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この作品には 〔ガールズラブ要素〕が含まれています。
苦手な方はご注意ください。

最強女冒険者と普通のギルド受付嬢

作者: MutasannDESU

初めまして、MutasannDESUと申します。

pixivではちょいちょい作品をあげたりなどをしているのですが小説家になろうでは初投稿となります。

自分は文章力もなければ表現力もないカスな上に矛盾も多分ありきっとご期待に添える作品ではないかもしれません、ですが一度だけでも良いので作品を読んで頂きたい所です。

いわゆる駄文というものですが、どうぞよろしくお願いします!!!!


皆さん初めまして!シャーロット・ヌブラルと申します!


突然ですが、私には今恋が来ています!


お相手は私の所属するギルド「ジュラシック・ドミネート」の受付嬢であるカルハナ・ソルナさんです!


ソルナさんは綺麗な銀髪に吸い込まれそうになる藍色の目、そして何より、何者も拒まずに受け入れてくれる、そんな天使のようなお方なんです!


私がソルナさんを語るには10数年は時を遡ります!10数年前から私はソルナさんに心を掴まれています!!


そして彼女を知っていくうちに、どんどん胸の中がソルナさんでいっぱいになり、気づいたら恋心が出来上がっていました!!!!


なのでソルナさんとお付き合いが出来るように私、シャーロット・ヌブラルはアプローチを始めたいと思います!


それでは早速!


行っきましょ、参りましょう!




ー➖ー➖ー➖ー➖ー➖ー➖ー➖ー➖ー




皆さん初めまして、カルハナ・ソルナと申します。


突然ですが、私には今悩みがあります。


それは我がギルド「ジュラシック・ドミネート」の看板冒険者であるシャーロット・ヌブラルさんに監視されているという事です。


ヌブラルさんとはかなり昔からのお知り合いだったのですが、最近になって何故か監視されるようになったんですよね。まぁヌブラルさんからは以前からちょいちょいアプローチを掛けられてましたが。


彼女に監視される、それは「自由な時間はもう訪れない」という事です。


彼女は17歳という若さでS級になり史上最年少かつ世界で8人目となるS級冒険者になりました。そして、彼女の得意とする魔法、それは「夜鷹の目」。


対象を見る事でありとあらゆる情報を得る事のできる最強に等しい能力です。


最近はその能力を使うことにより私の生活スケジュールを把握して至る所で私に接触を図ってきます。


...何が目的なんですか!?私みたいなB級冒険者にS級冒険者が何のようなんですかぁ!!!


冒険者としての用事ならギルドで話しかけてくるはず!!


だから完全に私個人への用事、内容を聞くことが怖くて適当な理由をつけて逃げてしまっているので不安です.........




ー➖ー➖ー➖ー➖ー➖ー➖ー➖ー➖ー




皆さんこんばんは!シャーロット・ヌブラルです!


あれからソルナさんへアプローチを仕掛けているのですが、流石ギルド長お忙しいのかいつも『今は忙しいので...』とお話すら出来ません!なので少し強引に行ってみたいと思います!!!!!


それでは!


lets Go!




ー➖ー➖ー➖ー➖ー➖ー➖ー➖ー➖ー




「ふぅ...今日の業務もコレで終わりね」

皆さんこんばんは、カルハナ・ソルナです。たった今ギルドの業務が終わったので帰る支度を始めたいと思います

「えーと...今の時間は...」

(22:30...たまには21:00に帰ってみたいものね、金ローを生で見てみたい...)


扉がコンコンと音を鳴らす


「はーい」

(冒険者かな?こんな時間に来るのは珍しいな...)


ソルナが返事をすると勢いよく扉は開かれ見知った顔がひょこっと現れる


ヌブラル「こんばんはーー!!!!!」


ソルナ「ぎゃぁぁぁぁぁあああ!!!」


突然のヌブラルの訪問により、ソルナは人生で1番大きな悲鳴をあげる


ヌブラル「叫ぶことないじゃ無いですか!」


ぷんぷんと音を立ててヌブラルが怒る


ソルナ「あっ、いやぁ...何でも無いわ!ところでどうしたの?もう営業は終わったから出てって?」(頼む!素直に帰ってくれ!シャーロット・ヌブラル!!)


