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異世界で神(娘)と暮らし始めて嫁探し?  作者: 超七玉
サーヤ冒険者になる、ヒロ能力に目覚める
44/47

44、シンディ、ライフィスで先生を見付ける?

44、シンディ、ライフィスで先生を見付ける?




・・・・呆れたよ


 俺は、シンディの話を聞いて、率直にそう思った


 シンディは、400年もの昔?の話を身振り手振りで話してくれた


 最初は、一族の話


 シンディの一族は由緒などない、要は分家のような、しがないヴァンパイアの一族で、フィスの故郷の森の南の外れの湖に浮かぶ大きな島に、一族と眷属で村を形成していたらしい



 続いて、父と母の馴れ初め


 シンディの父が、湖畔の村の娘と恋に落ちて、お互いの両親の了解を得て結婚したらしい


(この辺の話しは、シンディーが生まれていないのに、なぜか、感情的に、そして演劇風に演じた為、みんなで見入ってしまった)


 次は、シンディが20歳になるくらいまでの生い立ち・・・


 いやぁ、これが、長かったのなんのって!


 しかし、ヴァンパイア達も湖畔の村の人達も、みんな良心的で、出来ることなら見習いたいくらいの村と思ってしまった

 (あくまでシンディの話しではね!)


 やっとここで、重要というか、核の部分になる話しね


 ある時、フィスの森の周囲の村がヴァンパイアに襲われたらしく

 フィス達は、近くに生活するシンディ達ヴァンパイア一族のせいだと決めつけて、制裁を加えたらしい

 シンディー達一族には、身に覚えのない話しだったので、最初は話し合いで済ますつもりが、途中で、何かしらの邪魔が入り、短期だったフィスが、さらに反撃をする事となり

 ハイエルフの総攻撃が始まったらしい

 あくまで、シンディの主観なので、フィスが途中で口を出して、揉め始めたので、フィスをみんなで宥める一幕が発生したw


 ハイエルフの猛攻は、いくらほとんど無限の生命力を持つヴァンパイア達でも支えきれず

 防戦一方で、敗北を悟った党首(シンディーの祖父)が、人間であるシンディーの母に、シンディーとその父託し、村から脱出させたらしい


 なので、シンディーは、自分達以外は、全てフィス達に殺されたと思っているらしい



 そして、当のフィスに聞いてみると


「なによぉ!

 話し合いって言いながら、村で休んでいた私に奇襲をかけてきたのはそっちよ!

 まっ、まぁ、そいつも、あなた達の村とは関係ない奴のせいだったらしいけど

 あなたの父親や当主も攻撃してきたんだからね!」


 うんうん、戦の始まりって、そんなもんなんだろうね・・・

 お互いが、お互いのせいになってるね


「んで、その戦いはどうなったのよ」


 ほんと、子供の喧嘩のような、原因のなすり合いに、終止符が打たれそうもないので、俺はフィスに結果を尋ねてみた


「そっ、そりゃあ、アレよ

 途中で、この子達の一族じゃなかったって気付いたから、攻撃はやめたわよ!

 まぁ、ちょっと、やりすぎちゃって、あんまりいい状態じゃなかったけどね」


 はぁ・・・400年前のフィスは、ハヤトチリのやりすぎさんだったわけね


「何よ!その言い草!

 アンタのせいで、私らは、どんだけ大変だったと思うのよ!

 私らの村を!

 母上の村を返してよ!」


 自分達のせいではないのに、エルフに攻撃され、村を出て行かなければならなかったシンディーは、さぞ辛かったろう

 聞けば、色んな村を転々としながら、東へと東へと逃れて来て、ダンジョンのある山に辿り着き、見つけた小屋でしばらく生活していたらしい


「返しても何も、あの後、悪いと思って、南の森の子達・・・

 ホラ、先日、ダンジョンで助けた子いるでしょ?

 あの子達に村の復興を頼んで、今じゃ、かなり栄えてると思うわよ

 アナタのあの湖の島だって、今も、アナタの一族が納めてるはずよ」


 ・・・・


 はぁぁ、フィスくん・・・アナタの勘違いで攻撃した事は棚にあげちゃうんだねw

 村を元に戻しても、そうなる前に村を出て、400年も経ってるシンディーにとっちゃぁ・・・

 うぅぅん、いたたまれないよなぁ・・


「っくぅぅ、なんなのよ!エルフってホント勝手よね

 確かに事の初めは、ウチらの同族が、アンタの森の村人を襲ったのが悪いのかも知れないけど・・・・

 父上なんか、あの後、母上を亡くしてから、人間の血を吸わなくなっちゃったのよ!

 もう、大変だったんだからね!」


 どうやら、ヴァンパイア達は、無闇に人間を襲ったりせず、眷属の血を必要最低限吸って生活しているらしい

 シンディの父親は、人間の女性と結婚したせいもあり、新たに眷属を作るのを拒み、奥さんが亡くなったあとは、あのダンジョンの隣にもう一つの洞穴を見つけて、そこを根城に密かに暮らし始めたらしい


 しかし、それから400年、何を糧に生きて来たんだろう?


「でも、生きてるんだろ?

 シンディの親父さんはどうやって生き延びてるんだ?」

「それは、従えてるリザードマンとか、モンスターの血とか・・・

 あとは、アタイが吸ってきた血を凝固させて、保存食にしたりしてるんだわさ!

 アタイ、こう見えても、頭いいんだからね!

