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部活戦争  作者:
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第1話、高校では入学初日に誰とも話さなかったヤツはだいたい陰キャラになる

人類がヒマな時に妄想するシチュエーションの1つに、学校の部活動がそれぞれの部活の特徴を生かして部活同士で戦う、と言う物がある。

例えばサッカー部がボールをシュートして敵をなぎ倒し野球部がバットを振り回して敵を吹っ飛ばし剣道部がその太刀筋で相手を倒していく、みたいな感じだ。

俺も何度か妄想したことがある。

でもこうやって呑気に妄想してる時にはまさか自分が実際にその妄想したシチュエーションの真っ只中にあることになるとは思いもせずに、脳内で戦いを繰り広げていた。


「からだがしんどい。」

俺が高校生として初めて学校に登校した際に初めてこの学校で発した言葉である。

俺、杉田紫音は今日から高校1年生。これから青春の日々が始まろうとしてるのだが俺の表情は明るくはない。

「しっかし、自己紹介どうしようか…」

俺は男なのに「シオン」と言う物静かなんだけど攻略後はデレデレでベッドの上でめっちゃ甘えて来るエロゲーのヒロインとかにありそうな名前なのだ。

いや、俺はエロゲーなんてやったことないからよく知らないけど。

未だ経験したことのないエロゲーの世界に思いを馳せていると昇降口にたどり着く。

俺のクラスは1年3組だった、さっき校門の近くに張り出されていた。

「あー、帰りてぇ…」

俺が新しい生活をこんなにも嫌そうにしてるのは別に変な名前のために自己紹介が面倒臭くなるからではない。

教室へ向かいながらこの松隠高校へ通うことになった経緯を思い出す。


中学の頃は、俺は部活のロボコンに熱中していた。

何度も大会に出て特別賞なども貰ったが予算が潤沢にある強豪校相手にいつも負けていたため全国大会への出場はできなかった。

いくらロボットを作り動かす技術が優れていてもやはり最後の最後で機体のパーツの差が出てきてしまう。

そして最後の夏の大会にも負けてしまい受験勉強にも身が入らずにロボコン強豪校に入ることもできず滑り止めの松隠高校に入学した。

しかもこの松隠高校にはロボコン部はないのだ。

この学校で生活していくモチベーションが限りなく ゼロに等しい俺はダルそうに自分の席に着いた。

席に着いても特にやることもないので教室を見回してみる。

左隣には髪を茶髪に染めたチャラそうな男が前の黒髪で眼鏡をかけた男と話している。

小学校の友達がある程度いた中学校の入学初日と違い、高校の入学初日は知り合いが全くいない。

しかしそれは他のクラスメイト達も同じはずだ。

入学初日にはとりあえず隣の人に声をかけて俗に言う「ぼっち」にならないようにしようとしたのだが、隣の茶髪は既に誰かと話している状態。声をかけづらい。

しかもなんかチャラそうだし…

いや、チャラそうな事は悪ではない、チャラい言動と行動によって他人を傷つけることが悪なのだ、要するに他人を傷つけることが悪なのだ、全国のチャラそうな人は安心して欲しい。