ソルナは笑っているような、引き攣っているような顔で言葉を発する


ヌブラル「ソルナさん!明日って暇ですか!?」


ソルナ「明日?暇だけど」

ソルナ「...はっ!?」


ここでソルナ...過ちに気づく

適当に用事があると言えばその場を凌げたかもしれないのに馬鹿正直に暇と答えてしまったのだ!!!!


ヌブラル「よかったぁ〜!!」


ソルナ「ちょっ!まっ!今のナシ!」


ヌブラル「明日よかったらお出かけしませんか?」

ヌブラル「もちろん暇なら...良いですよね?♡」


ヌブラルは抑えていた自分の魔力を解放させソルナに対して脅しをかけた


ソルナ「あっ...へぇ?なん...で?」


突然ヌブラルから溢れ出した殺気の混ざった魔力を感じ取りソルナは半泣きになる


ヌブラル「ソルナさん♡どうなんですか?」


ソルナ「わ、わかりました...」


ここで断ったらきっと殺される、そう生命の本能が働き、掠れるような声で返事をする


ヌブラル「良かったぁ、もし断られてたら私...どうかしちゃってたかもなので...♡」


怪しげな笑みを浮かべるヌブラルとは対象的にソルナは絶望や恐怖の入り混じった表情で涙を堪えていた


ヌブラル「じゃあ明日の10:00に時計台前でお願いします!」

ヌブラル「それでは早速帰って準備をしようと思います!突然押しかけてすみませんでした!それではおやすみなさい!ソルナさん!」


嵐のように去っていき、ギルドで1人取り残されたソルナは最後まで抑えられる事のなかった殺気の混じった魔力から解放されて泣きじゃなくっていた


ソルナ「あじだどうじよぉぉぉ!!!」




ー➖ー➖ー➖ー➖ー➖ー➖ー➖ー➖ー




皆さんこんばんは!ヌブラルです!


少し強引な手段にはなってしまいましたがソルナさんとのお出かけを約束することができました!


ちょっと怖い思いもさせてしまったと思うのでその分、明日は楽しんでもらえたらなと思います!


どんなお洋服着て行こうかなぁ〜!




ー➖ー➖ー➖ー➖ー➖ー➖ー➖ー➖ー




鳥の囀りがいつもよりも騒がしい気がする

ソルナ「今日が来てしまった...」


人生でコレほど来て欲しく無い日は初めてだ


時刻は8:30、いつもなら日頃の疲れを癒すようにゆっくりと起きて生活を始めていくのだが今日はそうとはいかない。なぜなら今日はヌブラルとのお出かけが待ち構えているからだ


ソルナ(にしてもヌブラルさんは何故私をお出かけに誘ったんだろう?)

ソルナ(......ヌブラルさん、顔はすっごく可愛くて正直好みなんだけど機嫌を損ねて殺されないかが心配だわ)




※ヌブラルは無駄な殺生はしないし、ましてや人殺しは絶対にやりません




ソルナ「クヨクヨしてちゃダメよソルナ!何としても今日という1日を乗り切ってやるわ!」



藍色の眼に赤い炎を灯してソルナは自分に対して激昂を掛けた




ー➖ー➖ー➖ー➖ー➖ー➖ー➖ー➖ー




ソルナ(服装とか髪とか大丈夫かな?)


ソルナは誰かとお出かけするという経験がないので服のセンスがなくいつも着用しているギルド支給の装備を見に纏っていた


ソルナ「えーと...時計台はこっちかな」


ソルナが時計台へと歩き出したその時、突然地面が割れ魔物が現れた

モグラのような、ネズミのような魔物は地上に現れたと同時に赤いブレスを放出する

放出されたブレスは周囲の建物を崩壊させて街を混乱へと陥れた


ソルナ「なぁっ!?」(Aランク指定のラットモロウ!?)