 今、住んでるところにあった、本とか、いっぱい読んで勉強したんだからね!」


 なっなんだって?

 吸った血を?凝固?何々?保存食に?

 根城に本があるの?


 待て待て待て、情報が錯綜してきたぞ!


「じゃぁ、なにか?

 あのダンジョンで湧いて来たリザードマンは、シンディ達の部下か何かって事?

 じゃぁ、あのバジリスクは?」

「あの子は、アタイ達より前から住んでる子達で、侵入者を防いでくれてるんだわさ

 でも、大きくなって、子供を産むと、いっつも誰かにやられちゃうから、なかなか増えないのよねえぇ

 全く、許せないわ!」


 ギクっ!

 いやいやいや、襲ってきたから、みんなでやっつけただけなんだけど・・・


 あっ!フィスは、2回倒してるんじゃ?

 と、フィスを見ると、そっぽを向いて口笛を吹く仕草をしている


 おい、わざとらしいだろ!


「じゃぁ。あの坂道みたいな1本道を降って行ったら、シンディー達の住処があるのか?」

「そうよ!

 そこで父上は、アタイの帰りを待ってるのさ!

 あっ!そうだった、ダンジョンの途中から行けたはずの入り口が塞がってて、帰れなくなっちゃったのさぁ!

 最初あった入り口は、山が崩れた時に塞がっちゃって、父上が渾身の力を込めてやっと壁に入り口を作ったのに、綺麗に治っちゃってたんだよぉ〜

 あぁぁぁ、どうしよぉ〜

 父上ぇぇぇ!」


 アカン!これまた、俺のせいだ!

 俺が、あの壁を直したからだ

 話しを戻そう!


「まっ、待てよ、壁は、何とかするとして

 要するに、今回のライフィスの街で、女性ばかりが襲われたのは、犯人がシンディなんだな!」

「そうだわさ!

 でも、誰も殺してないし、しばらくしたら、傷だって治るようにしてるんだからねぇ!」


 あっさり認めたよ!

 シンディもシンディで、人を襲ってるっていう事は、棚に上げるんだな


「おいおい、血が必要で、いくら治るからって、人を襲っちゃまずいだろ?」


 今まで、黙って俺たちのやり取りを聞いていたレイが、ちょっと語尾荒く口を挟んだ!


「そっそりゃ、申し訳ないとは思ってるんだわさ

 でも、あなた達人間だって、動物を食べてるし、なんなら、ダンジョンのモンスター達を無闇やったらと倒しては、剥ぎ取って、放置してってるじゃないのさ

 大好きだった母上・・・優しかった村婆様、みぃんな人間だったし

 偶然にも、私が血を吸っても、人間を魅了する事はなかったし、だから勉強して、キズがすぐ治るように、色んなキノコや苔で薬を作って、傷跡も残らないようにしてるし!

 ちょっと、気持ちよくなっちゃうみたいだけどさ・・・

 アタイは、血なんて吸わなくても生きていけるけど、父上は・・・、父上には、血が必要なんだもん!」


 シンディが、溜まっていたものを吐き出すかのように、一気に捲し立てた


 どうやら、ヴァンパイアと人間のハーフらしいシンディは、ヴァンパイアの脅威的な身体能力は受け継いだが、血を吸わないと生きれないという性質は伝承されなかったらしい


 しかし、シンディの言葉は、全ての種族が楽しく過ごせる街を作ろうとしていたが、結局は人間主体な考えになってしまっているレイを黙らせた


 勿論、人間が主体の世界からきた俺なんかが、反論出来るわけもない

 長い年月この世界を見て来たフィスに視線を向けると


「私は、それぞれの種族がそれぞれの営みをする事に異論はないわよ

 ただ、無作為に村を襲われたから、ちょっと、やり返しちゃったのよ

 わっ、悪かったわよ、もう少し話し合えばよかったわね

 謝罪するわシンディ」

「ふん、分かってくれればいいのさ

 そっそれに、村を立て直してくれてたなんて知らなかったし・・・

 で、アタイはどうなるのさ、人間のルールで罰せられるワケ?」


 痛いところをまた突かれた!

 多分、ヴァンパイアという種族が、モンスターなどと同類で、街に住む人達にただ害のあるものだと決めてしまえば、簡単に対処はできるが、これだけシンディと会話をして、街に害のあるモンスターと一緒の括りにするのは失礼だろう


「ちと、よろしいですかな?」


 今まで、赤ら顔でポケ〜っとしてるようにしか見えなかった司祭のジョセフさんが口を開いた


「私ども、神を仰ぐ者としては、やはり人の血を吸って生きるなどいう行為は、不浄であると言ってしまえばそれまでなのですが、我らが先祖が、この街を種族の壁を越え、誰もが集える街を造ることを柱に成長してきた歴史の中で、今のシンディ殿を''悪"と決めつけて街から追い出すのは、初代ライオネル氏に顔向できぬかと思いますが、いかがですかなレイモンド殿?」


 何やら、単なる酔っ払いではないと言うことを証明するかのように建設的な発言をしてくれた


 それを、腕を組みながら黙って聞いていたレイが重い口を開く


「確かにな

 人間が襲われたと言う"事例"はあっても、被害と言う"実証(形ある物)"が残っていないんじゃぁ、罰する事も中々出来ないな

 しかし、シンディの親父さんだけの為に血を捧げるような行為を認めてしまったら、余計な事に発展しても困るしなぁ」


 うんうん、分かる、分かるよレイ!

 俺がいた世界でも、昔の言い伝えやなんかで、実在しない者を崇拝して、大変な事になるなんて、歴史の中にも、いやはや、現代でもあったぞ!


「で、あれだ、ヒロ!

 ヒロの柔軟な考えで、なんとかなんないか?」


 出た出た!毎回の無茶振り、ホント俺をなんだと思ってんだよ


「レイ・・・俺を上手く利用してない?

 まぁ、それはいいとして

 まず、人を襲った事はいけない事!

 でも、それには理由がある

 被害者も10日もすれば、記憶も傷も残らなかった

 って事で、罪とかにはしないで、ちょっとした奉仕活動とかで、許してあげてもいいんじゃない?」


 俺は、前にいた世界のよその国で、実刑までは行かない罪に対して、街の奉仕活動をさせていた国を聞いたことがあったのでそれを提案してみた


「ほぉ、罪には問わずに奉仕活動とは一体どんな処罰なのですかな?」


 神に仕える身のジョセフさんが、罪や処罰と言葉にするあたり、やはり、悪事は罰する、といったはっきりとした罪を諌める行為が、この世界では根付いている事を証明している


「シンディ本人が、致し方なく人間を襲った事を反省してるんなら、もう、それはそれでいいんじゃないかな?

 でも、お咎め無しで、示しがつかないんなら、ちょっとした行動で示してもらったらどうかな?

 例えば、この街に住んで、困っている地域住民の為に何かをするとか

 街の利になるような事に従事してもらうとか、あとは、ヴァンパイアにしか出来ない事や、シンディにしか出来ない事で街に貢献してもらうとかね?

 勿論、10日とか20日間って期間を決めてだよ」


「おいおい、いきなりこの街にヴァンパイアを住まそうってなるのか?」


 レイが、目を丸くした


「おまっ!

 俺に全フリしといて、反論は少し待ってくれよ

 だから、シンディの血を吸う行為をそのぉ・・・何かに役立てられないかって事だよ!

 だって、考えてもみろよ、まず、噛んだ傷跡が、綺麗に元に戻るんだぞ

 それに記憶も無くしちまうんだぞ

 これって、薬や奇跡?だっけか、あと魔法とかで、出来る範囲を超えてるんじゃないのか?」


 俺のいた世界では、血っていうのは、凄い貴重な物で、採血して健康状態を検査したり、献血で血を他の困ってる人に輸血したりと、生きる物全てになくてはならない物だ


 ところで、医療が発達しておらず、薬師や調合師、精霊や自然治癒、そして奇跡に頼ってる、こっちの世界の人達は、どれくらい血を・・・血液をどれだけ理解してるんだろう?


「じゃぁ何か?

 俺もそんなに詳しくはないが、文献なんかで、血を吐いて亡くなる流行り病いや、毒に侵されて血を吐いて亡くなったり

 または、モンスターなどとやりあって、出血しすぎると助からないのは知ってるけど、血っつうのはどれくらい俺達に重要な物なんだ?」


 ナイス質問!と、レイを褒めたいが

 その話っぷりからして、そんなに血液に関しては、こっちでは、踏み込んで理解してない感じなのかな?


「はぁ?アンタらは、血の大切さも知らないで生きてるの?

 まぁ、難しく言っても分からないだろうけど、心の臓で血を身体中に送って体を動かしてるんじゃないのさ!

 そして、アナタ達はみんな体の中で血を作ってるのよ!

 お祖父様やご先祖様達は、体で血が作れないから、血を吸ってきたのよ」


「ってか、親父さんは人間から吸わないって言ってたよね

 ところで、人から血を吸ったら、一体どうなるんだ?」


 わりかしシンディが、血液に関して理解のあるのは分かった

 そのほかに、ちょっと、ヴァンパイアの事をもう少し教えてもらおう


「アタイ達の種族・・って、アタイには備わってないけど、人間から血を吸うと、吸われた人間は、アタイ達に魅了されて、しかも、身体能力も人間以上になり、陽の光を嫌う様になっちゃうの

 だから、アタイ達の一族は、その人達も近くに村を作って生活してもらっていて、その人達から血を必要なだけ吸わせてもらうの、その恩恵としてその人達を守って共存してきたのよ

 だから、アタイ達一族は、一番近くにある、母上の村の人達でさえ、血を吸ったりしなかったんだよ!

 アタイ達の一族が、どれだけ人間達を大切にしてきたか分かる?」


 シンディの熱い口調からして、今回シンディがライフィスの女の子達を襲ってきた事が、仕方ない事で、どれだけ配慮しながら襲ったのかが伺える


「私達が言う、眷属ってやつね

 確かにシンディの言う通り、あそこの周辺では、あの時まで、人間が襲われることなんて、噂すらなかったわ

 だから、余計にあの時は驚いちゃって・・・」


 フィスが付け加えて、シンディ達一族がどれだけ人間に害が無く生活していたかを証明した

 しかも、シンディの一族は、かなり昔から、人間を襲ったりしていなかったらしい


 って言うと、シンディの親父さんの件だけを解決すれば、いいって事だな


「シンディが血を吸っても、そのぉ、吸われた人は眷属にならないんだよな

 でも、親父さんが生きてく為には、血が必要なんだよな?」

「ええそうよ

 でも、もう、父上は、人間からは血を吸わないと決めてしまったから、私が代わりに吸って、それで、血の玉を作って父上に飲んでもらっていただわさ」


 そんな事言って、シンディも案外、血を吸う事を日常化してんじゃないか?

