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向日葵  作者: 角達 和樹
10/17

9

 昔の夢を見た。


『夢』というよりか思い出。


あの頃の私は、今と違って生き生きしていて何でも出来た。


今の私を、もしあの女の子がが見たらなんて言うかな。


彼女があの夏の返事を今することになったら間違いなく・・・。


 なんて、ありもしないのにそんなことを考えてしまった。


昼間よりは気温も下がり、太陽の暑い刺すような日差しはすでになく明るさだけがまだ残っていた。


時計を見ると、すでに18時をまわっていた。


私は急いで準備をして外へ出る。


家の中には誰もいないが鍵も締めずに外へ出る。


東京ではあり得ないことだが、これは田舎の特権だ。


墓参りに行き、帰りに駄菓子屋でカップ麺でも買わないと夕飯にありつけなくなってしまう。


久しぶりに来た先祖の墓はしっかりと手入れがしてあり、花もまだ新しく綺麗である。


私以外の誰かが来たのであろうこと容易に見受けられる。


線香を焚いて手を合わせる。


毎年お盆は朝晩二回来ていた墓参りも、ずっと昔に思うほど久しぶりに訪れた。


辺りは暗くなりはじめ、私も駄菓子屋へと向かう。


風になびく稲穂がサーッと音を奏でると、より一層涼しく感じる。


山の方に向かって伸びる、何年も昔に舗装されたアスファルト。


私が小学生の時にはすでに舗装されていた。


昔、この田んぼ道をよく歩いた。


目を瞑って自転車を運転したら田んぼに落ちたこともあった。


祖父母が飼っていた犬が逃げ出して、この田んぼ道をあの子と追いかけたことも。

 

 彼女が、用水路にいたザリガニを初めて見て驚いていたのも。

 

どれも今ではいい思い出だ。


あの夢を見たせいか、ずっとあの夏のことばかり考えてしまう。


ずっと忘れていたはずなのに田舎に帰ってきたためなのか、どんどん思い出してしまった。

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