表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
4/5

4

梨沙子は日に日に思いつめて言っているようだった。だけど同時に梨沙子は美しくなった。少女らしい愛らしさは潜み、どんどん研ぎ澄まされていくようだった。

季節が秋に変わる頃、彼女はもう私の知るかわいい梨沙子ではなかった。見知らぬ一人の女だった。

「なおちゃん、もうすぐ冬だね」

「寒くなって、いやね」

「ふふ。なおちゃん、そういっても夏も嫌いだよね」

もう彼女は以前のようにいつでもへらへら笑うこともなくなった。密やかに、同性の私でさえどきりとするように綺麗に笑うのだ。

以前の彼女の嫌いだった部分はなくなっていっているのに、私は彼女が変わるのが嫌だった。突然泣きたくなるような不安と寂しさを感じた。

私はようやく自覚した。どうして、あんなに彼女に苛立っていたのか。彼女に彼氏ができるたびに。別れるたびに。そしてそれは繰り返されるうちに彼女自身への憎しみとなった。全部、無自覚のうちに。

考えてみれば、単純で分かりやすい話だ。私は、彼女のことが好きだったのだ。彼女が適当に付き合っていた恋人たちにまで嫉妬するほど。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