 しかし、こっちの世界にゃ献血とかあるわけないもんなぁ・・・


「ちょっとずつ、合法で、血を吸えればなぁ・・・」


「いやいや、ヒロ殿!ヴァンパイアに血を吸ってもらうとなれば、それこそ本当にヴァンパイア教みたいな物を作ろうとする者も出てきてしまいますぞ」


 だよね、そんなのが出来たら、ジョセフさん達からみれば、邪教の様な物だよね・・・


「ところでさ、なんで、この街で、若い女性ばかり襲ったんだ?」


 俺は、生娘ばかりが狙われた事を思い出した


「え?だって若い子の方が、病気もしてないから、血も美味しいし、栄養があるに決まってるじゃんか!」


 病気!!!!


「それだ!」


 俺は、思わず大きな声を出してしまった


 俺は、レイとジョセフさんにある提案をした


 ・・・・・・


「まさか?

 そんな事が分かるのか?」

「興味深いですな」


 レイが訝しげに聞いてきた


「分らないけど、試してみる価値はあると思うよ

 じゃぁ、まずは、俺とジョセフさんの血を吸ってもらって、シンディに俺たちの血を味わってもらおうか?」

「ちょっ!ヒロ殿!何故に私なのですか?」


 分かる、分かるよジョセフさん、でも


「いや、今、ここにいるメンツで、あなたが適任なんですよ

 それと、俺は、好奇心なだけですけどねw」


 俺の不適な笑いで、レイは完全に俺の協力体制に入り、ジョセフさんをいの一番に羽交締めにした!


 しかし、何故か、ジョセフさんが思わぬパワーと身のこなしで、逃げようとする

 すると、黒い影が、ジョセフさんの前に現れた!

 と、思ったら、フィスだった


「ごんめんなさいねw

 セイッ!」


 ストン!


 そう言うと、手刀1発で、ジョセフさんを眠らせてしまった


「ふんっ、アタイだって、そのくらい出来るわよ!」


 シンディが、負け惜しみの様につぶやいたな


 そんな事を考えながら、俺は、マジックバッグから超回復薬を取り出した


「よし、目が覚めないうちにジョセフさんの血を吸ってみてくれ」

「えぇ、こんな老人の血なんて吸っても美味しくないに決まってるじゃん!」


 嫌がるシンディにジョセフさんの血を吸ってもらった


 カプッ


 チューチュっ?


「うっ、うーん、アフん」


 眠ったように意識を失っているジョセフさんが、急に喘ぎ声を出した事に、レイとフィス、それと、護衛官が呆気に取られた


「うげっ!

 まずっ!

 もう、肝がやられてるわよ!

 お酒の飲み過ぎじゃない?

 このままの生活をしてたら血がドンドン汚れていって、死んじゃうわよ」


 !!!みんなの視線がシンディに集まった


 シンディは、ジョセフさんが、呑兵衛な事など知る由もない、はずだが、肝臓が悪いと言い放った

 まぁ、あれだけ飲み歩いていれば、肝臓も壊すでしょw


「おいおい、血を吸っただけで、そんな事が分かるのか?」

「みたいだね」


 驚くレイに、俺は、ジョセフさんの首に超回復薬を少量かけながら答 返事をした


「何それぇ!

 傷口が、そんなに早く塞がっちゃう?

 それ、どうやって作ったのよぉ!

 教えてよぉ!」


 今度は、モネの超回復薬に驚くシンディ


「まぁまぁ、企業秘密って事でw

 次は、俺の血を吸ってくれ!

 一応、健康体のつもりだよ」


 どれだけ気持ちいいのか、試してやんぜ!

 俺は、下心剥き出しでシンディに背中を向けた


「わっ、分かったわよ

 多分、痛くはないと思うわ!」


 そして俺は、シンディに背中を向けたまま、頭を傾けた



 カプッ


 チュー!


 おっ!

 こっこれか!?

 たっ、確かに!気持ちイイ!

 

 チュチュチュチューー!!


 やっ、やばい!

 こりゃマジで、気持ち良すぎるかも!


「あにこふぇ(何これ)!

 めふぁくふぁふぉいふぃ!(めちゃくちゃ美味しい!)」


 と、シンディが、俺の首元で喋るもんだから、その喋る時の吐息が、首筋にかかって、尚更、気持ちイイ!


 ダメだ、こりゃ、昇天しちまいそうだ


 グッ!ぐぐぐっ!


 その時、俺の肩に置いていた、シンディの手に力が入る


「ふぁっ!ふぁにお、こえ!

 (なっ!なによ、これ!)」


 どうやら、牙を抜こうとして抜けない様だ!


 ぐぐぐぐっ・・・ずぽっ!


「きゃっ!」


 シンディは、牙が抜けた勢いで、壁まで転がった


「なっ、なんなのアンタ!

 牙を抜こうとしたら、皮膚が牙にくっついた感じがして、抜けなくなったわよ!」


 シンディが、慌てて牙が抜けなかったことに怒っている


 なんで怒られてるのか分からないけど、ん?あれ?

 あんなに気持ちよかったのに、シンディが離れた瞬間、なんともなくなったぞ!


