第7話、男は女の子に対する免疫が極端に少ないと女の子に話しかけられただけで幸せになる
投稿ミスってちょっと投稿が遅れました、すみません。
あと仕様を勘違いしてた関係でこれまでタイトルに第◯話ってのを付けてなかったのを修正しました。
「それでは杉田くん、そろそろ仕事をしてもらいたいのですが。」
「はい、何でしょうか。」
「少し待ってて下さい、よいしょっと。」
そう言うと部長は理科準備室から何台もの戦車や戦闘機や人型ロボット…のプラモデルを取り出した。
「あと、これも…」
そう言うと部長は何本かの試験管と大き目なビンを取り出す。
「それでは、技能、薬品精製。」
部長がビンの中に入ってる怪しい粉を試験管の中に入れていく。よく見ると試験管の中には透明な液体が入っている。
「技能、武器精製。」
そう言いながら部長が試験管に触ると試験管は光を放ち数個の弾丸の弾のようなものに変形した。
「これでよし、それでは杉田くんにはこの弾をそこのプラモデルに組み込んで撃てるようにしてもらいたいのですが、杉田くんの技能なら出来るはずです。」
「わかりました。」
いよいよ俺の技能が実戦でお披露目される。
「技能、機械工」
俺はプラモデルに触れると技能の力によって内部構造を調べる。
この技能は、ロボットとかプラモデルとかとにかく機械っぽいものの内部構造を把握し、溶接などを使わずに強引に改造することができる。
多分さっき坂田先輩がぶっ放していたペットボトルロケットランチャーも改造できるだろう。
「部長、このまま弾丸を取り付けて撃てるようにしてもプラモデル本体が持ちません。砲身が必要です。」
「わかりました。」
部長が理科準備室から試験管と「鉄粉」と書かれた
ビンを取り出す。
「技能、武器精製」
部長が試験管に鉄粉を入れて触ると試験管が鈍い銀色に変化する。これなら砲身の代わりになりそうだ。
俺は機械工の技能とプラモデル内部のパーツを幾つか使ってマガジンを作り、砲身と共にプラモデルの内部に埋め込んでいく。
その間にも部長は新たな弾薬や砲身を作る。中には試験管の代わりにビーカーを使って爆撃に使う爆弾になっているものもある。
俺はプラモデルに部長が作ったものを組み込み、武器を作っていった。
俺が武器を作っている間にも戦況は動く。
「ッラァ!」
「あっ、俺のペンデュラムが!」
テニス部員の1人がラケットを使って片岡先輩の振り子を打ち返す。
俺がプラモデルの半分くらいを武装し終えた後に少し戦況を見てみると、状況はどちらかと言うとこっちが押されていた。
テニス部サイドは15人くらいバッチを奪われた部員がいるようだが、依然として集団を形成して科学部を押し切ろうとしている。
一方科学部は、2人バッチを奪われた先輩がいるが、単純な頭数での戦力比はまだあまり変わってなかった。
しかし、前線に出ている一人一人を見てみると、呼吸が乱れている者がほとんどだ。明らかに疲労している。
それに対して、テニス部は疲れた様子を見せていない。
おそらく、科学部は文化部故に普段はあまり運動しないためスタミナがあまり無いのだろう。
それに対してテニス部は人数が多いため前で部員全員が出張ってる必要がなく、ある程度交代して休憩を取ることもできる。
それに科学部はその技能の多彩さと単純に1人が相手にする数の多さの問題で精神的な疲労も早くなるに違いない。
そして、スタミナと数以外にもう一つテニス部には厄介な点があった。
「いてっ!」
片岡先輩が飛んできたテニスボールに直撃する。
広間から続く通路から10人ほどのテニス部員がひっきりなしにサーブを打つ。
それがちょくちょく科学部員に直撃し、ジワシワとダメージを与えているのだ。
オマケに、技能を使っているからか、テニス部員にサーブしたボールが当たることはほとんど無かった。
このままでは均衡が崩れて科学部が押し負けるのも時間の問題だ。