まあでもチャラそうな事が悪ではなくとも初対面の状態で話しかけるハードルを上げるには十分だったのでとりあえず話しかけるのはやめておこう。

ただこのままだとぼっちになってしまい、学校で一言も発せず家に帰ってエロゲーをやることが趣味になってしまう。

ただまだ俺は右隣りに座っているクラスメイトを見ていない。

右隣りのクラスメイトに俺のぼっち回避に成功した学校生活への可能性を全て注ぎながら右隣りの席の主のご尊顔を見た。

とんでもない美少女の姿がそこにあった。

とんでもない美少女を見た時の男の反応は二通りある。そのままじーっと見つめるか、あわてて目を逸らすか。

俺は後者を取った。

しっかしとんでもない美少女だった、物静かなんだけど攻略後はベッドの上でめっちゃ甘えて来そうな感じの美少女だった。

そして、一目見た女の子のベッドの上での姿を想像する最低な男が隣に座ってる事実も発見してしまった。

ただそんな最低な男でもぼっち回避のためにやらなければならないことがあった。

話しかける対象を左のチャラそうなのか右の美少女かどちらか選ばねばならなかった。

前の席や後ろの席と言う選択肢もあるかもしれない。

しかし前の席は座ってる男の肩幅がやたら広い、俺の1.5倍くらいはあるかもしれない。こわい。

そして後ろの席に座ってる人がどんな人か判断するためには俺は振り向かなければならない。急に前の人が振り向いたら不振に思うだろうし、実際今俺の前に座ってる肩幅が広い男が振り向いたら入学初日から漏らして高校生活が入学初日から終わる可能性すらある。

うーん、どうしようか。

どっちにしても同じくらい話しかけにくい。ならばこの際どっちに話しかけた方が得か考えよう。

左のチャラそうな男に話しかけた場合、とりあえずチャラそうな男と仲良くなる。そしてチャラそうな男に掘られる訳だ。

まだ15歳なのにケツから食べ物の成れ果て以外の物を出し入れしたくはない。話しかけるのはやめておこう。

右の美少女に話しかけた場合。美少女と仲良くなる事ができる。そして特殊な器具によって掘られる訳だ。

15歳と言っても人生に冒険は必要だ、ケツから食べ物の成れ果て以外の物を出し入れすることもまた俺の人生を豊かな物にするためには必要になってくるかもしれない。

俺はまだ経験してないケツへの刺激を思いながら右の美少女へ話しかけることをケツ意した。

「あのー、ち、ちょっといいですか?」

俺は意を決して声をかけてみた。

「えっ、はい、何ですか?」

美少女が振り向く、振り向く動作に合わせて長い黒髪がふぁさっ…と揺れてシャンプーのいい匂いを振りまく。

やばい。

「えっ、いや、あの周りに友達とかいなかったから話しかける相手とかがいなかったので…」

なんか変な日本語になってしまった。男は美少女を前にすると脳の処理能力がかなり落ちてしまうので美少女って実は損してるのかも知れない。

「そうなんですか。それで、あなたの名前は?」

アホな事を考えてたら質問が来た、

「杉田紫音って言います、君は何て名前?」

相手がなぜか敬語だから移っちゃった…

「高橋花音って言います、花に音と書いて、かのんって読みます。」

「なんだか俺たち似たような名前だなー、よろしくね、えっと、高橋さん」

「こちらこそ、よろしくお願いします。」

高橋さんがニコッと笑顔を浮かべる。

やった、やったぞ!!なんとなく思いつきで入学初日から美少女と仲良くなる事ができた。

先ほどこの学校に通うモチベーションはゼロだったがこれで学校に通うモチベーションができた。

しかし、自己紹介を終えた所で何を話そうか。このままだと気まずい沈黙ができてしまう。そうだ!

「高橋さんって、何か入る部活とかは決めたの?」

とりあえずこうして話題を繋ぐことに成功したぞ!

「いや、そう言われてもまだどんな部活があるかわからないんですけど」

あっ、話題のチョイスに微妙に失敗してしまった。しかし俺はここで画期的なリカバリーを思いつく

「うーん、じゃあ中学の頃は何部に入ってたの?」

「中学の頃は園芸部に入っていました。でも、この高校には花が咲いた庭はなさそうです。」

「えっ、中学の頃の園芸部ってどんな感じだったの?」

「えーっと、そうね、私の中学校にはこの教室の二倍くらいの広さの庭があって…」

こんな調子で高橋さんの中学校の頃の話や俺の中学校の頃の話をしていたら先生が入ってきた。入学式の時間だ。

ちなみに話しかける直前にケツに物を突っ込むことを考えていたせいで話題を切り替える時に危うくケツの話をしそうになったことも付け加えておく。



とりあえず書き始めてみましたが、あらすじで書かれてるとこの半分も進んでないです。本題に入るまでにはもう少しいろいろありますが、温かく見守って下されば幸いです。レビューや感想お待ちしてます。

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