狂ってきた歯車が周り出す
おっさんと曾祖父との
歯車が噛み合いとんでもない事になって
いきます。
曾祖父と談笑しているとふと何故こんな仕掛けを
作ってまで覇者になりたかったのかと
疑問が出たので聞いてみたら
その昔、魔国との大戦に勇者パーティの
募集があって、その時に集まった自分好みの
女の人を口説きまくって、若さの勢いで
食べまくっていたり
それが選考人に知られたらしく
無類の女好きはパーティには要らないと
試験にも受けさせてもらえず
追放されたそうな…
やっぱり曾祖父の血は俺に色濃く受け継がれてる
ような錯覚を覚え、共感していたら
賢者にはなれなかったがこれでも知る人ぞ知る
魔法師だったらしい
汚名の方が目立つが多種多様な魔法を駆使し
魔物を倒し、今の土地や山、祠等の資金にした
そうだ
だけど歳には勝てず覇者は諦め
女性を口説く為に都心に行くが
ギルドがある場所は入場拒否され
たまたまその当時ギルドもなく辺境という事で
土地も安く、それなりに魔物が闊歩していた
この場所で魔物を狩り、その素材や魔結晶で
稼ぎまくったそうだ
そのお陰もありこの地域に強い魔物が皆無で
居ても弱い魔物の為
村人がどんどん増えて
今の規模になったそうだ
心残りは桃源郷をこの場所に作り
そこの御神体に祀られる事を子孫の誰かに
依頼しようと待っていたらしい
俺もお金があるにはこした事はない
女好きだからハーレムも悪くない
と考え、二つ返事で任せて欲しいと
言っていた
そこからが地獄だった
初歩の魔法を曾祖父の魔法以上にするには
努力と根気、知力と体力を駆使し
何度も死に掛けながらも努力した結果
なんとか曾祖父の魔法に近づけたが
超えられない…此処まで努力しても届かない
曾祖父から成人の儀式は済ませたのかと
聞かれ、そんなお金もなく子育てや仕事に
忙しい日々を過ごしていたので
40歳も軽く超え今に至ると告げる
その事で曾祖父に驚かれながらも笑われ
儀式が済めば恩恵によって
固有スキルが与えられ、スキルによるが
曾祖父をも超えられる逸材だと告げられた
何故なら成人の儀式を済まさなければ
子供のまま歳を重ねて死ぬようなものらしい
数年の修行をしていた感じなのに
この特別な空間は特殊魔法と魔法陣で
本来の時間とかなりかけ離れ
肉体の保護や管理も問題ないみたいだ
次の段階は魔物を狩って資金を集め
成人の儀式を済ませてもう一度ここに
戻ってくるように言われ
肉体に戻ると確かに修行する前より
身体は動くし筋肉もついている
魔法はこれでも初歩の魔法かと思うくらい
強力で曾祖父が言っていた事に納得する
普段なら片道三時間掛かっていたのに
今では息も切れないで余裕で一時間を切って
自宅に戻ってきた
祠で気絶してからまだ3日しか時間が
経っておらず、起きてから登りかけに
取っていった物は下山の前に食べつくし
帰ってからもひたすら食べて
どこに入るのかと思えるくらいに食べまくった
数日はこの調子が続き
落ち着いた頃に成人の儀式を済ませるべく
ラーナ都心に向かいつつ
少し迂回しながら魔物を狩っていった
一端の冒険者パーティが手こずる
ウォーターベアを
初歩のサンダーで屠り
ダークウルフの群れをウォーターカッターや
ウィンドカッターで二分割してやった
素材や魔結晶をキズを付けずに倒す方が
大変だった
食料の為にビッグホーンラビットを狩ったり
サーベルタイガーの服が人気だと知っていたので
噛みつこうと大口を開けた時に
口の中にロックバレットをお見舞いして
後ろの穴から出るように勢いよく
ブチかましてやった
なんだか凶暴化していく自分を抑え
なんだかんだと素材や魔結晶を現金化して
成人の儀式をする為に教会に来ると
中は幻想的ではあるが
人々の痛い目線に刺されながら
神父の祈りと儀式の為に手を水晶にかざす
するとどんどんとおっさん特有の加齢臭と
白髪が減っていき肌も艶と張りが出て
まるで20歳くらいの人生絶頂期の容姿に
なっていった
周りの人々や神父までも目を見開いて
ポカンと開いた口が可笑しくて
思わず大笑いして逃げる様に
教会を去り、しっかり綺麗どころを目に焼き付け
全力疾走でまた祠に戻って来たら
同じ目と口を開いていた曾祖父に
腹を抱えて笑ってしまった
若返ったのには正直驚いたがさらに
聞いた事もない固有スキルが発現していた
クリエイトとなっていた
曾祖父に聞いても知らないらしい
ハーレムの為に頑張ってみると
このスキルかなり出来るスキルで
剣を握ったままで火の魔法を唱えると
なんとファイアブレードとなり
長さも片腕くらいの長さなら維持出来る
それの応用でウィンドブレード
サンダーブレード、ライトブレード
ウォーターブレード、ダークブレードとなる
土の魔法を使用するとイメージで
棍棒の様にもなり、魔力を高め
剣をイメージすると大剣や
オリハルコン級の硬度を持つ剣になったりと
どれも切る対象物によって魔法を
使い分け、無敵の武器になる感じだ
短剣なのに刃の部分の長さも自由自在
素晴らしい
初期のファイアボールを手のひらに展開し
魔力を込めると普通なら大きくなるが
そこでファイアボールを握る様にしながら
魔力を限界まで込めると
手の平サイズの小型太陽が出来たのかと思うくらいの、とんでもない物が出来あがる
魔法自体を操り
二種類や三種類の魔法の組み合わせで
初期魔法ではあるが
とんでもない威力の魔法が出来上がっていった
これで曾祖父と俺の夢である
桃源郷=ハーレムが出来るし
無敵じゃねぇかなと思ってしまった
魔法自体は初期魔法の為
これまでと同じ無詠唱で使用でき
混合魔法もイメージさえしっかりして
いれば問題無く無詠唱で使用できる
曾祖父からは我が末裔のトシよ
早く儂に桃源郷を用意せよと言って
なかば強引に俺の精神を肉体に詰めて
追い払っていきやがった
気持ちは分からないでもないがね…
俺も出来るなら早く実現したい