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迫る正義を闇に葬る 後編


 異なる陣営の転生者同士の戦いが始まって十数分。


 不意打ちにより大打撃を受けた正義の転生者たちであったが、彼らもやられっぱなしではない。一瞬の隙を突いて敵の一人であるベーダー右腕を失わせた。

 右腕を失ったベーダーは恐怖を叩き込まれ戦線離脱。一人そそくさと逃げ出すものの、他の転生者たちは健在。

 戦いは続いた。


「こいつらを野放しにしていてはこの世界の平和はありえない」


 と、ダイヤ♢は罵るが火に油。プライドが無駄に高い者が多いため殆どの転生者はブライドを傷つけられた怒りのパワーがかてとなり、パワーアップさせてしまう。

 こんなの性格破綻者が大部分を占める彼らは、正義の転生者たちの言った世界の崩壊を招く存在に他ならない。

 しかし悲しきかな、今の正義の転生者たちに勝ち目はほぼ潰えていた。


「ウッ!!」

 

 それでも戦おうとするダイヤ♢であったが。疲弊したところを一瞬の隙を突かれて大斧で上下真っ二つに。

 トドメを刺したのはエゴス・カットマンという男であった。


「よっしゃー!! 打ち取ったりぃ~」


 エゴスは喜びからガッツポーズをする。

 人の命を奪ったという罪悪感などこれっぽっちも抱いていない。

 これもこの世界をゲーム世界だと思っているからできる所業。

 優先すべきは、自分たち主人公の意思にあり。相手のことを考えずに自分の都合だけを押し通す。


「ダイヤ♢ッ!!」


 ダイヤ♢がやられた事に動揺するハート♡。


「なんでこんな非情な事が平然とできるッ!!」


「お前たちに従う義理なんて無いからな」


 仲間をやられて激しい怒りをみせるも、エゴスはまったく悪びれることはなく悪辣そのもの。

 人を小馬鹿にしたように笑う。


「フンッ!!」


 全身から噴き出している感情は、激怒すら超えて殺意。

 爆発する怒りを糧に限界以上の力を発揮するも、多勢に無勢。

 戦闘を続けたところで勝ち目は皆無なのは明らかであった。

 このままではマズい……と、全滅の危険性が現実味を帯びてきたことに焦るも、打開策はない。


 余裕たっぷりの転生者たちがハート♡にトドメを刺そうとした次の瞬間――


「どわっ! なんだこの雨は!?」


「前がまともに見えん!」


 ――突然のゲリラ豪雨が降る。

 激しい勢いで大量に降るその雨は滝のような勢い。目と鼻の先を見ることすら困難であり、転生者たちの視界を奪う。


 逆にハート♡にはこのゲリラ豪雨は追い風となった。

 この機に乗じて逃げ出す。


「逃がすな! 追え!」


「ぎゃ!」


 ハート♡に斬りかかろうとして間違って仲間の背中を斬ってしまう。


「馬鹿、下手に攻撃すんじゃね! 味方を攻撃するだけだ」


 視界ゼロの状態で下手に攻撃すれば無駄に仲間同士で傷つけあうだけ。

 止む無く転生者たちはその場で立ち止まる。


「クソが! なんでこんな時に雨なんて降るんだ!?」


 これも裏口で異世界転生させた弊害によるもの。

 そうとは知らぬ転生者たちはこの天変地異に怒りをぶつける。

 もっとも、そんなことをしたところでなんの解決にもならないが。


「覚えてろ!! つええ助っ人呼んでくるからな」


 逃げ去る際に捨て台詞を吐く。

 本来正義である筈の者が悪役じみた台詞を言うもんだからどっちが正義なのか分からなくなる。

 それでも逃げ延びる事には成功したが……。


 結局、転生者たちは雨が止むまで身動きが取れず。ハート♡を逃がしてしまう。

 びしょ濡れになった彼らは仕留め損ねたことを恨み言をこぼしながら寮に帰っていくのであった。

 

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