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異世界で神(娘)と暮らし始めて嫁探し?  作者: 超七玉
サーヤ冒険者になる、ヒロ能力に目覚める
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31、オジサン、こっちの世界で、1歩踏み出す?

31、オジサン、こっちの世界で、1歩踏み出す?



 俺は、レイモンド・ロペス!

 一応、ライフィスの街の代表って事になってる

 10年以上前に、クソオヤジが

「ああ、私達も頑張った!

 私達は、新婚旅行もしてないからな!

 後は、お前に任せる!」


 とか、何とか言って、オフクロと旅に出たはいいが、そのまま帰ってこないのよ


 どう思う?


 まぁ、俺は冒険者をしてたから、結構、顔は広い方だし、何とかなるだろうと思ったけど・・・

 最初の頃は、毎日、問題だらけで何をしていいのやら・・・

 オヤジが育ててくれた役所の仲間達が仕事の出来る人達ばっかりだったから、何とか回ったおかげで、今は何とか平穏な日々を送っている


 まぁ、ゴタゴタ続きだけど、街の運営も上手く?いっててさ

 最近は、所員の仕事ぶりを見回る事が出来るくらいには余裕が出来た


 そんなある日・・・所員の1人が

「南の外周区にベッピン揃いのいい店見つけてさぁ

 しかも、飲み物が、冷たくて美味いんだよ!

 なