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異世界で神(娘)と暮らし始めて嫁探し?  作者: 超七玉
サーヤ冒険者になる、ヒロ能力に目覚める
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35、石化は治せる!モネ大活躍!

35、石化は治せる!モネ大活躍!


「ふふふ!

 あの人も、まぁた、凄いものを持って来てくれたねぇ」


 小さなランタンが、部屋をボヤァっと照らしているだけの、暗ぁい部屋の作業机の上に置かれた物体をこの街きっての変わり者の調合師がニヤニヤしながら眺めている


 今日、懇意?にしている冒険者から、コカトリスの亡き骸の殆どを貰い受け、石化の解明を頼まれた調合師が、その石化の現象に興味が湧きまくってしまい、その冒険者が帰ったあとから、ずぅっと、頭部から首、内臓としらみ潰しに分解しまくりなんとか見つけた毒腺と思われる袋を取り出した時点で、夕刻は過ぎていた


 作業をやめて、夕飯を食べ湯浴みをしたが、湧いてくる好奇心が止められず

 寝巻き姿で、作業場に戻ってきて、取り出した毒腺の袋を見つめている


 袋の外周を突いてみると弾力性があり、中に何かしらの液体が入っているのは間違いない


「これが、石化の原因だねぇ

 ひひひ、楽しみだねぇ」


 舌舐めずりでもしそうな勢いの調合師が、慎重に袋状の物から、液体を瓶に移している


「本当にこんな液体で、石化と言う現象が起こるもんかねぇ・・・」


 少し粘度のある液体を用意したかなり大きめの瓶に移した

 その不思議な色の液体を瓶の上から、呼吸を止めて覗き込む


「この液体の入っていた袋は、石化しないんだねぇ・・・」


 一応、スプーンは、陶器製の物を使ったが、何も起こらなかった

 瓶は、超回復薬を入れて保管してる物と同じ瓶を使ったが、変化はない


 何を思ったか、近くにあった薬草を取り出し、まだ液体の付着した匙をくっつけてみた・・・


 するとジワジワと薬草の色がくすんだ鼠色に変色していき、その領域を増やしていく若干重くなった気もする

 触ってみると・・・

 硬い!


「石だねぇ

 石みたいってのが正しいのかねぇ・・・

 あの人は、私の薬で、フィスさんの石化を解いたんだよねぇ

 ならば、実験してみてもいいよねぇ・・・

 いやぁ、どうしようかねぇ・・・」


 調合師は、何かを思い悩んでいる


 それは、自分の身で、石化を体験してみようかと・・・


 超回復薬と言う、調合師自慢の小瓶を2つ用意し、右手に陶器製のスプーンを持つ


「どうしようかねぇ・・・

 ええぃ!これで、やらなきゃ調合師なんて名乗れないねぇ!」


 調合師は、匙で掬った液体を左手の甲に、ポタッと1滴垂らした


「うぐぐぐっ!

 手が!熱イタイねぇ」


 液体を垂らした場所から放射状にゆっくりと、寝食するように綺麗な肌が、徐々に鼠色に変わっていく

 これが、石化?と思われる現象なのか?と、その熱くイタイ感触に味わっていた・・・


 はっ!と、我に返ると、手首まで変色していた


「おっと、この辺にしとかないとまずいかもねぇ」


 と、右手で持っていた匙をテーブルの陶器の小皿に置き、超回復薬を取ろうと、匙から手を離した


「あっ!」


 匙の置き方が悪かったのか、匙が手前に倒れ込んできた


「おっと、危ないねぇ」


 咄嗟に右手で匙を持とうとして、匙の柄の部分を叩いてしまった!


 弾かれた匙は、回転しながら、調合師の顔に向かって飛んでいく、目を瞑りながら顔を背けたが、左耳に当たってしまった


「きゃっ!」


 調合師らしくない、慌てた可愛らしい声が出てしまった


 耳に当たり、勢いを無くした匙は、寝巻き姿(ほぼ下着)であらわになっていた、左の太ももに、"ピトっ"と乗っかった

 そのまま、匙に付着して残っていた液体が、潤滑剤代わりになり、足を伝うように落ちていった


 調合師は慌てて避けようとしたため、バランスを崩して椅子から滑り落ちてしまった


「イタタタっ

 やってしまったねぇ・・・」


 右手を床に突いて起きようとしたが、太ももの付け根も石化が始まってしまい、身動きが取れなくなってしまった


「どうしたものかねぇ・・・

 仕方ないねぇ・・・

 まぁ、あの人が来れば、なんとかしてくれるだろうから、このまま、石化を身をもって味わい尽くそうかねぇ・・・」


 諦めた調合師は、そのまま目を瞑り、自分の身体に起きている現象を脳裏に刻む事に専念し始めた・・・


 




ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー



「よう、ダガート久しぶり!」

「おう、ヒロ!

 助けてくれよぉ!

 もう、ニールの野郎が、ブレンダさんを味方にしやがって、俺をこき使うのなんのって・・・

 もう、クタクタだよ?」


 カミラさんの依頼を終え、冒険者ギルドに、タガロの村で起きた事を報告した俺は、モネにコカトリスの素材を渡して石化を解く薬の研究を頼んだ

 その後、丸一日疲れを癒し、クリスの店でタガート達と久々に会った


「ははは、仕方ないだろアニキなんだから!

 そうだ、また、冒険者の村に行こうと思うんだけど

 今、向こうは、どんな感じなんだ?」

「やっぱり、ジムさんとブレンダさんの影響力は強くて、もう、不正を働く人達は居なそうですね

 しかし、地下1階での生活が禁止されたんで、宿泊施設が足りずにダンジョンの1階が、冒険者で溢れちゃってて、ローエさんのお手伝いばかりしてましたよぉ!

 多分、私達、大工のスキル上がってますよw」


 どうやら、村を変えようと、ジムさん達も頑張ってるんだな

 ミサまで大工に駆り出されるとは・・・

 ん?ところで、見習いwのフィスは、ちゃんとやってんのか?

 うーん、かなり心配になってきたな


「そぉかぁ・・・、ローエが忙しいなら、鍛冶屋の建設は厳しいかなぁ?」

「ダメです!ヒロさんの提案は、最優先にしましょう!」


 ヤバイヤバイ、クリスがまぁた、暴走しちゃうよ


「ところでさぁ、ヒロさん、アリアさんにもらったあのダンジョンの地図で、何か分かったの?」

「おっ?さすがアイトくん!

 実は、ちょっとした法則を見つけちゃったんだよねぇ」


 そうなんだ!実は、アリアにもらった地図を眺めてたら、見つけちゃったんだよねぇ!


 これは、ダンジョンRPGにハマって、方眼紙にマップを書いてた俺だから見抜けたのかも知れないけどねぇw

 各階層の地図を重ねて見比べてみて分かったんだけど


「やっぱり、あの階段の部屋の奥にもう一つ部屋って言うか、通路が隠されてると思うんだ

 だから、鍛冶屋の建設より、そっちの確認がしたいんだよねぇ」

「おっおい!ヒロ!

 ダンジョンに入るんなら、俺達も連れてけよな!」


 勿論!リネン達にも声はかけてある


「当たり前だろ!あと、リネンとイリナ

 これが、俺達のパーティーだろ!」


 よっしゃぁ!!!

 クリスの店でダガート達が、喝采をあげる!


「今回は、サーヤも連れて行こうと思うんだ

 ニールの手伝いが1人でも多い方がいいと思うんだ

 クリス、サーヤいいかい?」

「分かりました!

 私達の家は、私が責任持って守ります!」

「うっ、うん、頑張る!」


 ん?クリスの返事が、何か引っ掛かるけど良しとしよう


「それならば!

 ジョージも連れて行ってあげてもらえませんか?

 サーヤも1人では寂しいでしょうからw」

 と、近くにいたルイスが、片眼鏡をクイっとあげて、企み顔で提案してきた


 確かに、知らない場所では、彼氏?wがいた方が、アイツも楽しいだろう


「サーヤ良かったな!」


 ドスっ!っと、脇腹にボディブローをいただいた


「ルイスさん、こっちの人手は、大丈夫なの?」

「サーヤ!こっちの事は気にせず、ニールの手伝いを頼みます

 それと、ジョージにも、色んな人と触れさせてやってもらえるかな?」


 "うん、分かった!"と、笑顔で答えるサーヤ


「あとは、リネン達と、ドムさん達に都合を聞いて、出立しようぜ!

 各人、段取りしっかりと頼むよ!」

「おう!」


 って事で、まずは、モネの所だな!w


 大猪討伐の依頼から帰ってきてすぐに、"コカトリス"の素材を届けたら



「コリャありがたいねぇ!

 さすがヒロさん、全ての素材を持ってきてくれるところが、他の無知共とは違うねぇ

 さぁ、石化の解明といこうかねぇ!」


 と、まるで子供がオモチャを買ってもらったような喜びようで、お代を払おうとしてきたので、丁重に断っておいた


 まぁ、あれから、何日か経ってないが、何かしらの進捗はあったろうし、超回復薬などの補充も兼ねて寄ろうと思う



「モネぇ、いるかぁい?」


 ・・・・・・・



 あれ?入り口のドアは空いているのに、モネが居ないようだ


 まぁ、トイレか何かだろうと思って店の中をうろついていると


 カタッっ!コロンっ!と、カウンターの後ろの部屋から、何かが落ちる音がした


「お邪魔するよぉ!」


 と、一応声を掛けてカウンターに入り、奥の部屋を覗き込みながら入らせてもらった


 部屋は、ランタンで薄暗いが、一応部屋全体はボンヤリ見える


 壁側の本棚には書物がギッシリ詰め込まれていて、窓際や天井の梁から吊り下げられた紐には、無数の怪しげな草花くさばなの乾燥した物などが下げられている

 また、剥製なのか、素材なのか分からない物色んな物が、所狭しと置かれている


 ちょっと奥に作業机の様な物が見えてきたので近づいた


「うげっ!」


 机の上には、コカトリスの頭が、無惨な形に解体されていた、それを見て、ちょっと声を出してしまった


「モネぇ!いるのかぁ?」


 と、声を掛けたら、作業机の裏の方で、"ガタンっ!"と、倒れている椅子が動いた


「ひぃぃぃっ!」


 と、恥ずかしい声を出してしまったが、ゆっくりと近づいて行ったら、机の陰から、裸足の足が見えた


「うげっ!」


 俺は、モネが倒れていると思い、すかさず駆け寄った


「モネ!大丈夫か!?」


 しかし、そこにいたのは、モネではあるが、身体が半分ねずみ色のモナだ!

 しかも、ほぼ下着姿・・・

 顔は、右耳と右頬以外は、ねずみ色だ!

 そして、右手で椅子の足を掴んでいる

 どうやら、右半身だけは動けるようだ


 左腕に触れてみるが・・・硬い!石の様だ

 フィスの時と同じだが、右手は・・・柔らかいぞ!


 多分、石化が途中で止まった感じか?


 どうする?フィスの時みたく一か八か、超回復薬を試してみるか?


「モネ、フィスの時みたく、超回復を試してみていいか?」


 聞こえているか分からないが、マジックバッグから、超回復薬を取り出しながら確認してみたら

 さっきまで、椅子の脚を掴んでいた右手が、ゆっくりとグーサインをしてきた!


 どうやら、俺の声は聞こえるみたいだ


「分かった、失敗しても恨むなよ!」


 俺は、フィスの時の事を思い出しながら、まず、モネの石化されてる部分に超回復薬をかけ、あとは両手のひらで、体に触れ、とりあえず魔力を流し込んだ

 今回は、石化よ治ってくれと思いながら、痛いの痛いの飛んでいけぇ!的な事を口ずさみながら目を瞑り、必死に魔力を流し込んだ


 しばらくすると、手で触れていた部分の感触が、柔らかくなったように思える

 特に、右手のひらの感触は柔らかく、不思議な感触だ

 なんていうか、大きなマシュマロのような、大きな中華まんのような・・・


 うわぁ、この感じ、俺のだぁいすきな・・


「ヒロさん、そんなに揉まれたら、不思議な気持ちになっちゃうねぇw」


 え?えええ?


 俺は、必死だったんで、気づかなかったが、どうやら、左手は、モネの左太もも

 右手は、モネの左の乳房に魔力を注ぎ込んでいたらしい


「ごごごごご、ごめんよ

 夢中で、フィスの時と同じで、魔力を注ぎ込んでたら、つい・・・」

「なんだ、フィスさんの胸も揉んだのかい?

 てっきり、石化で動けない事をいい事に、慰み者にされるのかと思ったよw」


 いやいやいや、おかしいだろ!

 なんで、一生懸命、助けようとしてただけの俺が、エロ犯罪者みたくなってんの?


「ばっ、馬鹿言え!