いつもよりも鳥の囀りが騒がしかったのはソルナの勘違いではなく地面を掘り進むラットモロウに勘づいていた動物達の警告だったのだ


ソルナ(急いでギルドに向かわないと!)


武器を持っていないので戦う術を持たないソルナはギルドに戻り緊急事態を発令させるという判断をとった


しかし......


ソルナ(街中に魔物が、しかもよりによってAランク指定の魔物が現れるなんて初めてだわ!)


前例のない事態にパニックになりながらも冷静に対処するソルナの頭にはヌブラルとの約束事は頭に入っていなかった


ソルナ「急がないと!」


ソルナが走り出した瞬間

魔物がエネルギーを溜めてソルナめがけて熱線ブレスを飛ばしてきた


ソルナ「!?」


咄嗟に防御魔法を貼ったがAランクの魔物の前では完全に防ぎ切ることはできなかった


ソルナ「痛っ!?!????」


魔法陣をも溶かす勢いのブレスは、魔法陣を張っているソルナの手を焦がしながら勢いを増していく


ソルナ(まずいまずいまずいまずいまず       い!!!!!!!!!)


ソルナの頭に『死』という文字が浮かび上がる


ソルナ(死にたくない!死にたくない!死にたくない!)


本当は逃げ出したい気持ちでいっぱいだがもし自分が逃げたらこの町はどうなる?ここに住む人々の生活はどうなる?とソルナは葛藤していた


ソルナ(逃げ出すことは出来るけど、ここで逃げたら『ジュラシック・ドミネート』の受付嬢として失格じゃない!)


ソルナ「クッソ!こうなったら行けるとこまでやってやるわ!!!」


ソルナが意気込んだ瞬間に、魔物のブレスは溜めたエネルギーを全て放出するかのように勢いを増してソルナの魔法陣を突き破る



ソルナ「あっ」(死んだ)



パリンと魔法陣が割れると同時にゴォォォォォォォォオオオと音を立ててソルナを飲み込むブレスは5秒ほどで収縮した



ブレスが終わり砂埃が晴れると中から2人の少女が出てきた


1人は綺麗な銀髪に吸い込まれそうになる藍色の目の少女、もう1人は闇のような黒髪に十五夜の満月のような黄色の瞳の少女だった


ソルナ「あれ、私生きてる?死んでる?」


ヌブラル「生きてますよ!ソルナさん!」


にぃっと笑うヌブラルの眼はいつも通りの綺麗な目だった


ヌブラル「ソルナさん、その怪我全部アイツにやられたんですよね?」


ソルナ「えっ...あっ!うん......」


何が起きたか理解できぬままソルナは受け答えをする


ヌブラル「コレ使ってください、私はアイツ殺してくるんでここで待っててくださいね!」


いつもと同じ笑顔の中に、確かな怒りを混ぜて魔物へと近づくヌブラルを他所にソルナは貰った物を見て驚いていた



ソルナ「え゛!?コレS級ポーションじゃん...」




ー➖ー➖ー➖ー➖ー➖ー➖ー➖ー➖ー




ヌブラル(...名前はラットモロウ、Aランク指定の魔物か)

ヌブラル(普段は火山の地下を根城として活動しているため外皮は岩盤のような硬さであり、主食の黒曜石を燃料に燃焼器官でガスを発生させて戦闘時に熱線ブレスとして活用する)