「おいおいヒロ、もう噛まれた後が塞がってるんじゃないか?」


 え?まさか・・・

 レイが驚いているが、そんなことないだろうと、噛まれたあたりを、手のひらでさすってみる


 ん?痛くもないし、手には、乾いた血がつくだけだ


「今まで、多少自覚はあったけど、俺って、こんなに治癒能力が高いのか?」

「ヒロ、回復薬や奇跡も使わずにそこまでの治癒能力は、モンスターでも、そうそういないわよ!」


 フィスが驚きながらも、人間の数十倍の時間を生きてきた、自分の記憶の中でも、ありえない!と、言うように呟いた


 これが、サーヤの施してくれた(と、一方的に思い込んでる)俺のスキルの1つだな

 こりゃ本当に凄いかもw


「そぉかぁ!

 まぁ、体質って事でw

 て言うかさ、もうちょっと、気持ちイイのが続くかと思ったら、すぐ終わっちゃったけど・・・

 これも、俺の体質のせいかな?」


「そっ、そんな事知らないわよ!

 もう、その治癒能力のせいね?

 アタイの攻撃をまともに喰らっても生きてるっていうのわ!

 もう、ズルすぎるわよ!」


 そんな事、言われても、俺は何もしていないから何とも言えない


「でも、シンディが、血を吸った相手の状態・・・健康状態が分かるって事がハッキリしたね」


「それが分かるからって何かあるのか?」


 おいおい、レイ君、分からないかねぇ

 多分、ジュディさんが、この場にいたら、もう分かってくれたかもね


「あのさ、血を吸う時の事は、もっと対策しなきゃいけないだろうけど

 血を吸うだけで、健康状態が分かるって事は、街の人々の健康管理が出来るって事じゃないのか?」


 レイの目が、おっぴろがった!


「おっ、おい、待てよ

 だとしても、病気が分かったってそれで、どうするんだよ?」

「それは、モネのような調合師とかに症状に合った薬草を調合してもらったり

 奇跡かなんかで早めに治せるんじゃないのか?

 そして、シンディの親父さんも血の玉だっけか?

 それが飲めて助かるってなるじゃんか

 まぁ、噛んだ時の痛み止め?に改善が必要だし

 あと、噛まれるって言う行為を分らないようにするとかも必要かもな

 それと、ジョセフさんはしばらく禁酒が決定で!」


 俺がそこまで説明した辺りで、レイたちが、ようやく頷き始めた


「まぁ、ジョセフには、今日から金種してもらうとして

 街の住人の健康管理か・・・なかなか面白いかもな・・・」


 おっ!レイの頭の中で、計算機がうなりを上げてるなw


 しかし、問題はそれだけじゃないんだよなぁ・・・


「ところでさ、バジリスクやリザードマンの件なんだけど、シンディはアイツらを手懐けてるのか?」

「うーん、友達って感じだわさ

 アタイらの住処には、バジリスクを頂点に何種類かのモンスターが住んでるけど、顔ぶれもアタイらが住むようになってからは大分変わってきたけど、一応、アタイらの言葉は通じてるし、アタイらを守ってくれてるわさ

 

 確か、前回あの坂道で出会ったリザードマンやバジリスクは、間違いなく俺達を襲ってきたよな・・・

 親父さんがリザードマンの血とか吸ってたって言うから、眷属になってたのかな?


「もし、ダンジョンとの壁か、山肌の入り口を直して、行き来出来るようにしたら、アイツらは、ダンジョンから地上に出たり出来るのか?

 また、入り口が直っちまったら、地上に出て来て、人間や他の生物を・・」

「それは、襲うわさ

 襲って食べなきゃ生きていけないわさ

 それと、ダンジョンなんだけど、アタイらは平気なんだけど、階段のある部屋にモンスターは入らたがらないからね、山肌の入り口を直さない限り、ダンジョンからは出てこないわさ」


 ふーん、あの階段の部屋は、モンスターが嫌う何かが封じ込められてるのかな?


 それにしても、モンスターが、襲ってくるのは、当然だよな

 しっかし、どれだけ、あのリザードマンや他のモンスターがいるか分らないが、地上からの出入り口の方は・・・


「多分だけど、この街がまだ小さな時に私達はこの街にやってきたんだけど、その時に時折モンスターの襲撃があったの

 それって、あのヒロが見つけた道を通って来ていたとしたら、かなりの数だったわよ

 あの時は、ここに集落があっただけだから、ここで何とか防衛できていたけど

 今、これだけ街の外に集落が点在する状態では、相当な被害が出ちゃうわよ」


 そりゃそうだ、あの数のリザードマンとバジリスクのような化け物を野に放つとなれば・・・

いやいや想像もしたくないな」


「何なのさ、元々あった出入り口を元に戻すなら別にいいじゃないのさ」


 シンディの言う事もいちり


「すまないが、そう簡単に出入り口を直す事は、許可出来ないな」


 自然現象が原因か分らないが、当初あった出入り口が塞がったのだろうが、それを開けるなんて事は、こんな場所で決められないだろうな


「なぁ、もしこのまま出入り口を塞いだままにしたら、モンスター達はどうなるのかな?」

「ちょっと、そんな事したらアタイが帰れないじゃないのさ

 まぁ、モンスターは弱肉強食だけど、なんとかやってくんじゃない?

 それに、アンタ達が想像しているより、アタイらの住んでる所は、広いわよ!

 それより、アタイを帰してよ!」


 そうだな、シンディ親子が定住する前から存在しているんだから、大丈夫だろう


「ねぇ、その子が言うようにモンスターが、階段の部屋に入ってこないんなら、壁に小さな穴を開けてあげればいいんじゃない?