 無我夢中だったんだよ」

「あぁ、無我夢中に私の胸を揉んでたねぇw

 しかし、ヒロさんが来てくれて良かったよ

 他の誰かじゃ、しばらくはダメだったろうねぇ」


 どうやら、モネは怒ってはいないようだ


「しっかし、びっくりしたよ

 一体、何があったんだよ?」

「いやぁ、ヒロさんが、こんなに素晴らしい素材を持って来てくれたから、あまりに嬉しくてねぇ

 湯浴みの後、一旦は、寝ようと思ったんだけど、やっぱり調べたくなってねぇ」


 そりゃ分かるけど、何をしたら石化しちゃうんだよ


「石化はどうやって起こるのか、実験したくなってねぇ

 毒腺の中の液体を左手の甲に1滴垂らしたら、見る見る石化していったんだよ!」

「あのなぁ!

 そういうのは、まず、ネズミとかカエルでするんじゃないか?」


 俺はため息を吐きながら答えた


「あっ、そういう手があるのかい?

 今度からは、そうするよ!

 でも、一応、超回復薬も用意して置いたんだが、石化していくのが、面白くて、飲むのを忘れてしまったんだよぉw

 いやぁ、参った参ったw」


 ダメだ、なんで、こう、突飛抜けた人物は、普通の事が抜けてるのかね?


「でも色んな事が分かったねぇ

 まず、石化は、徐々に侵食していくようにしていく事、まぁ、一気に液体を被ったら分からないがね

 顔が石化すると、視界はなくなる

 でも、声や音は、石化した耳でも聞こえたと言うか、感じた

 それと、物事を考えられるし、右半身は動かせたねぇ

 まぁ、これは、全身が石化したらどうなるか分からないが、フィスさんによると、外の音や声は聞こえるし思考もあるらしい

 それと、ここが重要なんだが、お腹が減らないし、催しもしないんだねぇ

 これで、お腹が空いてたり、催してたら大変だったよw」


 ん?何が大変だったんだ?

 さっき、俺が素材を持って来た日って言ってなかったか?


「まさか、俺が来た日からずっと石化してたのか?」


 グゥゥゥっ!って音が鳴った


「おっと、石化が解けたら、きゅうにお腹が空いてきたねぇ

 これも、発見だねぇ

 おっと、催してもきたねぇ

 ちょっと失礼するよ」


 胸は、大きいけど、言ってる事は、子供っぽいっちゃ、ありゃしない、しかも、股間を押さえながら、走って行ったぞ!

 全く、ほんと、興味以外は、雑だなぁモネは・・・


「腹が減ったんなら、何か奢ろうか?

 ちょうど昼だし」


「ありがたいねぇ、ちょっと、羽織ってくるから、待っといてくれるかい?

 あっ、その辺の物は飲んだり、食べたりしないでおくれよ」


 トイレから、返事が返って来た

 間違っても、モネの店にある物は、勝手に口に入れるつもりは無い!



 俺は、冒険者ギルドとドムさんに用事があるので、そっちに向かって歩いていきながら、そろそろドムさんの店に着くって辺りで物凄くいい匂いがしてくる店に入った


「おぉ!いいねぇ!

 じゃぁ、遠慮なくエールと肉でも頂こうかねぇ」

「あぁ、そうだな

 すいませぇん!」


 俺は、給仕さんを呼んで、エールと適当に肉料理をお願いした


「なぁ、モネ、動けるようになって早々に悪いけど、石化を解く薬は作れそうかい?」

「そうだねぇ

 あの毒腺から採れた液体が、石化わさせる液体なのは分かったからあとは、超回復薬だけで、石化が解けるのかっていうのを確認したいのと、

 ヒロさんの魔力の注入が、何か関係あるのかってのを確認したら、試作品くらいは作れそうな気がするねぇ」


 さすが、自分が実験台になったくらいだからw考察が早いね


「なら、必要な物ってある?」

「そうだねぇ、さっき言ってたネズミとかかねぇ

 また、石化になってみたい気もあるけど、それじゃ先に進まなくなっちまうからねぇ」


 ネズミかぁ・・・・まぁた、地下水路でも潜るかぁ・・・ん?


「あのさ、動物とかを眠らせられるくらいの睡眠薬みたいなのってある?」

「まあ、眠れない時用の睡眠薬ならあるから、それを多めに餌にでも混ぜれば・・・

 まさか、私を眠らせて、まぁた、胸でも揉むつもりかい?

 出来る事なら、それなりの雰囲気ってものを作って欲しいねぇw」


 ダメだ、こりゃ、一生言われるやつだw


「おいおい、何をいきなり!

 確かにモネ(の胸)は素敵だけど・・・

 って、何を言わせるんだよ!

嬉しい申し出だけど、そう言うのは、もっとこう、お互いを知ってからとかじゃないのかよ!」

「冗談だよヒロさん!

 案外、ウブなんだねぇ

 そう、ムキにならずに、胸を揉んで揉まれた仲なんだから、親密なパートナーでも構わないねぇ」


 トホホ、こりゃ、年下のモネに一生頭が上がらないかもね


「大丈夫、それくらい乗り切れるくらいの強さは持ってるつもりだよ

 もし、困ったら、モネの胸にお願いするさ!」


 どうだ、今度は、逆にいじってやったぞ!


「この胸かい?

 私は、ヒロさんならいつでもイイけどねぇw」


 ぶはっ!エールをこぼしたよ!

 なんで、こっちの世界の女性は、こう、ストレートで来るかねぇw

 オジサンはタジタジだよ


 まっ、こういうやり取りが出来るのは嬉しいけどね


「はいはい、ありがとう

 まあ、ネズミになるか分からないけど、なんとか、今日か明日に用意するよ

 さぁ、しっかり食って、さっきの事は、許してくれよ!」

「どうしようかねぇ

 まぁ、食べてから考えるねぇw」


 はぁ、こりゃ高くつきそうだ・・・


 昼食を済ませ、モネに睡眠薬を頼んで、俺は、ドムさんの店に行き、こちらの準備は、大体済んだ事を伝え、最後に粘土を取り出して見せてみた


「ほぉ、かなり上質な粘土だな

 どれだけあるんだ」

「これが、あと10本くらい・・・かなw」

 "アホが!値崩れするわ!w"

 いつも通りドヤされたw


 木材も揃ったと伝えると、ドムさん達は、あと4日もあれば、修理も終わり、向こうで売る防具類が揃うとの事


「そうそう、ドムさん!

 ちょっと、ネズミを捕獲したいんで、罠でも作ってよ!」

「なぬ?急だな!

 急ぎか?」


 モネの石化を解く薬の件を伝えると


「そうか、何か考えがあるんだな?