ヌブラル「弱点は『関節部の剥き出しになっている皮膚の破壊』」


ヌブラルはスキル『夜鷹の目』を使い相手の情報を知ることが出来る


ヌブラル「楽に死ねると思うなよ」


ラットモロウが咆哮をするもヌブラルは臆することせずに立ち向かい関節を破壊していく


ヌブラル「私のソルナさんに怪我させてただで済むとおもってるのか!?」

ヌブラル「コレはどうだ!?」


ヌブラルは切り込みを入れた股関節の中へ導火線のついた爆弾を放り込む


ヌブラル「2度とソルナさんに手を出すな」


次の瞬間に爆発音と共に血の雨が降る





この時、ソルナはぱらぱらと雨のように降る血の中のヌブラルがとても綺麗だと感じた





しかしそれと同時に目の前にいる少女は圧倒的な強者なのだと改めて実感もしてしまった



ヌブラル「...ソルナさん!大丈夫ですか!?」


ソルナ「えっ、えぇ!にしてもあんなに良いポーション良かったの?」


ヌブラル「はい!私の物は全てソルナさんの物ですから!」


ヌブラルはえへへとにっこり笑う


ヌブラル「...幻滅しましたか?」


ソルナ「え?」


ヌブラル「私の戦闘方法は他のS級冒険者に比べて美しいとは言えないですから、いつも血に濡れてばっかりで」


ヌブラル「剣聖のハーバード・リフレイさんみたいな綺麗な剣捌きは出来ないし、大魔法使いのリザレク・ブレイクさんみたいな華やかな魔法が使えるわけでもなければ幻弓のフレッド・ハミルトンさんみたいなスキルもない」


ヌブラル「今回もソルナさんの前であんな汚い戦い方しかできなくて...」


ヌブラルはだんだん声を震わせていく


ヌブラル「こんなんじゃソルナさんに引かれちゃうって...分かってるのに...ソルナさんには綺麗な私を見てて欲しいのに!」

ヌブラル「......えぐ、ぐす、うぅ...えぐえぐ」


泣き出してしまったヌブラルをソルナはそっと抱きしめることしかできなかった


ヌブラル「...え?ソルナさん?」


ソルナ「あーっ、えーと、何て言うんですかね?」

ソルナ「さっき、血の雨の中で佇むヌブラルさんを見て『綺麗だな』と思いました」

ソルナ「確かにヌブラルさんの戦い方は他のS級冒険者とよく比べられますが、狩りって本来勝つためには手段を選ばないと思うんですよね」

ソルナ「なので勝負に勝つために使える物は全て使うヌブラルさんの戦い、私はとっっっても好きですよ!」


自分の戦闘方法についてここまで褒められることのなかったヌブラルはソルナに抱きしめられたまま涙を流す


ヌブラル「でも、でもっ!どうせお世辞じゃないんですか?気を遣って...」


ソルナ「だったら夜鷹の目で見てください!」


ヌブラル「......」

ヌブラル「............‼︎‼︎」


ソルナ「ふふっ」


ヌブラル「うわぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁああん!」





ー➖ー➖ー➖ー➖ー➖ー➖ー➖ー➖ー





ジュラシック・ドミネー ギルド本部


ソルナ「はぁ……」


ヌブラルの戦いの後、ギルドに戻ってきたソルナは、街中で起きた騒動の資料作りや事情聴取などを終えてやっとのことで安堵のため息をついた。


街に現れたAランク指定の魔物ラットモロウ。

それを、たった一人で瞬く間に討伐したのは言うまでもなく


ソルナ「シャーロット・ヌブラル...本当にすごい人なんだな……」


冒険者登録をしたときから知っている。

そのときは、ただの可愛らしい女の子だと思っていた。


それが今や、史上最年少のS級冒険者。

たった一人でAランクの魔物を屠り、笑顔で「大丈夫ですか?」と手を差し伸べる少女。


「あの人は本物の強者だな」


それを改めて実感した一日だった。


ソルナ「でも……」


ヌブラルの言葉を思い出す


『ソルナさんには綺麗な私を見てて欲しいのに!』


あの言葉に込められていたのは、確かに恋心だった。


――最強の冒険者と、ただのギルドの受付嬢。


この関係に、どうして彼女は恋をしたのか。

なぜ、自分なんかに執着しているのか。


ソルナ「……分かんないなぁ」


カウンターに肘をつきながら、溜息混じに呟く




ー➖ー➖ー➖ー➖ー➖ー➖ー➖ー➖ー




皆さんおはようございます、シャーロット・ヌブラルです。


昨日の騒動から1日が立ちました、昨日は私が泣いてどうしようもなくなってしまったので家まで送ってもらいました。


おそらく、昨日の事でソルナさんに私の恋心は知られてしまったでしょう。


女が女を好きになる、なんて、よくないことは分かってますし拒絶されてもおかしくない。


だけど私は諦めずにソルナさんへアプローチをしようと思います!