 その子コウモリに擬態出来るわよ」

「え?そんな事できるの?」


 俺が驚いて、シンディを見ると、シンディも驚いた顔をしていた


「その手があったのさ」


 そう言って、シンディが縛られている椅子ごと宙返りをした


 ボンっ!


 いきなり、シンディがコウモリに変化した


「フン!

 アタイとした事が、最初から、こうやって逃げればよかったんだわさ

 アッカンベーだ!」


 と、捨て台詞を吐いて、逃げようとした


 日差しを取り入れる為の小さな小窓へと一目散に飛んでいくコウモリ(シンディ)


「チェストぉ!」


 目にも止まらぬ速さで、フィスに叩き落とされた


 ボンっ!


「イタタタタタッ

 じょっ、冗談に決まってるじゃないさ

(っくぅ、あのエルフには、敵わないわ)」


 コントを見ているようだったが、まぁ、何も無かったって事にしよう


「よし、ヒロのおかげで先が見えたな

 街の人を襲ったのは、親父さんの為で、仕方なかったとはいえ.街の住人を襲った事は、この街で、住人の健康を管理するという奉仕活動?をしてもらう事でいいか?

 とりあえず、ライフィスの街に歓迎しよう

 当面のライフィスでの住処は・・・」

「まぁ、しばらくは、私が監視してあげるわ

 って事で、私の部屋ね」


 えええええ?

 それって、俺の家って事だよね?

 ってか、フィス君、気まぐれに行動するアナタが、人を監視なんて出来るわけないじゃないの?


「そうか、助かるよ

 あと、すまないが、ダンジョンの階段の部屋に小さい通路を1つ頼むよ、ヒロ!

 健康管理の場所と血の吸い方は、こちらで何とかしておく

 これでいいか?」


 バタン!と、いきなり部屋のドアが開き


「はい、仔細そのように取り進めます」


 何故か、今までのやり取りを全部聞いていたかのような素振りで、メガネをクイッとしながらジュディさんが入ってきた


「あら?お久しぶりじゃない

 丁度いいわ、この子もアナタの村の復興に携わってたわよ」


 ん?フィスが、ジュディさんの顔を見るなり話しかけた


「シンディさんとは面識が無かったので、挨拶が遅れました

 フィス様に頼まれて、湖畔の村の再興を手伝いました

 御尊父様は、残念ながらお亡くなりになりましたが、シンディさんの叔父上が当主となり、今も湖の村、湖畔の村共に繁栄させていると風の便りで聞いてますよ」


 え?なんて?

 確か、村の再興は褐色のエルフ、グレノア達にしてもらったって言ってなかったっけ?


 俺の頭の中を?マークが小躍りしていると


「言ってなかったな

 ジュディもエルフなんだよ、ひいじいちゃんの頃から、うちで秘書をしてくれてるんだよ」


 驚いた、髪を後ろで纏めていたが、耳が上半分隠れていたから分からなかった

 エルフなら耳がいいから、この部屋の会話も聞こえていたんだろう


「と、言う事で、無事、今回の件は、解決という事だが、犯人は・・・そうだな吸血コウモリと言う事にして、討伐したという事にするか

 警護隊員にはシンディの事は口外しないように伝達を頼む

 それと、誰か、ジョセフ司祭を教会まで運んでやってくれ」

「はっ、彼女を見た者に通達します

 では、私共は一旦失礼します」


 レイが今回の件を吸血コウモリのせいとして締めくくるらしい

 伝達を受けた警護隊の2人が、ジョセフさんを運び出して行った

 どうやら、片方の隊員さんは、ドンテの聴取をした隊長さんらしい


 ドンテは、ちゃんと医務室に行けたかな?


「さぁ、今回の後始末と、警護隊を増やす件と、あとは・・・健康管理の件で、俺は忙しくなりそうだから

 悪いけど、ヒロ!

 シンディの事は頼む」


 はぁぁ?また、丸投げかよ!


「はいはい、シンディのこの街での監視と、ダンジョンの件ね

 何だか、血を吸われて元気になった気がするから、このまま対応するよ

 それでいいんだろ?」


 レイが、満面の笑みでグーポーズ、ジュディさんがメガネクイっで、反応してくれた


 俺は、シンディとフィス、そして隣の部屋で、シロと居眠りしていたフェンリーを起こし、警護隊の中央詰所を後にした





 既に朝日が昇り始め、街はゆっくりと生活の息吹を微風のようになびかせ始めていた


 終始、シンディを警戒して、俺の傍から離れなかったシロとフェンリーだが、冒険者ギルドに着くと丁寧な挨拶をしてシンディはギルドに入っていった


「クゥン」

 と、一晩の相棒と別れて寂しくなったのか、鼻を鳴らして俺の足元を付かず離れず歩き出すシロ


「ねぇ、このまま、ダンジョンに向かうのかしら?」

「いや、シンディにモネを紹介していこうかと思う

 牙を刺した時の痛みと抜いた後の出血の件を何とかしなくちゃね」


 フィスが、これからどうするのか聞いて来たけど、俺にも、ちょっと考えがあって、そう答えた

 そのまま南外周区西側の中道をモネの店に向かって進んだ


 朝早かったが、店のドアは施錠されておらず、簡単に侵入できた


「おーい、モネぇ?

 いるかぁ?」


 声をかけると、すぐに、何かが、起き上がる音がした

 また、店舗兼作業場で寝てたな?


「おぉ、これはこれは、ヒロさんじゃないか?