 よっしゃ、先にそれを3〜4個作っちまうか!」

「ありがとうドムさん

 じゃぁ、設置がてら、ローズさんのところで一杯やろ!」


 "決まりだな!"と、腕まくりを始めたドムさん


 俺も手伝って、ちょっと大きめの生け取り罠を作り始めた


 俺は、手を休めずにドムさんに先日の炎の猪との戦いを伝え、俺の身体にだけ炎に触れても、火傷はしたけど燃えなかった事を伝えた


「ワシは、魔術やその類はさっぱりだが

 オマエさんが、あの娘っ子に付与されたスキルの1つと考えるべきなんじゃねぇか?

 その効果が、ある一定の衝撃や強さまで耐えられる代物なのか、もしかしたら蓄積して、あとで自分に返ってきたり、利用できたりは分からねぇ

 でもな、怪我や病気はしない事に越した事はねぇんだ!

 こっちの世界で楽しくやりてぇんなら、無理はしねぇこったな!」


 ドワーフという種族が、みんなこんな感じで、悟ってるのか、ドムさんの人生経験なのか、親や教師に優しく悟らされてる感じで照れくさいな


「あぁそうだね、ありがとうドムさん

 折角の第2の人生だから、無理しないように楽しむよ」

「おぅ!ワシもオマエがいると、面白くてしゃぁねぇからな!

 簡単に死なれたら困るわいw」


 そんなこんなで、出来上がった罠を持って俺は先に、南外周区西側の最初の頃に依頼を受けた広場の地下水にでも仕掛けようと思う


 一応、冒険者ギルドのギルマスに話をしたら


「ネズミくらいで、アイツ(モネ)の暴走を防げるなら、悪いが協力してやってくれ」


 と、言われたんだけど、モネってそんなに要注意人物なのかな?


 罠を持ってモネのところに行くと


「これひとつまみで、大人の女性なら、1日はグッスリだねぇ

 悪用するなら気をつけるんだねぇ」


 と、たっぷり、怪しい粉を頂いた


 これさえあれば、あんな事やこんな事・・・イヤイヤイヤ思ってないよw


 ロイドの店で、肉の箸切れをミンチにしてもらい譲ってもらい、罠の中に入れた


 広場の洗い場の下から、放射状に数本伸びる水路に罠を4ヶ仕掛けさせてもらった


 飲みに行くなら、風呂に入ってからと思い一旦帰り、クリスとサーヤには、モネからの頼み事で、ネズミを捕まえに行くついでに(ここ強調!w)

、ローズさんの店に行く事を告げて、逃げる様に出てきた


 店に入ると、既に、ドムさんが、エールを煽っていた


「やっと来てくれたよぉ!この人は!

 今日は、帰さないんだからね!」


 ローズさんの熱烈歓迎を受けた


 店に寄った理由を言うと


「定期的にそうやって害獣駆除してくれると助かるよ

 はいエール!

 何か、食べるかい?

 どうせ、上手いこと言ってサーヤを置いてきたんでしょ?」

「ローズさんには、敵わないよ

 何か腹に溜まる物食べたいなぁ」


 "ちょっと待っておくれ、チャチャっと作っちゃうからさ!"

 と、厨房に入っていくローズさんの後ろ姿、背中がパックリと開いてて素敵すぎる!


「おい!鼻の下を伸ばすのは勝手だが

 まずは、乾杯しようや」


 ドムさんに恥ずかしい顔を見られてしまったw


 何に対してとかはないけど、やっぱり最初は、乾杯からだ!

 って、ドムさんは、結構、先に飲んでたけどね


 冒険者の村での鍛冶屋の構想なんかをチマチマ話していたら


「はい、お待ち!

 ロイドがさ、ヒロさんが店に顔出すらしいからって、わざわざ持ってきてくれてね

 ヒロさんに教わった炒め飯にしてみたわ

 食べてみて」


 おっと!肉がゴロゴロ入ってる炒飯じゃないか!


 まずは一口!


 うっひょぉ!めちゃウマイ!にんにく?ニンニクっしょコレ?


「ローズさん、めちゃくちゃ上手いよ何コレ!

 俺、こんなの教えてないよ!」

「おお!これは、みなぎるな!

 ドワーフのオナゴでも、探しに行こうかのw」


 参った、ローズさんが、いつのまにかガーリック炒飯を習得してる

 しかも、ゴロ肉は、ゴロ肉で、しっかり味付けがされてる

 こりゃ何杯でも行けるやつだ!


「あら、そんなにがっつくヒロさんも色っぽいわね?」


 ローズさんが、物凄い色気を出して、俺のほっぺを撫でてきたぞ!


「もし、ヒロさんもみなぎってきちゃったら、私なら、いつでもイイわよん!」


 そんな耳元で、囁き声で言われたら、俺のジュニアが暴走しちゃうよ!


「イヤイヤイヤイヤ!

 きっ、今日は、モネの為にネズミを捕獲しないといけないし・・・」

「あらやだ、やっぱりヒロさんは、胸の大きい子が好きなのかしら

 あの子かなりイイ胸をしてるんじゃない?」


 ングググっ!

 やばい!変な事思い出しちゃったよ!

 余計に、みなぎってちゃって、焦っちゃって、喉に、ゴロ肉がっ!


「もう!ローズさん!ヒロさんをいじめるのもその辺してあげて

 はい、いらっしゃい!

 ヒロさん!お水!お水っ!」


 危なかったぁ!

 たはっ、やっぱりソフィさんは、優すぃなぁ


「みっミユちゃんは?」

「今日は、キムさんが、当番で面倒見てくれてます

 もう、一丁前にお姉さんぶっちゃって・・・キムさんのお手伝いをしてるのか、邪魔をしてるのか・・・」


 愚痴ってる様で、ミユちゃんの成長に喜んでる様にも見えるね


「いいじゃないですか、ソフィさんと言う見本が素敵だから、ミユちゃんも頑張っちゃうんじゃない?」

「もう、ヒロさん上手なんだからぁ」


 "パシっ"と、優しく肩を叩かれた!

 やべぇ、嬉しい!こんなやり取りサイコー


 ローズさんの魅惑の超大人なセクシー全開に接してもらうのも、ソフィさんのような恋人関係、夫婦関係的な触れ合いも、オッサンにはたまんないっすねぇ!


「ホント、みんなヒロさんに感謝してるんですよ

 こんな環境になれたのも、ヒロさんの提案のおかげ!

 そうそう、このお店、今、この地区で、1番働きたい場所になってるんですよぉ」


 え?どゆぅ事?俺なんかしたってか?

 俺が?"なんで?俺?"みたいなアホヅラでいると


「ダメダメ!

