第5話、15歳でロリっぽい見た目なのは一瞬合法ロリと思うかも知れないけど普通に違法ロリ
第五話
「よいっしょ!」
俺は荒地にスコップを突き立て、硬い地面を掘り返していく。
初っ端から手厚い歓迎を受けた仮入部期間も終わり、俺たちは正式に科学部に入部した。
それじゃあ早速ロボコンと行こうか!と言いたいところだったが、残念ながらまだ「部活戦争」とやらをやってないので部費が貰えず、ロボコンに必要なロボットの部品やらが買えなかったので、仕方ないから高橋が園芸をやるための花畑を耕すのを手伝っていた。
「ごわああああああす!!」
下田も手伝ってくれている。アイツも生き物を飼おうにも部費が無いからまだ飼うことができないと言う状況だ。
ってか下田のヤツ、俺の3倍ぐらいのスピードで作業してる…これ下田だけでいいんじゃないのか?
「おー、がんばってるねぇ。」
手前に広がる畑の雑草を抜きながら呑気に声をかけてくれる髪がモサっとした先輩、じゃなくて、野村菜太先輩である。
「みんな、一回休憩にしよー!」
今日も美しい高橋が休憩を促す。ぐふぇふぇ。
「とりあえずここの区画はだいたい掘り終わったぞ。」
「こっちの道もだいたい完成してきたよ。」
出会ったころは緊張していたのか敬語を使っていたが、最近高橋と打ち解けてきたのか普通に話すようになった。
俺たちは今、先輩の畑の奥に3メートル四方の花畑を作ろうとしている。俺と下田は畑を耕す担当、高橋は土を固めて道を作る担当だ。
もっと広くてもいいかも知れないが、ひとまず最初は規模を小さくしてやってみるそうだ。
「大方耕したし、今度は畝を作るか…」
「うん、そうだね、こっちはもう少しかかりそうだけど。」
「なら畝を作るのはワシに任せるでごわす、杉田は高橋さんの作業を手伝うがいいでごわす。」
全く、下田もなかなか気が効くヤツだ、俺と高橋での 2人での共同作業になるのか…
まあその前には下田と2人で共同作業してたんだけど…
「そうだな、大変そうだし、手伝うよ。」
「うん、ありがとう。」
ストレートな髪を揺らし、ニコッと笑う。
そして、そろそろ休憩も終えて作業を再開しようとしたところで眼鏡をかけた先輩が「おーい!」と叫びながら走ってきた。
「どうしたんだ?」
野村先輩が尋ねる。
「テニス部から "宣戦布告"を受けた。30分後に開戦だ。部室に戻ってくれ。」
部室には、2年生の先輩が8人と、1年製が7人居る。
これが今の科学部の全ての部員だ。多分…
「ねえねえタカヒロくん、ついに始まるのかな?部活戦争とかいうヤツ。」
甘ったるく軽い口調の声が聞こえてくる。声の主は高橋ではなく、永井陽菜、仮入部初日にゴキブリの人と一緒に居た女の子である。
くりっとした瞳に幼い顔立ち、140センチ足らずの身長にツインテールの髪型と、あざとい、としか形容できない方だ。
「まあ宣戦布告されたからね、でも、僕や陽菜はまだ戦うのに必要な技術とやらを知らないけどどうするんだろうね。」
落ち着いた様子で答えるのは例のゴキブリの人こと川口貴弘。
細い顔にキリッとした目を持ち、眼鏡もかけてスマートな顔立ちだ、身長は170位かな…
「シオンは技術とか言うヤツ使えるの?」
さっきから陽菜が名前呼びなのは部員で自己紹介した時に「永井って名字がなんとなくダサいからみんな名前で呼んで!こっちも名前で呼ぶから」とか言ってたからである。
名前で呼ばれるのもなかなか慣れないもので今でもなんだか背中がむず痒くなる。
「ふっふっふ…実は俺はもう技術を使えるのだよ!」
「な、なんだってー!」
やたらノリノリで返してくる陽菜。
「ねぇねぇねぇ!どんな技術なの?」
陽菜が目をキラキラさせて聞いてくる。
「それは実戦で見るまでのお楽しみかな。」
「え〜。」
不満そうだが長話できる状況ではないので説明は今度にしてもらおう。
代わりにどうしてもう技術を使えるのかを回想することにしよう。
技術はこの学校で部活動を行うことによって使えるようになるが、中学校の頃に部活をやっていて、高校でもまた似たような部活に入った場合はある程度は技術は使えるらしい。
なので俺や高橋は仮入部期間中に技術が使えるようになっていた。
「杉田くん、ボーっとしているけどそろそろ説明が始まるよ。」
高橋によって意識が現実に引き戻される。
しばらくしてみんなが静かになると、白衣を着たこの部活の部長である高木進一郎先輩が話し始めた。
「えーっ、それでは。1年生が入ってきて初めての部活戦争になります。今回の相手はテニス部ですね。」
ちなみに、仮入部期間は部活戦争を禁じされているようだった。勧誘とかに支障が出そうだしね。
「テニス部はただでさえ人気の部活なので人数が多いのに中学校でもテニスをやっていた人が多く、1年生も即戦力となって一緒に攻めてくるので物量の差が圧倒的です。手強い相手になるでしょう。」
「確か2年生だけでも30人は居たね。」
野村先輩がモサモサっとした髪を揺らしながら言う。
「1年生でも即戦力は20人は居るそうです。それに対してこちらの戦力は2年生が8人と、1年生は杉田くんと高橋さんの2人…合計10人です。」
うわぁ…単純に考えると人数は5倍だ…俺1人でテニス部の部員5人を同時に相手することになると考えると結構キッツいぞ。
「でも杉田と高橋の技術は今の所は後方支援で使えるから、初陣になるし今回は後ろで見てもらう事をメインにしてもらもう。」
野村先輩が優しい一面を見せてくれる。
つい先週ほとんど事情を知らない俺たちに向けて蚊の大群を差し向けて来た時とは大違いだ。
「そうですね、杉田くんと高橋さんは今回は僕の側に付いていて下さい。やって欲しいことがあったら指示を出しますので、とりあえずこちらの指示に従って下さい。」
「わかりました。」
「はい。」
「確かに頭数では負けてますが、こちらは個々の戦力には自信があります。科学部は伝統的に強力で個性的な技術を持っているので1年生の2人は諦めないで下さい。」
「それじゃあ、いつものやり方で、いっちょ1年生の部費をゲットしちゃいますか!」
「残りの1年生は、危ないので部室の中に入っていて下さい。」
俺と高橋さんの初陣までもう残り5分を切っていた。
今日忙しくて投稿する時間が少し遅くなったのとついでにあんまり話しが進んでなくてなんかすんません。次回また戦闘回かなー…