今日もギルドへ行ってソルナさんに会おうと思います!


きっとソルナさんは忘れてしまっているでしょうけど、あの日ソルナさんに助けられた時から私はソルナさんへの恋の虜です。




ー➖ー➖ー➖ー➖ー➖ー➖ー➖ー➖ー




ソルナ「はぁ〜〜」


時刻は22:30だ。いつもならもう退勤時間だが先日の街中での大騒動があったので急遽労働時間が伸びました。


コンコンと扉が音を鳴らす


ソルナ「はーい!」


扉を開けて出て来たのは


ヌブラル「ソルナさん...こんばんは///」


頬を赤らめて来たヌブラルはいつものような天真爛漫とした姿のないシャーロット・ヌブラルが出て来た


ソルナ「えっ!?あっ!いっらっしゃいませ!」


いつもとは違う雰囲気のヌブラルにソルナは戸惑いを隠せない


ソルナ「ヌブラルさん?何かあったの?」


ヌブラル「あっいや特になにも!」

ヌブラル「............」

ヌブラル(うぅ〜!ソルナさんに好きってバレてると思うと上手く話せない!)


ヌブラルは初心だった。恋愛ごとについてはこれっぽっちも経験したことがない!


ヌブラルがチラッとソルナを見ると、心配そうにこちらを覗き込むソルナと目が合い顔を沸騰させる


ソルナ「ヌブラルさん...大丈夫ですか?もしかして昨日の事で何か?」


ヌブラル「なんでもないでしゅ!」


ソルナ(噛んだ)


ヌブラル(昨日はせっかくのお出かけが台無しになっちゃったからもう一回誘いたい!)

ヌブラル(でも出来ない!)


ヌブラルがそう葛藤しているとソルナが口を開ける


ソルナ「あの、ヌブラルさん」


ヌブラル「はい!」


ソルナ「昨日はせっかくのお出かけが台無しになってしまったので良かったらまた今度2人でお出かけしませんか?」


ヌブラル「え」

ヌブラル「良いんですか!?」


ソルナ「はい!えと、その、助けてもらった事のお礼も出来ていないのでできる範疇でしたらなんでも言うことも聞きますし」




『『最強の冒険者と、ただのギルドの受付嬢。この関係にどうして彼女は恋をしたのか。なぜ、自分なんかに執着しているのか。』』




ソルナ(どれほど悩んでも彼女が何故私を好きなのかなんてわからない。だけど1つだけ分かること、それは『シャーロット・ヌブラルは17歳の女の子』と言うことだ。人並みに物事を考えてるし人並みに恋もしているのだろう)


ソルナ(それにヌブラルさんから逃げようとしたってきっと彼女はどこまでもついてくるだろう、彼女に好意を向けられた時点で私は食卓の上なのだから)


ソルナ(それにヌブラルさんに助けられなかったら私はもうこの世にいないだろうから私の人生全部ソルナさんにあげても良いかもなあ、なんて)