 ヒロさんは、自分が教えた事とか、した事を少しも恩に着せないだからぁ

 少しくらいは、こっちのお礼を受け取って欲しいもんだってね

 ホント、困った人だよぉ!」


 デザートを持ってきながら、ローズさんが、愚痴?っていった

 いやいや、俺としては、当たり前の事をしているだけなんだけど・・・

 まぁ、多少は、女性の前では張り切っちゃうけどねw


 ドムさんは、我関せずと言わんばかりに、ローズさんに"炒め飯"とエールをおかわりを頼んでいた


 俺達は、オープン少し前に来店しちゃったんだけど、そろそろ開店かな?とか思ってたら


「おはようですぅ!」

「お願いしまぁす、もう4組くらい並んでまぁす」


 と、元気のいい、聞きなれた声が入ってきた!


「はい、お疲れ様、イリナ、リネン着替えたら、店開けてくれるかい」


「はいですぅ!」

「はぁい!?あれ?ヒロさんとドムさん来てたんだぁw

 ちょっと恥ずかしいなぁ、でも、いらっしゃいませ」


 な、な、な、なんで?


「あの2人も働いてるの?」

「あら、知らなかったんですか?

 イリナちゃんは元気でグラマラスだし、リネンちゃんは、ツンデレ魔法使いで、2人とも、あっという間に人気者なんですよ!」


 しばらくすると、冒険者の村のブレンダさんに負けず劣らずの防御面積の少ない白い防具のような衣装のイリナと、袖無しミニスカの魔法使いの衣装のリネンがやってきて、店をオープンさせた


 途端に店の中は、お客と接客の女性達で溢れかえり、楽しい雰囲気になってきた


「オイオイ、こりゃ祭りか何かか?

 最高じゃねぇか!酒はこう飲まんとな!」

「流石、ドムさん、分かってくれてるね

 ドムさんとこにも娘さんがいるらしいじゃないか?

 店の娘の飲み代は、お客持ちだから、遊びに来るように言っといてよ」


 ローズさんの勧誘もアバウトだな!

 まあ、ライリーも可愛いから、ここにいても人気者になれるかもね


 確かにこれだけ繁盛してたら、働きたくなるね


 楽しく飲んでる人

 人生相談しているお客

 イリナに腕相撲を挑んでるお客

 ローズさんに説教されて喜んでる客

 ソフィさんに撫で撫でされてる客

 リネンに触れようとしてビリっと喰らってる客

 若い女性に髭を弄られ喜んでるドムさん


 それらを見ながらエールを飲んでたら、なんだか気分が良くなってきてしまった


 気付いたら、俺は地下水路にいた

 そうだ、罠を調べようと、罠に近付いたところ、罠の後ろから、とんでもない大きさのマシュマロが現れた!


 そのマシュマロが、ボヨンボヨン跳ねながら近付いてくる


 俺は逃げようと振り向いて走ろうとするが、何故か全然進まない


 しまいには、そのビックマシュマロに覆い被されてしまった


「うわぁぉぁ」と、なったところで目が覚めた!


 が、目の前は真っ暗!


 顔に何かが乗っかっている様で、それをどかそうともがいたが、なんだか、柔らかすぎてよく掴めない


「あっ、起きたですぅ!

 キャハハ、くすぐったいですぅ」


 俺は、跳ね起きた!


 どうやら、俺は寝てしまい、それに気付いたイリナが膝枕をしてくれていた様だが、あまりにも胸がふくよか過ぎて、俺の顔に乗っかっていたようだ


「オイオイ、まだ宵の口だぞ

 オナゴの乳を揉んで遊ぶには、ちーとはえぇぞ!」


 いやいやドムさん!俺にそんなつもりはないようであるようで、今日のところはないんだけど


「ごめんイリナ

 つい寝ちゃったみたいで、介抱してくれてありがとう」

「ヒロさんを膝枕してたら、リネンに怒られたですぅ

 次は、リネンにしてもらうといいですぅw」


 "もう、イリナ!"


 リネンが照れた様子を見せると、リネンがいるテーブルのお客達が、

「俺も、膝枕して欲しい!」

「俺は、お金払う!」

「俺、金貨1枚!」

「何!俺は2枚だ!」


 なぁんて、リネンの膝枕の争奪戦が始まろうとしたら


 ビリビリビリビリ!と、小さな雷が、全員の頭に落ちた


「ひぃぃぃ!」

「気持ちいい!」

「か・い・か・ん!」

「もっとくださぁい!!」


 オイオイ、魔法をそんなプレイに使っていいのか?


 この人達は、そう言う界隈の人達、いわゆる、"リネンビリビリ界隈"の人達だなw


 少し、楽しんでるリネンもちょっと可愛怖い(カワコワイイ)ねw


「あっそうだ!

 俺、そろそろ罠を確かめに行かなきゃ!」

「おうおう!

 薬屋の娘に活きのイイのを持っていかんとな!」


 俺がお代を払おうとすると


「ちょっとやめとくれよ

 この店が、こんなに繁盛してるのは、ヒロさんのおかげなのに、代金なんて貰えるわけないじゃない!」


 綺麗な人は怒っても綺麗だなぁとか、呆気に取られそうだったけど


「ダメダメ、それじゃぁ他のお客さんに示しがつかないよ

 ほい、これで、女の子の衣装でも買ってあげて!」


 と、金貨を渡した


「ちょっとぉ!もぉ!

 用が済んだらまた来ておくれよ!

 じゃなきゃ、サーヤも働かすよ!」


 そりゃダメだ!


「分かった、また来るヨォ!」


 と、逃げる様に店を出た



 広場の水路で、罠を回収したところ、どの罠にも子供の頭くらいのネズミが、2〜4匹入っていて、そのほとんどが眠っていた


 それらの罠ごと持って、モネの店に向かった


 こんな夜中でも、研究熱心なモネの店は、灯りが煌々と灯っていたので、何も気にせず入らせてもらう

 もしかしたら、また、石化しているかもしれないからね


「ネズミ獲ってきたぞぉ」

「おぉ!まさか、即日納品とは、やっぱりヒロさんは凄いね

 おっと、ドムさんも一緒かい?お久しぶりだね

 今、お茶でも出すよ」


 と、作業場に案内された


「オイオイ、こんな夜中に、鍵も掛けずに不用心だなぁ

 もうちょっと用心しなきゃ!」

「ははは、こんな怪しい店に好き好んで入るやつなんていないねぇ

 まぁ、ヒロさんくらいだよ」


 まったく、あんなに大きな胸を持ってるんだ、襲われたらどうすんだよ全く!


「おい!薬屋の!

 出してもらった物にケチは付けたくないが

 そのお茶には、毒は入っとらんだろうな

 お前さんの奔放さは、コヤツと変わらんくらいらしいからの」

「あら、言ってくれるねぇ

 ちょっと酒の匂いがするから、悪酔いしないように胃をスッキリさせるお茶なんだけどねぇ」


 そんなやりとりをしても、出された物を匂いも嗅がずに一気に飲むところは、ドムさんらしい


「おっ!本当だ!

