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第9節:怪しい施設への襲撃

サイボーグと獣化人類が手を組み、次の作戦に向けて動き出したんだ。荒野に設置したキャンプでは、新たな希望でみんなの士気がバッチリ上がっていた。トウマとファンを中心に、両勢力の代表たちが輪になって集まり、計画の詳細をあーだこーだと議論していた。


「次の目標は、あの機械知性の施設だ。見た感じただの補給拠点じゃないけど、なんかやたら厳重に警備されてるんだよな」


トウマは地図を広げて、不自然に警備が厳しい施設の位置を指差した。その場所は戦略的に重要そうには見えないけど、なんだか怪しい感じがプンプンしていたんだ。トウマは、やけに厳しい警備には何か特別な理由があるに違いないと考えていた。


ファンは説明を聞きながら地図をじーっと見て、眉をひそめた。「見た感じただの倉庫だけど、警備が異様に厳しいな。俺たちが偵察して、隙を突けるか探ってみようぜ。」


「そうだな、まずは内部の情報が必要だ。俺たちも別部隊で陽動をかけてサポートするから、慎重に進めよう。」トウマは深く頷いた。「無駄に犠牲を出したくはないが、ここには絶対に何かある。調べる価値は十分にあるさ。」


夜の帳が降りる中、彼らはひっそりと施設に向かって進軍を開始した。影のようにササッと動く獣化人類たちが先行し、警備の隙を探りながら進んでいく。周りには機械兵士がウロウロしていて、警戒はめっちゃ厳しかった。ファンが手を挙げて「ちょっと待て!」と仲間たちに合図を送り、進行を一時停止。次の瞬間、獣化人類たちは音もなく巡回兵にスッと接近して、一撃でその動きを止めた。倒れた巡回兵を影に引きずり込み、静かに侵入口を確保したんだ。


「警備が厳しすぎる……ただの倉庫なわけないだろ」ファンは低い声でボソッと呟いた。


合流したトウマもその妙な雰囲気を感じ取っていた。「中に何があるか分からないが、確実に何か隠してるな。見つけ出してやろうぜ。」


彼らは警備の隙を突いて施設の壁を突破。内部に潜入すると、薄暗い通路が続いていて、奥から機械のゴーッという唸り音が響いていた。ファンがサッと先導し、トウマたちがその後を続いた。やがて彼らは、ビルみたいにでっかいリング状の多層構造の装置がある部屋にたどり着いた。その装置は複数の巨大なリングがゆっくりと回転し、中央には不思議な光を放つエネルギー球が浮かんでいた。その光景は異様で、ただの補給施設とは思えない規模だったんだ。


「これって……何だこれ?この装置、いったい何なんだ……?」


ファンは周囲を見回しながら「うーん、なんだこりゃ?」と困惑した表情で呟いた。トウマもその装置に目を凝らしながら「これ、ただの装置じゃないな。もっと詳しく調べないと」と驚きを隠せない様子で言った。


ファンはその提案に同意し、一部の部下を周囲の警戒に配置し、残りの仲間と一緒に装置を詳しく調べ始めた。巨大なリングは不規則に回転し、表面には奇妙な文様が刻まれていた。その文様は時折ピカッと光り、まるで装置全体が生きているかのように脈動していた。「こんな技術……今まで見たことないな。いったい何なんだ?」


トウマもリングの周りをぐるぐる歩きながら「うーん、これ何が目的なんだろ?絶対ここで何か隠してるよな」とブツブツ言っていた。彼の声には不安と好奇心がごちゃ混ぜになっていた。


彼らが装置の周囲を調べていると、ある女性兵士が「ちょっとこれ何だろ?」と不用意に装置に手を触れた。瞬間、彼女は驚きの叫び声を上げ、その体はまばゆい光に包まれた。「な、何だ!?」トウマは叫び、全員が彼女に注目した。光が収まると彼女はその場でガクッと崩れ落ち、意識を失っていた。何が起きたのか全く分からず、隊員たちは「あわわ…どうする!?」と混乱してしまった。


トウマは混乱を収めるために声を張り上げ、「全員、落ち着け!ここはもうおしまいだ、さっさと壊して逃げるぞ!」と迅速に判断を下した。ファンも「了解、爆破の準備だ、みんな急げ!」と即座に指示を出した。


爆破装置を設置している最中、警備の機械兵士たちが異変に気づいてゾロゾロと集まってきた。機械兵士たちは容赦なく攻撃を仕掛け、ファンたちは必死にそれを食い止めた。次から次へと現れる増援に、トウマは「まだか!? 急げ!」と冷静に指示を出し、設置を急がせた。


「時間がない!急げー!」トウマは大声で叫び、隊員たちの緊張感が一層高まる中、全力で爆破装置を設置した。激しい交戦の中、何とか準備を整えたトウマは「撤退だ、全員急げ!」と合図を送った。


彼らは爆破装置を作動させ、施設から慌てて撤退を開始した。背後では爆破のカウントダウンが進み、迫る機械兵士たちの追撃をかわしながら全速力で荒野へ逃げ出した。直後、ドカーンという激しい爆音が施設を包み、炎と煙が夜空にビュンと立ち上った。


「一体あの装置って何だったんだ……。わからんことばかりだが、とりあえずこれで終わりだな。」


トウマの言葉に全員が「まったくだ」と頷いた。施設の破壊には成功したものの、その異様な雰囲気と装置の正体は依然として謎のままだった。


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