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迫る正義を闇に葬る 前編


 クロジュウジがダイヤ♢に不意打ちをくらわすと、それを合図とばかりにベーダーらも攻撃を開始。

 

 クロジュウジ他七名はダイヤ♢を取り囲み。ベーダー他残りの十名は寄ってたかってハート♡を相手する。


「クソッ!! なんでこんな!?」


 あちらこちらからの攻撃を盾でどうにか防ぐものの、防戦一方。

 攻撃を捨て、回避・防御に専念しなくては致命傷になりかねない。


 苦戦しているが、ハート♡の強さが二十人の転生者に劣ってるわけではない。

 単純なステータスだけであればハート♡の方が明らかに勝っている。1対1での闘いであれば負ける可能は皆無だろう。 

 しかし、ステータスで勝っていても相手が十人掛かりで話が変わる。


 事実、ジリ貧だと頭では分かっているのに攻撃の余裕などなく、全力で回避に専念しなければ避けられない。

 下手に攻撃しようものなら致命傷を負ってしまうのは想像に難しくないだろう。


 攻撃する余裕がないハート♡とは対照的にベーダーらは余裕の表情。

 ハート♡がちょっとでも攻撃の動作をみせれば、攻撃されそうになった者とは別の者が背後から攻撃できる。

 これも一人に対して十人掛かりで挑むという、卑怯極まりない戦法の成せる業。


 この作戦に対して否定的なメンバー数人は直接加担せず、仲間たちを強化する魔法を発動して間接的に協力している。

 元々見て見ぬふりをするつもりだったが。他の転生者仲間に脅され、仕方なく加担させられていただけなので、まだ性根が腐ってないだけマシといえる。


「なぜなんだ! 提示した条件に不満があるのか?」


 細身の剣で応戦するダイヤ♢であったが、致命傷を負った今の状態では本来の半分程度の力しか出せない。

 それでも戦いながら説得を試みるが――


「はぁ? お前なに言ってんの」


「そうだそうだ! タダで元居た世界に帰れとか虫が良すぎる」


「だよねぇ。用済みになったら『さようなら』とかされたらたまったもんじゃないし」


 ――聞く耳持たず。

 

 それもそのはず。ベーダーは仲間の転生者たちに帰還した場合の特典を故意に隠していたのだ。

 説明すればダイヤ♢たちの話に乗る者も多かれ少なかれ出てくるだろう。

 そうなれば帰還に反対する戦力が減る。そうさせないためにベーダーは自分にとって都合の悪いところを隠した。


 その結果、彼の思惑通りほぼ全ての転生者仲間を味方につけることに成功した。

 元詐欺師なだけあって狡猾な男である。

 

「今だッ!!」


 じわじわと攻めるベーダーたちではあったが。一瞬の隙を突いてハート♡は攻撃を仕掛けた。


「ぎゃあああああああああっ!?」


 ハート♡の盾は周囲が鋭い刃になっており、盾としてよりも、斬りつけたり投げたりして使うこともできる。

 ベーダーは強烈な一撃を喰らい、右腕を上腕のあたりから切り落とされ、赤い血が勢いよく噴き出る。

 どのような方法を使用したのかは不明だが、右腕は体から切り離されると砕け散った。


 これも数によるアドバンテージからくる過信と軽率による舐めプした報いか。


「がべっ!? お、おぐっ……!!」


 全身に響く痛みに呻きながら、地べたを這いずるベーダー。

 不意打ちするはずが、あべこべに自分の方が不意を打たれて大ダメージを負っているこの状況に混乱を深める彼が、悔しそうに呟く。


 盾の性質上、防御主体の戦い方だとベーダーは踏んだが。

 実際には攻撃重視な戦法を得意としており、むしろ防御主体の戦いのほうが苦手。

 防御力を補うべく攻防どちらでも使える盾を武装として選んでたりする。


 慌ててアイテムボックスから回復ポーションを取り出して煽る。

 出血は止まり、皮も貼る。

 しかし回復ポーションは自然治癒能力を活性化させるだけ。四肢の欠損などは治せない。

 

 結果として見当違いしてしまったベーダーは利き手である右腕失い弱体化。

 英雄レースとでもいうべき勝負からいち早く脱落。もしくは出遅れたのは必至。

 非道な行いをした罰が当たったのかもしれない。


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