 スッキリしたぞ!

 オイ、ヒロ!エールをくれ!」


「俺は、何でも屋かよ!」


 って、言いながら、マジックバッグから、冷えたタンブラーを出す


 待ってましたと言わんばかりにエールを飲むドムさん


「まだ、帰らないよねぇ

 ちょっと、早速実験してみないかい?」


 と、モネは言いながら、無造作に寝ているネズミを1匹取り出した


 小動物の鼓動は速いようで、小刻みに振動しながら呼吸している


 そして、小瓶に入った液体をそのネズミの背中に1滴垂らした


 すると、液体が触れた場所から徐々ににネズミがそれこそ、無機質のようなネズミ色に変色した

 そして、呼吸も止まったようで、動かなくなった


「ほぉ、これが石化っちゅうやつか?」

「そうだねぇ、石化、もしくは硬化したって感じかねぇ

 それじゃぁ、まず、超回復薬だけ掛けてみるねぇ」


 モネが、超回復薬をチロチロと足の方から掛けていく


 ホワンっと、淡い光と共にシュワシュワっと音がした


 ネズミの毛並みが、若干色気を取り戻したように思える


 モネが優しく触ってみる


 そして、軽く押した時、モネの指が軽くのけ反った


「くぅっ、やっぱり超回復薬だけでは、ダメみたいだねぇ・・

 ちょっとは、期待してたんだけどねぇ

 残念ながら、皮膚から中は、硬いままだねぇ

 んじゃぁヒロさん、私の胸を揉んだ時のように魔力を注入してくれるかい?」


「はぁ、オマエさん、胸を揉みながら魔力を注入って、変わった性癖があるんだな?」


 あぁ、俺のイメージ総崩れだよ


「あのなぁ、モネ、あの時は、揉もうと思って揉んだわけじゃなくてだね

 不可抗力ってやつで・・」


 と、手振り身振りで説明していると、モネは、俺の手を掴んで、ネズミに添えた


「あぁ、悪かったよヒロさんw

 嫌な気持ちには、なってないさ

 あんな事初めてだったから、忘れられないだけさね

 さぁ、私を石化から助けた時と同じように頼むよねぇw」


 一瞬モネの頬が赤くなった気がする

 そうだよな、いくら不可抗力だとしても、いきなり揉んちゃったんだもんなw


「いや、ホントごめん

 俺も、しばらくは忘れられないよw

 じゃぁいくよ」


 言いながら、目を瞑り"痛いの痛いの飛んでいけぇ!"だったかな?を口ずさみながら魔力を注入してみた


 俺は、目を瞑ってるから分からないけど

「おおお!」

「やるもんだな!」

 と、2人から声が漏れた!


 何が起きたか分からないけど、中途半端はいけないので、しばらく魔力を送り続けた


 すると


"カプッ!"と、俺の人差し指が、何かに噛まれた!


 目を開けて確認すると、さっきまで石化していたネズミが、俺の人差し指を噛んでいる!


「おっ!治ったのか!」


 ネズミは、狂気的に俺の指を噛んでるのではなく、甘噛み程度だ


「やっぱりねぇ

 石化が、簡単に治るとは思わなかったんだよねぇ

 やっぱり、ヒロさんのその魔力のせいかねぇ

 今から、ヒロさんとやってみたい事があるんだが、付き合ってくれるかい?」


 おいおいこんな夜中からやるって?

 付き合ってくれって?

 まさか?

 そんな?

 こっちに来て、初めての・・・・


「まっまぁ、別にいいけど・・・」

「よし、ドムさん、悪いけどヒロさんを借りるよ

 朝まで、魔力を出し切ってもらうよ」

「おうおう、わけぇモン同士好きにやりゃぁええ!

 わしゃ、また、ローズの所に戻って飲み直すワイ

 あいつらにゃ、面白可笑しく話しとくワイ!w」


 え?何?魔力?精力じゃなくて?


「ちょっ、ドムさん、待って・・・」


 バタン!

 虚しく閉まるドア


「さぁ、ヒロさん、ネズミ達が起きる前に、頼むよ!」


 そう言いながら、テーブルに無数の小瓶が用意された・・・


 俺は、持っていたネズミを罠に戻したが、背中に変な汗が流れたのを感じた・・・



ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー


「むぅ!ヒロさん遅いです

 モネさんのお手伝いで、何でローズさんのお店に行くんですか?

 お酒なら、我が家・・・

きゃあーw我が家って言ってしまいました!

 ここでも、飲めるでしょうに!」


 ネグリジェ姿のクリスは、飲んで帰ってくるであろう家主を出迎えようと、水や、消化しやすいお粥のような物(サーヤに教えてもらった)、お風呂の準備などをして待っていた


「あれっ?

 クリスさん寝ないの?」


 トイレに目が覚めたサーヤがやってきた


「いやっ、その、ちょっと喉が渇いたのでお水をと思いまして」


 テーブルの上を見てサーヤは大体察しがついた


「クリスさん、多分、オジサンは人付き合いがいいから、朝まで帰ってこないかも

 だって、ドワーフのドムさんと一緒だよぉ!」

「そっ、そうですね

 ホント、男の人は、お酒が好きですね」

 (もぉ、きっと、ローズさんのお店で、鼻の下を伸ばしてるんですよ!)


 クリスは、諦めて寝ることにした



ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー



 ヤバい!動けない!


 もう、魔力切れたかも!!

 明け方になって、俺は、体が動かなくなるくらいヘトヘトになっていた


「ふわぁぁ

 おっ、終わったかねぇ?」


 ソファーとは言いがたい、荷物だらけの隙間に寄りかかりながら、うたた寝をしていたモネが声をかけてきた


「あぁ、もう、何も出ないぞ!

 全て、超回復薬に俺の魔力を注ぎ込んだからな!」

「おぉ!さすがだねぇ

 早速、実験してみるよ

 っと、その前にご褒美に胸でも揉ませようかねぇw」


 "お願いします"と、言いかけちゃったよ!


「ぐぅ、悔しいけど、反撃する気力もないよw」


「じゃぁ、ヒロさんも一緒に見ててくれよ

 証人が欲しいからねぇ」


 そう言いながら、2匹のネズミを取り出して、両方にコカトリスの毒腺から取り出した液体を1滴垂らした


 ゆっくりと硬化?石化していく


「では、片方には超回復薬、片方にはヒロさんの魔力を注入した超回復薬を掛けていくねぇ」


 両方とも、ホワンっと淡い光を放ち、その後シュワシュワと音を立て始めた


 するとどうだろう、俺が魔力を注ぎ込んだ方の超回復薬をかけた方のネズミが、ムクムクっ!っと、動き出した!