 そろそろ私を奪いにきたのかねぃ?」

「違うわ!

 ちょっと、紹介したいヴァンパイアがいてね

 ちょっと作ってもらいたい薬があるんだよ」


 ガタゴトガタン!


 ヴァンパイアと聞いてか、薬と聞いてか分からないが、足元のガラクタ?(多分、高価な物達w)を蹴飛ばしてモネがやって来た


「ん?この可愛い子かね?

 どれどれ、よく見せておくれよ」


 普通、ヴァンパイアって聞いたらビビるだろうに、モネは、興味津々で、シンディの顔や体、しまいにゃ口の中の牙まで見始めた


「ひょっ、ひょっとアンファ

 (ちょっ、ちょっとアンタ)」


 軽くモネを振り解くシンディ


「いきなりなんなのさ!」

「おいシンディ、この人が、あの回復薬を作った女性だよ」


 シンディが(多分誰でもだと思うけど)、モネの急接近に耐えきれずに困っていので、俺が、モネをキチンと紹介した瞬間


「そっ、そーなの?

 せっ、センセー!

 あの回復薬はどうやって作ったんだわさ!

 教えてほし〜だわさ!

 何でもするから、教えてだわさセンセー!」


 と、今度はシンディがモネを押し倒して、馬乗りになって懇願し始めた


 モネは、頭を打ったのか、揺さぶられてなのか分からないが、放心状態のように見える


「はいはい、落ち着けぇ!」


 と、シンディを引き剥がそうとしたが、いやはや俺のチカラでは、びくともしない

 さすが、ヴァンパイアって事なのか?


「ねぇ、ヒロが、離れろって言ってるでしょ!」


 ちょっと声色の変わったフィスの一言で、ピタっとシンディの動きが止まった


「じょっ、冗談だわさ

 さっ、センセー!起きてだわさ」


 2人が落ち着いたところで、シンディの親父さんが血が必要な事

 シンディの血を吸った時に発揮する健康状態が分かる能力

 など、大体のこれまでの成り行きも含めてモネに説明した


 シンディの親父の件から、項目に分けて説明していったんだけど、モネは、シンディに血を吸われると気持ち良くなるって話あたりから、ソワソワし初めて、他の話なんて聞いてない様子だった


「細かい事は、いいから、まずは、私の血を吸ってくれるかねぃ

 気持ちよく・・・じゃなくて、体験してみないとどんな薬かわからないからねぃ」


 今、気持ち良くなりたいとか言いかけてなかった?


「全く・・・

 まぁ、すぐ治すから、思いっきり吸ってやってくれるかい?」

「いいのか、センセー?

 その後、ちゃんとあの回復薬の作り方教えてくれだわさ」


 カプッ!


 躊躇なくモネの首筋に噛み付くシンディ


 チュぅぅぅぅっと音を立てて血を吸い始めた


 ゔっ、うぅぅぅぅん、はぅ


 目は虚、顎を上げ、口は半開き、頬は高揚し、仰け反るように胸を突き出す

 肩に置かれたシンディの手を握りしめて、喘ぎ声を繰り返しながら悶えるモネ


 そういえば、寝巻き姿だったので、腰はむき出し、だんだん汗ばみ肌着が密着して、ふくよかな物がハッキリと形が分かってしまう


 やっ、やばい、モネってマジで、ナイスバっ


「ヒロ!止めないと、全部吸われて、干からびちゃうわよ!」


 ヤバいヤバい!

 昔、スノボーに行った時の夜の歓楽街で見た、女性が妖艶な演技をするステージを食い入って見ていた時のように見入ってしまった

 フィスに止められなかったら、カーテンコールまでイクところだったw


「ストップ、ストォォォォップ!」


「あっ、ごめんだわさ

 センセーの血もあまりに美味しかったから、ついついずっと吸ってしまっただわさ

 センセー大丈夫か?」


 血を吸われたモネは、体をビクビクさせながら、シンディに寄りかかっている

 こりゃ、間違いなく昇天してしまっているな


「おぉい、モネ、今、治すからなぁ」


 そう言いながら、超回復薬をチョロっとモネの首元にできた、2つの噛み跡に垂らした


「ふひぃぃぃ!

 こっ、これは、凄いねぃ

 なんで、途中でやめちゃうかねぃ

 ヒロさんもいけずだねぃ」


 ぶっwww

 なっ何を言ってるんだモネわ?


「センセーも、アンタと同じで健康そのものなんだわさ!」

「ん?あんなに気持ち良くさせといて、そんな事も分かるのかい?

 ふーん、興味深いねぃ

 それと、なんだったか、噛んだ時の痛み止め?だったね

 それと、血を玉にして、お父さんに飲ますんだったねぃ」


 フムフムと、シンディの体をそれこそ、つま先からつむじまで、舐め回すように見たモネが



「ヨシ!

 ちょいと、ゆっくりしていくかい?

 色々、試したいっ・・・聞きたい事もあるからねぃ」


 おい!今、試すって言おうとしたろ?

 絶対、さっきの続きをする気だろ?


「ヒロさんが、相手にしてくれないからねぃ」


 おーい、モネ君、今、何をぼぞっと言ったんだい?

 何の相手かな?ねえねえ?


 と、ウィンクをしてみせるモネが、さっきの後なので、なかなか妖艶に見えた気がする


 そんな俺やフィスの存在など、視界に入っていないかのようなモネは、シンディの腕を掴み作業机の方に向かい始めた


「おい、モネ!

