【漫才】ハラスメント
二人「はい、どうも~」
ボケ「最近ハラスメントっていう言葉が横行してますけども、君知ってる? ハラスメント」
ツッコミ「それくらい知ってるわ」
ボケ「僕、その界隈ではハラスメントに詳しい第一人者として有名なんですよ」
ツッコミ「そうだったの? 俺初めて聞いたんだけど」
ボケ「はい、ミセス・ハラスメントとして有名なんですよ」
ツッコミ「……ミスターな。お前いつからご婦人になったの」
ボケ「たとえば、君眼鏡掛けてるけど『眼鏡君』とかいうのもアウトですから」
ツッコミ「あぁ~、まぁそうなんかな。俺はそれくらいなら別にいいけど。でもさ、すぐハラスメントだなんだって言う人いない?」
ボケ「……それは僕に話しかけていると解釈してよろしいですか?」
ツッコミ「当たり前だろ! お前だよ! お前しかいねぇだろ」
ボケ「はい出た。トークハラスメント」
ツッコミ「は? トークハラスメント? なんだよそれ」
ボケ「僕に話しかけましたよね? 話すことを強要されたんでトクハラです」
ツッコミ「あるかそんなもん! なんだよ話しかけただけでハラスメントって。お前開口一番俺に話しかけたろ」
ボケ「それにあなた、今僕のことお前って呼びましたね? オマエハラスメント。オマハラです」
ツッコミ「……うわ、すっげーめんどくせぇ奴が現れたなぁ。どうしよ。っていうかお前じゃねぇか。すぐハラスメント言う奴」
ボケ「違いますよ」
ツッコミ「嘘つけ。お前だよ。なにかにつけてハラスメントだなんだ言う奴」
ボケ「はい出た。もう今のだけで三つもハラスメントしてますからね」
ツッコミ「なにがだよ、めんどくせぇな」
ボケ「オマハラでしょ、人を嘘つき呼ばわりしたライアーハラスメントでしょ、それから人をハラスメントばっかしてる人呼ばわりしたハラスメントハラスメントでしょ、もうひどいよ。なんだよお前、歩くハラスメント製造機か!」
ツッコミ「お前もお前っつってんじゃねぇか! なんでもかんでもハラスメントつけりゃいいってもんじゃねぇっつの」
ボケ「この際だから言いますけど、あなた今日だけでも相当な数のハラスメントを私に対してしてますからね」
ツッコミ「してねぇよ! 俺がなにしたってんだ言ってみろ」
ボケ「まず、朝、私が寝ているのにもかかわらず電話してきましたよね」
ツッコミ「お前が起きるの遅せぇからだろ」
ボケ「モーニングコールハラスメント。モニハラです」
ツッコミ「ふざけんな! なんだ電話しただけでモニハラって。っていうかお前が遅刻してんのが原因だろ! なに遅刻してんのお前」
ボケ「あっ、今私が遅刻したとおっしゃいました? はい、ハラスメントです」
ツッコミ「どこがだよ。事実だろうが。むしろお前がハラスメントしたほうじゃねぇか」
ボケ「遅刻したことをバラすハラスメント。バラハラです」
ツッコミ「まず遅刻すんな、お前は! バラハラとか言ってる場合か」
ボケ「遅刻したことをバラすハラスメント。バラスメントです」
ツッコミ「変わってるじゃねぇか。どっちだよ」
ボケ「それにあなた、私が楽屋に入ったときにカップ麺食べてましたよね? ズルズルと音を立てて」
ツッコミ「悪ぃのかカップ麺食べたら。あぁ、なんか音立てて食べるヌーハラとかいうやつ? それなら知ってるわ。いいじゃねぇかカップ麺くらい好きに食わせろ」
ボケ「いや、今日もブサイクな顔してるハラスメントですよ」
ツッコミ「カップ麺関係ねぇじゃねぇか!」
ボケ「ブサハラです」
ツッコミ「ふざけんな! お前も変わんねぇじゃねぇか。ブサハラしてんじゃん、お前も。っていうか一朝一夕でブサイクになったんじゃねぇよ、なんだよ今日もブサイクって。明日もブサイクだよ」