 自分の置かれた状況が把握できずに戸惑っているようだ


 ただの超回復薬を掛けた方のネズミは、前回と同じく毛だけが、柔らかさを取り戻した感じだ


「ヒロさん、これは、凄いことかもねぇ

 あとで、2つの成分を調べるとして、他の・・・例えば

 魔法使いの魔術や魔力、神官の奇跡とかでも試してみたいねぇ」

「おっ!リネンなら、店がやってれば、ローズさんの店にいると思うけど・・・」


 "おお!いいねぇ!"と、言いながら、モネは飛び出して行った


「やっちゃったよ

 アイツ、寝巻き姿だっんじゃないか?」


 でも、ダメだ、もう、起きてられない・・・・・・




 俺は、どれくらい寝ていたんだろう


 ワー!だの

 きゃー!だの

 ガシャーン!だの


 女子達が大騒ぎしてる声と、どかしたり、倒したりしてる喧騒の中、目が覚めた


「ミサさんそっち!」

「キャァ!やめてぇ」

「リネン、イリナの方に追い込むねぇ」


 俺は、作業机に突っ伏して寝ていたようで、足が痺れて立てない


 顔だけ、持ち上げて、何をしてるのか見ていたら、どうやら、ネズミを追いかけているようだ


 名だたる冒険者達が、ネズミに振り回されている姿は、滑稽で、コントでも見ているようだ


 イリナがほうきをフルスイングするたびに、何かしらが倒れ、酷い時には、ガラス瓶が割れているw


 そうこうしていると逃げていたネズミが、作業机を上がってきて、俺の目の前で止まった

 気力のない、起きたばかりの俺を人と認識してないのか、髭をヒクヒクさせて毛繕いをしている


 俺は、ヒョイと両手でネズミを捕まえた


「獲ったよ!」

「チェストぉぉぉぉ!」

 2つの声が同時に発せられた

 目の前に、箒を上段に構えたイリナがいる

 俺、机で寝てたから、足が絶賛痺れ中!


 今までの出来事が、一瞬走馬灯のように!

 って、死んでたまるかぁい!

 と思ったら、俺の脳天に凄い衝撃が走った・・・





 2度目のお目覚めは、どうやら柔らかい所らしい


「目が覚めたですぅ」


 ドタバタと誰かが近づいてくる


「ヒロさん?大丈夫ですか?

 自分が誰だか分かりますか?」


 ミサが心配そうに覗き込んできた


「もぉ、イリナが思っ切り叩くからいけないんだよぉ!」

「ごめんですぅ

 ネズミだけは、苦手何ですぅ」


 ソファーで寝かされていた俺は、ここにあった荷物はどうしたんだろう?などと、考えていると


「ヒロさん、残念な報告だねぇ

 リネンとミサが、頑張ってくれたが、石化を解くには、至らなかったねぇ

 どうやら、ヒロさん特有のスキルか何かかねぇ・・」


 うーん、どうやら、怪我をしてもすぐ治っちゃう不思議な体の特性か何かか?

 先日の炎の猪の時も、俺だけ、炎が体に乗り移らなかったもんなぁ


「なぁ、リネン、ミサ、もう一度、今度はさ

 石化治れえー!とか

 痛いの痛いの飛んでいけぇ!

 って、念じながらやってみてくれないか?」

「へ?そんなんで効果が変わるかなぁ?」


 リネンに聞き返されたが、ちょっと言ってる俺が1番恥ずかしいんだけど、それで、今まで成功してるんだよ!


「そうかぁ、そんな風なやり方もあるのかぁ

 でも、私、石化を解く奇跡は、まだ授かってないから、出来るでしょうか?」

「まぁ、ダメもとでやってみてよ

 それと、今度実験する時は、逃げられないように罠の檻の中でやろうね」


 ・・・・


 残念ながら、結果は同じだったようだ


「ヒロさん、ホント興味深い人だねぇ

 神官の奇跡も使わず、石化を解いてしまう

 そんな不思議な薬を作れちゃうんだからねぇ」

「あのぉ、多分、これって凄い事ですよね

 あんまり知られちゃいけないんじゃないんですか?」


 やってしまった・・・

 またもや、俺は、突拍子もない事をしでかしたようだな


「これ、秘密にしちゃえばいいんじゃない?

 ここにいるみんなで、黙ってればいいんじゃないかな?」

「みんなで、秘密ですぅ!

 ヒロさんが、意地悪したら、バラスですぅ!」


 ぶっ!リネンの秘密はありがたいが、イリナの俺が意地悪って何だよ!


「モネ、やっぱり、これは、大発見かなんかになるのか?」

「そりゃぁねぇ

 フィスさんの時だって、ギルマスが驚いてたの覚えてないかい?

 こんな薬、ヒロさんしか作れないってなったら、悪い奴らに誘拐されるかもねぇ」


 いやいやいや、俺の第2の人生の予定に誘拐や拉致は入ってないよ


「えぇ、ってぇとあれかな?

 俺は、秘密を守って貰うために、この4方に甘いお菓子でも貢げばいいのかな?」

「やったね!

 それと、ヒロさんは、ずっと、私達と仲間って事になるかなぁ」

 

 リネンが、ジトーっとした目つきで言ってきた

 しかし、それくらいの事ならお安い御用だ


「あっ!忘れてた!

 リネン、イリナ!今度、冒険者の村のダンジョンにミサ達と行くから、一緒に行こうよ!仲間だろ?」

「さっきミサさんから聞いちゃったですぅ!

 勿論、行くですぅ!」


 あらら、先に伝わっちゃったか、でも、それでも、嫌な顔1つしないでくれるって嬉しいな


「ちょっと、色々調べたい事と、そうだな、秘密ついでに、何でモネに石化の薬の開発を頼んだか言っておくね

 実は、初めてカミラさんの依頼を受けた時なんだけど」

「あっ、私達も一緒に行った時かな?」


 そう、あの時だ・・・


 確か、薬草を採って野営した時に何処からか声が聞こえてきて、声のする方に行ってみたら、そこは、見上げるほどの崖の下だった


 しかも、声は、地中から聞こえてきた

 まっ、声というか念話だった気がする


 「そしてその声の主は、いつでもいいから助けにきて欲しいって言って、念話が切れたんだ」


「へぇ、いつでもいいって、呑気な話だね」

「悠長に感じますね、罠だったりしないんですか?」


 リネンとミサに言われて、一瞬そうかもと思ったが、やっぱりあの時の念話の声は、嘘を言ってる声じゃない気がする


「まぁ、ヒロさんがそうしたいんならそうすればいいんだろうけど

 それと、石化の薬と何か関係あるのかい?」

「それなんだけど、フィスの時の話だけど、石化になってる時も意識があって、誰かが来るたびに助けてくれぇって伝えてたって言ってたよね?

