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第五章 ―四つの月の記憶―(後編)
鬼ヶ島の廃墟に立つ四人の英雄――桃太郎、浦島太郎、金太郎、そしてかぐや姫。
彼らの足元には、過去の戦いの残滓が風に散っていた。
桃太郎は砦の石を手で触れながら、静かに言った。
「ここで多くのものを失った。だが、それ以上に得たものがある。俺たちの旅は、まだ終わっていないんだ」
浦島太郎が海を思わせる深い目で空を見上げる。
「時間が俺たちを試す。そして、俺たちが未来を紡ぐ。まだ見ぬ世界へ、もう一歩踏み出そう」
金太郎は大きな鉞を肩にかついで笑う。
「そうだな。戦いは終わりじゃない。これからが、本当の勝負だぜ」
かぐや姫は満月を背に、静かに頷く。
「四つの月が重なり合う時、真実が明かされる。その時まで、我々は進み続けるしかない」
四人は互いに視線を交わし、歩みを進めた。
重くとも、確かな一歩を踏みしめながら。