ボケ「あと、あなたフジハラもしてますよね、いつも」
ツッコミ「フジハラ? なんだよそれ、フジ……? 富士山?」
ボケ「わたしたちの共通の知人で藤原っていう人がいるんですけど」
ツッコミ「あぁ、藤原ね」
ボケ「そいつの本当の読み方はフジハラですから!」
ツッコミ「フジハラ!? えっ、フジワラじゃないの?」
ボケ「フジハラですから! いっつも藤原藤原って呼んで、それフジハラですから!」
ツッコミ「えぇ~、フジハラって読むのかあいつ」
ボケ「藤原って書いてフジハラって読むのに、藤原っていうのはフジハラなんですよ」
ツッコミ「ややこしいな! フジワラハラスメントでフジハラってことね」
ボケ「藤原藤原っていっつも呼んでるけど、いやフジハラだから! フジハラしてるってことなんだよ、あいつはフジハラなんだから。名前呼ばれるたんびにフジハラされてるんですよ、フジハラの奴は」
ツッコミ「フジハラフジハラうるせぇな! どっちでもいいわもう」
ボケ「あとマキハラもしてるでしょ、君」
ツッコミ「マキハラ? 誰? そんな奴いた? 本当はマキワラっていう奴がいたってこと?」
ボケ「いや、巻き爪ですよ」
ツッコミ「巻き爪!? なんで巻き爪がハラスメントなんだよ、おかしいだろ」
ボケ「いっつも巻き爪してるから見るたんびに『また巻き爪してるよこいつ』ってなるんですよ、こっちは」
ツッコミ「そんな急に巻き爪なったり直ったりできねぇだろ! なんだよ巻き爪ハラスメントって、聞いたことねぇよ」
ボケ「このように、今の世の中いたるところでハラスメントが起きてるわけですよ。あなた、知ってますか? 見るハラ」
ツッコミ「見るハラ? なんだそれ。まさか見ただけでハラスメントとか言うんじゃねぇだろうな」
ボケ「そのとおりですよ」
ツッコミ「ふざけんな! じゃあお前も見るハラしてんじゃねぇか。お前も俺を見てんじゃん」
ボケ「そういうことじゃないんです。あなた、今も私のことをいやらし~い目で見てますよね。そのことを言ってるんです」
ツッコミ「はああぁぁ!? トチ狂ったんかお前は! 誰がこんなブッサイクなおっさんをいやらしい目で見ることがあんだよ! 気持ちわりぃ!」
ボケ「もぉ~、さっきからチラチラ見てるじゃないですか。このざっくり開いた胸元とか超ミニのスカートから出てる生脚とか」
ツッコミ「……えっ、どういう設定? お前いつから女になったの?」
ボケ「いつからもなにも、最初から私は女ですけど」
ツッコミ「あぁ、そうなの。お前最初のほう『僕』って言ってたけどね。……あ、ミセス・ハラスメントってそういうこと!?」
ボケ「ここまでハラスメントが服着て歩いてるような君は、究極のハラスメント人間と言っても過言じゃないね。もう存在すること自体がハラスメントですよ」
ツッコミ「ふざけんな! 回避不能じゃねぇか、そんなの。どうすりゃいんだよ」
ボケ「消えてください。私の視界から」
ツッコミ「無理だっつーの」
ボケ「その豊満な乳を私の視界から消してください!」
ツッコミ「えっ? ……あっ、俺も女だったの!? 最初から言っといてくんない? そういうことは」
ボケ「いくら大きいのを自慢したいからって、もろ出しはやりすぎですよ!」
ツッコミ「もろ出し!? もうハラスメントってレベルじゃねぇだろ! 捕まるわ、もろ出しなんかしてたら」
ボケ「私ももろ出しですけど」
ツッコミ「お前もかよ! いいかげんにしろ」
二人「どうも、ありがとうございました~」