 ダンジョンに行ってシンディのオヤジさんに血を・・・」


 俺が、シンディのオヤジさんのために急ごうとしたら


「大丈夫だわさ

 父上も少しくらいは平気だわさ

 それより、センセーよろしくお願いしますだわさ!」

「任せな

 ヒロさん、悪いが、この子は、うちで面倒見るから、そのお父さんに血の玉を持って行けるようになったら、教えるよ

 それと、その目の下のクマを取るのには、睡眠と・・・これでも飲んでおくといいねぃ」

「うわぁっと!」


 棚の片隅の小瓶から、1粒の玉を取って投げてきた

 落としそうになったが、なんとか受け取った


「私を襲う前に、フィスを襲っちゃいけないよぉ!」

「なっ!」


 意味深な捨て台詞を残して、モネはガラクタ(多分効果な物)だらけの作業エリアにシンディと消えていった


 何がなんだか、分からないけど、俺とフィスは、追い出されるようにモネの店を出た


 



「ねぇ、あなた達人間って、ホント面白いわよね

 ヴァンパイアまで、手懐けるんだから」

「確かにw

 あんなに強いヴァンパイアをモネみたいに全く気にしない人もいるんだな

 あっ、フィスもかなり怖かったけどねw」


 フィスの眉がピクっとなった気がしたけど、見てない見てない、フィスは冗談が通じる子のはずだw


「どうするの?このまま帰るの?」

「いや、朝飯でも食べて帰ろうか?」


 "いいわねぇ!"


 奢られる気満々のフィスが、後ろ手にスキップしながら、肩をぶつけてきた


 俺は、シンディに血を吸われたせいか、なぜか目が冴えてしまった

 それとフィスは、元々寝たい時に寝る体質らしく、何気ない会話をしながら、いつものドムさんちの近くの店に行くことにした


 ふんわりとフィスの綺麗な髪の毛が舞い、心地よい優しい香りが徹夜明けの俺の心をくすぐる


 こんな気さくなスキンシップもいいもんだな


 朝日に照らされ、軽くスキップしながら歩くフィスを眺めながら歩いているとあっという間に店に着いた


 店は、朝でも賑わっており、何とか1つのテーブルを確保出来た感じだ


 お互いに好きなものを頼んだが、飲み物は、果実水にした(流石に朝からは飲めないっしょw)


 テーブルに運ばれる料理を突きながら、フィスと会話をしていた


「400年も前の事ってピンとこないけど、フィスは使者みたいな事をするって言うと、やっぱ、立場的に偉いエルフなの?」

「そぉねぇ、家がね、ちょっと、村をまとめてるみたいな・・・ね」


 いつもは、歯切れ良く、何でも思った事を言うフィスが、珍しく言葉を濁していた


「あっ、嫌な事聞いちゃってた?

 誰にも、言いたくない事や、言えない事あるもんなw

 俺も・・・あるし・・・

 まぁ、食おう」


 バツが悪くなったけど、ちょうどそこに、フィスの頼んだ果物の盛り合わせがきたから、フィスに進めながら、1つの赤い実を取ってかじった


「っかぁ!酸っぺえ!」


 赤いくせに、レモンのような酸っぱい味だった


「んふっ

 バッカねぇ、それは、こうやって・・・」


 フィスは、俺がかじった赤い実を取り上げて、果実水の上で軽く絞った

 急に果実水の色が赤く染まった


「さぁ、飲んで」


 進められるまま飲んだ・・・


「あっめぇぇぇ!」

「もぉ、こんな事は、エルフの子供でも知ってる事よ!

 ホント、ヒロって、時折何も知らない時あるわよね」


 すごい発見!直に食べたら酸っぱいのに、果実水に絞って入れたら、なんか知らないけど、メチャクチャ甘くなった

 コレだよコレ!元の世界に無い、驚き!

 こっちにきてから、こういうのがいつもあるから面白いんだよ


 ん?フィスくん何か言った?


「いやぁ、俺、こういうの知らないで育っちゃったからなぁ・・・」


 誤魔化しきれるか分からないけど、とぼけて見せた


「ホント、ヒロって、面白いわよね

 なぁんか、あの時、私を連れ出してくれたフレディみたいw」

「フレディ?

 あぁ、初代ギルマスの?

 いやぁ、俺は、ギルドを作るような人物じゃないよw」


 と、全否定しといた

 しかし、その話しって、150年から前の話だろうし

 今日のシンディの件でも、事の起こりは、400年前だし

 何だか、俺のこれまでの人生50年なんか短く感じちゃうな


「なぁんか、この世界って、ホント面白いよな」

「なぁに言ってんの?

 あなたが生まれてから、30年やそこらでは、世界は何も変わってないわよ

 さぁ、食べたら、モネから貰った薬でも飲んで寝なさいな

 なんなら、添い寝してあげよぉかぁ?w」


 ギクっ!そうだ、フィスの生きてきた時間、石化されてた時間に比べても、俺の人生なんて短すぎすぎるんだw

 しかし、フィスの添い寝だと?

 そんな事されたら、俺の俺が暴発しちまうよ!

 ってか、フィスの目がやばい!

 ヤバいよ!

 シンディを黙らせた時の目に近い!

 怖いから、さっさと食って、帰って、寝よぉ〜っとw

読んでいただきありがとうございます、超七玉です

暑くなってまいりました

出来得ることなら、話しの中身も熱くしていきたいです

よろしくお願いします

ありがとうございました

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