第8節:サイボーグと獣化人類の共闘
冷たい風が荒野をビュービュー吹き抜ける夜明け、トウマたちサイボーグ抵抗勢力は疲れ果てた顔で次の拠点を目指していた。暗闇の中、突然遠くからバンバン戦闘の音が響いてきた。火花がバチバチ上がって、機械兵士の断末魔が荒野の静寂をぶち壊す。あまりの異様な光景に、トウマたちは思わず足を止めた。
「なんだ、あれは……」
影のようにササッと動く連中が、機械兵士を次々にやっつけていく。その人間離れした戦い方に、サイボーグたちも思わず「なんだこれ…」と息を呑んだ。暗闇の中で光る眼、低く唸る声—トウマはすぐに手信号で仲間たちに動きを止めるよう指示し、その正体を探った。
それはまるで獣みたいな俊敏さと野性の鋭い感覚を持った連中で—そう、ファン率いる獣化人類だったんだ。
戦闘が終わってひと息つくと、トウマは「よし、行くぞ!」と気合を入れて接触することに決めたんだ。武器を下ろして、のそのそと前に進むトウマたちに、獣化人類のメンバーたちもすぐに気づいた。場がピリッとしたけど、ファンが手を挙げて仲間たちに「リラックスしろよ」と合図して、緊張をほぐしたんだ。
「お前たちは誰だ?」
ファンがガツンと問いかけてきた。トウマは一歩前に出て、「俺たちはサイボーグ抵抗勢力だ。共通の敵、機械知性と戦っているんだ」と説明。ファンはトウマをじーーっと見つめた後、「ふむ」と頷いた。
「俺たちも同じだ。獣化した力で機械に立ち向かっているんだよ」
ファンの言葉に、トウマは「うーん、こいつらってなんだ?」と正直戸惑った。彼らの動物っぽい特徴や戦い方は、サイボーグであるトウマにとって未知で、ちょっとモヤモヤした感じがあったんだ。でも、その一方で彼らが自分たちと同じように機械知性に立ち向かおうとしている気持ちもビシビシ伝わってきた。ファンの熱心な説明を聞いているうちに、トウマは「まあ、こいつらもなかなか役に立ちそうだな」と徐々に納得し始めたんだ。確かに、違う道で力を手に入れた連中だけど、目的は一緒だった—機械知性に立ち向かって、人類の未来を取り戻すことだ。
その後、荒野に設けた臨時キャンプで、サイボーグと獣化人類の代表たちはお互いに情報交換を始めた。トウマは機械兵士の中枢部に対する作戦について説明し、ファンは野生の本能と身体能力をフルに活かした戦術について語った。
「機械知性に対抗するには、俺たちは協力するしかないんだ!」
トウマの提案に、ファンは「そうだな!」と力強く同意した。こうしてサイボーグと獣化人類は共闘の道を選び、新たな同盟を結成することになったんだ。
夜が更ける中、キャンプファイアの光を囲んで語り合う彼らの間には、新たな決意が固まっていた。お互いの強みを認め合い、それを補い合うことでさらにパワーアップしようと誓い合ったんだ。
次の作戦に向けて準備を進める中、希望の光が彼らの心にじわっと灯っていた。この共闘で生まれた新たな力が、機械知性への反撃の第一歩になると信じて、彼らは戦いの準備を整えていったんだ。