「さて、これまでテニス部にはこの辺りでみなさんのスタミナが切れて押し負けることがよくありましたが、高橋さんにはこれからそれをなんとかしてもらいます。技能を使って下さい。」
「わかりました。」
「技能、薬品精製」
部長がまた何か作っている。
「みなさん、一回下がって下さい!」
部長が声をかけると先輩達が集まってきた。
高橋が目を閉じて何か集中している。技能を使うのだろう。
「技能、フラワーセラピー。」
高橋が技能を発動させる。すると、さっきまでプラモデルをいじくってて微妙に疲れてきた頭がスッキリしてきた。
科学部は肉体に受けた傷なら薬を調合して治すことができるらしいが、体や精神の疲労まで薬で治すことはできなかった。
まあ確かに、薬って風邪とか消毒とかは結構効くけど栄養ドリンクとかはあんまり効かないイメージがあるしね。
しかし、この技能を使えば、疲労を取り除くことができるのだ。これで科学部は完全に体力を回復させることができる。
しかも、この技能の効果はこれだけではなかった。
「ふおお、この感じ、甘酸っぱいけど悪くない…やってやるぞ!」
野村先輩が叫ぶ。
この前畑仕事してるときに野村先輩が話してくれたのだが、科学部は部活の雰囲気や活動内容が原因なのか、ほとんど男子しか入って来ないらしい。
実際2年生の代は男子しかいない。
しかも、科学部の男子は恐ろしくモテないらしく、みんなほとんど彼女ができないらしい。
部員の中には彼女がいない暦=年齢と言う人も少なくはないらしい。
そのため、科学部の男子は外には決して出さないが、皆女の子に飢えていた。
そんな中今年は珍しくすごくかわいい高橋が入ってきた。
そして、高橋による癒し効果と園芸のお花による癒し効果と科学部の男子の女の子に対する耐性の無さが高橋の技能に追加効果をもたらした。
なんかこう、高橋のために何かしてやりたい、守ってやりたいと言う甘酸っぱいけど幸せな気持ちが押し寄せてくるのだ。
これによって、科学部の面々は高橋のためにパワーアップしたのだ。
なんだかオタサーの姫みたいだが、実際高橋の癒し効果がとても高いのだから仕方ないだろう。
部員の士気が最高潮に達したところで部長が次の作戦を提案する。
「野村くん、じゃがいも結界を使って向こうの通路を塞いでテニスボールによる攻撃を無力化して下さい。」
そう言うと、理科準備室から取り出したじゃがいもやその他いろんな種類の種と何本か試験管を渡す。
「わかった、片岡、坂田、隙を作ってくれ。」
「了解!」
先輩が一斉に散らばる。
「技能、60センチ酸素魚雷1/10スケール!」
坂田先輩が塩化ビニル菅にガスを詰め込んで作った魚雷|(自称)を腕にくっつけた四角い箱から打ち出す。
「ペンデュラム!」
片岡先輩がテニス部の集団の後ろに振り子を展開する。
他の先輩達が走ってテニス部の後ろに回り込む。
これでテニス部の集団のは一時的に挟み撃ちとなった。
野村先輩がボコボコとサーブによるテニスボールをぶつけられながらもじゃがいもを広間の入り口の床や壁にくっつける。
「じゃがいも結界!」
これでサーブを打ってくる鬱陶しい後衛のテニス部員は無力化された。
それからは体力を回復させた先輩達が次々とテニス部員をなぎ倒し、バッチを奪っていく。
このまま行けば初陣であるこの戦いも無事に勝てるだろう。
今作ってる武器も御役御免かも知れない。
そう思っていた時、突然、俺の目の前のじゃがいも結界がピピピピッ、と音を立てたかと思うと、パラパラと崩れ去った。
えっ、と思った瞬間、隣に居た高橋の姿が消えた。
そして、広間の奥にいるテニス部員に高橋が紐のようなもので腕と体を縛られた状態で捕まっていた。
クソッ、高橋を離せ!と叫びながら高橋を捕まえたテニス部員に向かって走って組みつこうとしたのだが、俺の体に突然異変が起こった。
やっと主人公とヒロインが仕事した…
後ほんっっっっとにどうでもいいことなんですけど作者は科学部の皆さんと同じ彼女いない暦=年齢の人です。