 だから、念話は出来るんじゃないかなぁと思ってさ」


 ここまで言えば、イリナ以外は、ピンときたようだ


「石化されてるかも?ってわけだねぇ」


 分かってもらえたようだ


「じゃぁ、それと、ダンジョンの村がどうして関係あるんですか?」


 ミサが、もっともな質問をしてきた


「これも、秘密ついでだから、俺の考えを教えるね」


 俺は、マジックバッグから、ダンジョンの地下6Fまでの地図を取り出して、説明を始めた


 あくまで、俺の想定の話だけどね


 モネは、全門外かも知れないが、他の3人はどう思うだろう


「ヒロさんの発想って凄いですね

 地図を見てそのフロアだけじゃなくて、重ねて階層ごと考えてしまうんですね」


 いや、普通じゃないのかな?


「それが、ヒロさんの考え通りなら、随分と規則正しい構造になるけど、そんなダンジョンをこさえた輩がいるってのも面白いねぇ

 どうだいヒロさん、ちょっとその地図を2〜3日貸してくれないかい

 面白いものを作ってあげるねぇ

 そして、その時に、ダンジョンに入るメンツも集めておくといいかもねぇ」


 なんだ、案外モネが1番食いついてるな

 って事は、以外とイリナが、蚊帳の外かな・・・と、イリナを見ると


「はい、覚えたですぅ!

 地下6Fへの最短ルートも覚えたですぅ」

「さすがイリナ!

 ホント、イリナがいると、どこに行くにも迷わないから助かるよぉ」


 なんと、なんと、イリナにそんな才能があったなんて!


「よし、じゃぁ3日後、ここに集まろう

 ドムさんとこには、俺が連絡しておくから

 ミサ、タガートとアイトによろしく伝えといてよ」

「わかりました、任せてください!」


 モネの面白いものを期待しつつ、今日は帰るとしよう


 外に出たら、もう太陽は、真上まで来ていた


 サーヤに怒られるの覚悟で、家路に着いた




 明けて早々にドムさんには連絡を入れて、俺は、ダンジョンでの食事の準備に入った

 現地調達ってのも考えたけど、ダンジョンでは、肉類は手に入りそうだけど、他はそうもいかないだろう


 マジックバッグが、まだまだ、入りそうなんで、まず、おにぎりは200個くらい作っておく、それだけでも、かなりの労力だが、おかずとして、唐揚げやシシカツなどもたらふく作っておく

 サーヤと飯炊き三昧の日々をすごしてる間にも、他の準備もすすめてもらう

 クリス商会の商品

 ニール宅への冷凍庫と冷蔵庫

 ドムさん達の売り物の武具

 勿論、荷車は、特注品を作った

 それらが、大体揃ってきたところで、約束の3日が経ち、みんなでモネの店に向かった


 店に入り、作業場に行くと、前回来た時とは打って変わって、すごく片付いていた、って多分、前回、女性陣が散々暴れたから、片付けでもしたんだろう

 中に入ると、テーブルがあり、中央に何かが置かれていて、それを覆い隠すように布が掛けてある


「集まったようだねぇ

 チョイとイリナ!お茶を淹れるの手伝ってくれるかい?」

「はいですぅ」


 ちょっとイリナの返事に元気がないのは、多分、こないだ部屋をとっちらかしたんでモネにお叱りでも、受けたんだと思う


「ドムさんは、ヒロさんにエールでも出してもらえるかい?」


 ドムさんとライリーにエールを出して、俺は、イリナが持って来たお茶をいただく


「あらかじめ言っとくけど、私は、冒険者じゃないから、ダンジョンなんて行った事ないが、ヒロさんの地図で、試しに作ってみただけだからねぇ」


 と、言いながら、モネがテーブルの布をするりと外した


 圧巻の一言!


 あの地図から、まさかここまで立体的なダンジョンを作っちまうとわ!


 高さは30cmくらいで、地上1Fから、地下6Fまでを同じ縮図で、半ピラミッドのような構造で、通路や部屋の壁は、横から覗けるように、低く作っている


 しかし、これで、俺の推測は、確信に変わった気がする


「薬屋!凄いじゃねぇか!

 案外、細かい事が好きなんだな

 言ってくれれば手伝ったのによ」

「ドムさんに褒められるのは、嬉しいねぇ

 でも、ドムさんに頼んだら、鉱石で作りそうだねぇ」


 ドムさんは、モネの意外な才能に嬉しがっている


「一応、ヒロさんの地図を元に小さなダンジョンって感じで作ってみたけど、下に行くほど、随分と広くなっていく感じなんだねぇ

 こうゆう細かい物は、案外好きなんでね、もっと下もあるんだろ?」

「モネ!最高だよ!

 これなら、みんなに説明しやすいよ

 今後は、この下の階層も作ってもらいたいね」


「おぉ、ここが、こないだ床が抜けてたとこだろ?

 すげぇ、分かりやすいな!」

「じゃぁ、ここが、その前に休憩したところですね」


 タガートとミサが思い出したように指を指しながら話している


「じゃぁさ、ヒロさんの発見した事ってこの地図で分かるの?」


 ナイスアイト君!

 俺は、マジックバッグから、鉄串を取り出した

 それを地上1Fの階段部屋の脇から、地下1Fの階段部屋の脇へ当てがった


「俺は、階段部屋の壁の奥に、こんな感じで通路があるんじゃないかと思うんだ」

「あっ!その串の先って、その下の階の階段の部屋にも繋がって・・・」


 俺の考えに、リネンが答えかけて、多分、みんなは理解した


 各階層の階段部屋は、等間隔ずつずれている


「ほう、なかなかの推測じゃな

 ダンジョン入り口から1Fの階段部屋までの通路がデカいな・・・

 こりゃもしかして・・・」

「ドムさんも気づいた?

 それも、隠し通路が関係あるんじゃないかと思うんだよね」


 みんなの視線が、あるか無いか分からない隠し通路に集まる


「俺は、その通路の先に行ってみたいんだ!」


 みんなが、みんなの顔を見渡して、頷きあった


「こりゃぁ、行くっきゃねぇな」


 おおお!


 タガートの掛け声で、みんなに気合が入った

 読んでいただきありがとうございます、超七玉です

 今回は、調合師のモネに活躍してもらいました

 仕事の合間に書いている為、投稿に波が出てしまい申し訳ありません

 ありがとうございました

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