ヌブラル「あのっ!ソルナさん...??」


不安そうな顔でヌブラルが声を上げる


ヌブラル「本当は私の事嫌いとかではないんですか?もし助けられた義理で行動してくれてるのなら大丈夫ですからね?私はただしたいことをしただけですから」


ソルナはにいっと口角をあげる


ソルナ「らしくないわね、ヌブラルさんはいつもみたいに何も考えないで私のことを振り回してくれれば良いんですよ」


ソルナ「私が言ったこと、嘘じゃないって知っているでしょう?」


ヌブラル「...!!」

ヌブラル「はいっ!!!!!!!!!!!!!!!」


ヌブラルは屈託のない純粋な笑顔を、10数年恋し続けた人へと向ける


ヌブラル「じゃあ早速!ソルナさん!今日私の家でご飯食べましょう!」

ヌブラル「それとか、もう夜も遅いですし家まで送って来ますよ!」


ソルナ「ちょっ、急に元気になるじゃない」


ヌブラル「ソルナさぁ〜〜ん大好きですよ〜!!!」


ソルナ「そんなこととっくに分かりきってるわ!それにまだ仕事の途中だから無理よ!」


ヌブラル「じゃあソルナさんが終わるまで待ってまーす!」


ソルナ「どんだけ私の事好きなのよ!」


ヌブラル「えへへ〜」


ソルナ「全く...ふふふっ」




2人しかいないギルドの中で、冒険者と受付嬢は楽しそうに会話を弾ませ笑っている。

きっとこの光景は何日後も何年後も何十年後も続いていくものだろう、2人はきっと、幸せに過ごしていきました。




END.




後書に10数年の物語書いておきますね。


〜〜10年前〜〜


森の中で少女の声がこだまする


ガウ!ガウ!


グレーウルフの群れが少女めがけて走ってくる


「やだ!!誰か助けて!」


少女の名前はシャーロット・ヌブラル

将来最年少にしてS級冒険者に成り上がる少女だ。しかし、この時の彼女は非常に弱かった



ガルルル!!!!!!


グレーウルフのリーダーらしき個体が唸り声を上げる。その視線の先には


「そこまでだ、駄犬どもが」


綺麗な銀髪に藍色の目を光らせる騎士の姿だった


彼女の名前はカルハナ・ソルナ

A級冒険者に最も近いB級冒険者と呼ばれる彼女は今宵大きく失墜することになる


ギャンギャン!!


ボス個体が吠えると同時に群れがソルナへと襲いかかる


ソルナ「ふん!」


しかしソルナの一撃は重く、素早かった。1太刀で群れを壊滅へと追いやる


ボス個体「きゅぅぅん...」


ボス個体は命乞いをするかのように耳を下げて無抵抗を表した


ソルナ「お前、命乞いか...」

ソルナ「なら楽に殺してやる」


ふんっ!と剣を振り下ろしてグレーウルフのボスを仕留める


ソルナ「一度人を襲った奴はもう一度人を襲う、こうするしかなかったんだ」


ヌブラル「...あのっ」


ソルナ「お嬢ちゃん、どうして夜中にこんな山の中にいるの?」


ヌブラル「えっと...ぱぱとめめに捨てられて...」


ソルナ(口減しか)

