸びと生活。

 初心の心を常に忘れる事がなく学校生活も楽しんでる。昼は学校を楽しみ夜な夜な自分の精度を高める。


 17歳:魔術師が襲来する。

 死霊術使うが⋯⋯宵宮枝葉の戦力が高すぎた為、魔術師を有無も言わさず無力化したが、突如次元が割れ白銀の髪の長い女性が降り立つことにより事態が急変。

 その数日後異世界にたどり着いた。


 プロフィールはここで終わっている。


 あの時、彼女の圧倒的な力の前に死霊自体は瞬時に消滅させられ、その術をつかった両親は魔力回路の破壊。

 彼女に黒弐と白華も肉体は破壊された。


 喧嘩両成敗、自分も魔力回路を破壊されて終わるんだと覚悟した。

 白銀の女性が私を見る。

「あら、貴女⋯⋯あぁそういう事ね」

 そう喋りかける後ろには黒服の男性が彼女の剣を止めていた。

「残念だけど貴女の世界はもうすぐ崩壊するわ。仮初の世界だったのにここまで成長したのが凄いのか分からないけど来る人だけは導いてあげる」


 じゃあね。

 彼女はそういうと次元の裂け目に消えて行った。


 後回しにした人形をじっくり観察する。

 どこからどう見ても、あの時の白銀の女性と全く同じ顔をしていた。

 そうなればやる事は1つ。

 両頬を抓る。


 ギリギリとしてると⋯⋯。

「なにするんじゃい! われぇ!」

 そう吠えると手を払ってくるがペチっとだけいって頬から手は外れることはなかった。

「あだだ⋯⋯まじすんません。勘弁してください」

 抓るのを緩めたが、離す事はせずそのまま質問する。

「喋り方はともかくその姿にものすごく見覚えあるんだけどその姿はなに? 前の世界で私の大事な人を2人も倒したくせに、その姿でくるなんて余程舐めてるとしかおもえないんだけど?」

「姉さん、とりあえず降ろしましょうや。1から説明しますにぃ」


 降ろす=落とした。


「とりあえず姉さんに伝言を伝えておきます」


【前の世界ではごめんねぇ。ただあの2人に関してはこちらの世界に連れていけないし肉体に魂が定着しすぎてたから魂にもどってもらっただけよ。それだけ恨まれたくないしそれだけ言いたかったのよね。あとの詳しい話はエコーちゃんにでも聞いて」

「君エコーなの? 書のヘルプの?」

「YES。ただシステムに侵食して同化したって言う方が正しいけどな。味気ない秘書みたいな喋り方よりこっちゃのほうがよいじゃろう?」

 ドヤァと胸を張って言ってくる。

 とりあえずデコピンを力一杯込めて穿つ。


 グルンっと後方一回転捻りして着地する。

「10点⋯⋯」

 ニヤリと表情にだす。

 即座に諦める。

 たぶんダメージ入らないんだ。

 最初のも痛がりも間違いなく演技ね。


【⋯⋯じゃれ合ってくれて何よりだけど最後に一言】


【私達は貴女の出生の秘密を知ってる】


【だから興味があるなら積もる話もあるし、私達の元までおいで。来れれば話してあげるる。あと⋯⋯】


 ガンガン!

 扉が叩かれる音がする。


【あ〜もう来ちゃったか⋯⋯2人がずっとお世話したんだし悔しいから私も面白いものあげる】


 ガン!

 扉が破られる。

(枝葉ちゃんと話させて!)


【では、またね】


(あー⋯⋯)


 ブツンと切れるように会話が終わる。


 エコーがニヤリとする。

「伝言終了したので10秒後に爆発します。止めたければ魔力をウチにそそいで満足させな! 満足できるまで注げたら契約してやんよ!」


 10、9、8、7⋯⋯。


 舐めてる⋯⋯絶対に舐めきってるよ! あの人。

 何を言おうとカウントダウンは止まらない。

 どちらにせよ魔力注ぐという選択肢しかないのだ。


 エコーの頭に手を当てて魔力を流す。


「おおう、いい感じに効いてる効いてる。気持ちいいぞよ。だがまだ足りぬ! まだもっと強くしてくれんかのぅ⋯⋯ばあさんや」


 6、5、4⋯⋯。


 くそぅ⋯⋯と思いつつも強く魔力を流す。


「まだだ! もっと熱くなれよ! お前ならもっと熱くなれるはずだろ!」


 ムカッ。


 3、2、1⋯⋯。


「おおぅ満足満足。だが! 爆発はするけどな!」


 ピカッと光り爆発を起こす。


「あぁ! もう! 絶対に怨んでやる!」


 ボンッという音の後に森の中から鳥たちが一斉に羽ばたいた。

いままで頭の中ばっかりで収めていたので、アイデアでたらメモに書きはじめました。


更新頻度は遅くても一週間に一回はのせたいな


双銃の名前をノワールとフランからノクターン変更しました

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