ソルナ「帰るとこは...当然ないよな」

ソルナ「よしっ、知り合いに孤児院をやってるやつがいる、そこに連れてってやるぞ」


ヌブラル「良いんですか?」


ソルナ「もちろん良いとも、私にもお前くらいの妹がいてほっとけないんだ」


ヌブラル「ありがとうございまs」


ヌブラルがお礼を言うと木々がメキメキメキメキと音を立てて倒される


ソルナ「あっ、はぁ!?なんでアイツが!」


2人の前に現れたのは白色の熊のような魔物、ホワイトノーズだった

推定5メートルの巨体の熊はBランク指定だ


ソルナ「そう言うことか」


ヌブラル「えっ?」


ソルナ「グレーウルフは人なんか滅多に襲わない賢い種だ、人を襲えば報復が来るって分かるからな」


ソルナ「だけど今回はお前を襲った、理由は簡単だ、アイツがいるせいでまともな餌も取れずにいたからだ」


ソルナ「ガキ!私がコイツを引き止める!だからあっちに走れ!街がある!振り返るな!」


ヌブラル「あっ...えっ、やだ!そしたらお姉さん死んじゃう!」


ソルナ「冒険者ってのはそうやって死んでくんだよ!だからせめて、お前は生き残って私、B級冒険者カルハナ・ソルナの英雄譚でも広めてくれ」


ソルナがそう言うと剣を握ってホワイトノーズへと立ち向かう。それと同時にヌブラルは街へと走り出した




ー➖ー➖ー➖ー➖ー➖ー➖ー➖ー➖ー




〜〜5年後〜〜


「すいません、冒険者の登録をお願い...しま...す」


「はい!冒険者登録ですね!少々お待ちを」


受付嬢はそう言って部屋の奥へと姿を消す


「...今の人、まさか」



〜〜10分後〜〜



「お待たせしました!」

「こちら冒険者証になります」

「N.G.C.B.Bb.A.Aa.S.Vの順で級は上がり最初はNノーマークとなります!何かクエストを一つクリアすればGジェネレーションとなり冒険者証でのできる幅が増えますよ!」


にこにことランク説明をする受付嬢の胸にはB級冒険者証が付けられていた


「...受付嬢さんはB級冒険者なんですか?」


「形だけですけどね、今はもう冒険者はしてませんよ。5年前に怪我しちゃいましてね」


「...あのっ!」

「もしかして、カルハナ・ソルナさんですか?」


ソルナ「えっ、なんで私の名前を?」


「私!ヌブラルと言います!」


ヌブラル「シャーロット・ヌブラルです!5年前に森で助けてもらったあのガキです!」


ヌブラルは嬉しさでいっぱいだった、命の恩人であり憧れの人であったカルハナ・ソルナが生きていたのだ、それはとても喜ぶだろう


ヌブラル「あの時は本当にありがとうございました!!なんてお礼をすれば良いのか...」


ヌブラル「私のせいで怪我をさせてしまい本当に申し訳ございません」


ソルナ「顔をあげてください、えーと、人違いでは?」


ヌブラル「え?」


ソルナ「私5年前に森で人なんか助けたかしら?ごめんなさい、記憶が曖昧で」


ヌブラル「えっ、嘘だ、だって名前まで同じ..,」


ヌブラルは歯を食いしばって自分のした過ちに後悔をする


ヌブラル(私のせいでソルナさんは怪我をして冒険者を引退してたなんて..,しかも記憶まで無くなってるなんて...!!!)


ヌブラルはそこで決心をした


ヌブラル「...ソルナさん!私があなたを幸せにします!誰よりも強くなって誰よりも稼いで絶対にあなたを幸せにする...だから、それまで待っててくれませんか?」


涙目でプロポーズをするヌブラルを見てソルナは答える


ソルナ「じゃあ楽しみにしちゃおうかしらね?」

ソルナ「それまで..!.待ってますね」


ヌブラル「...はいっ!!絶対幸せにします!」


ヌブラルはそういうとギルドの外へと出ていった



ソルナ「...」

ソルナ「.....」

ソルナ「.........」


ソルナ(えっ!?あれあの時の子供!?)


ソルナは記憶なんかなくなっていなかった


ソルナ(やっべぇぇ!?めっちゃ私のタイプに成長してる!?あそこで私だよって答えてもよかったけどそしたら私『そのお礼は体で払ってもらおうか!?』とか言って襲っちゃいそうだし!?)


ソルナ(しかも最後のは何!?プロポーズじゃん!?めっちゃプロポーズじゃん!?初めてされた!5個くらい下の、しかもまだ12歳とかそこらの子からプロポーズされた!!!!)


ソルナ(私の幸せのためにあの子は戦ってくれるんだぁ...私の使い道のない純潔と貞操が今役に立とうとしてる)


ソルナ「うへへへへへへへ」



ソルナは浮かれていた。

この後にヌブラルがS級冒険者まで登り詰めて自分のことを常日頃ストーカーをして『ひょっとしてあの時のは子供の悪ふざけで実は命を狙っているのでは?』と思い込むまでノイローゼになるとはつゆ知らず、ソルナは1人ニヤついていた



ソルナ「うへへへへへへへへへへへへへ」






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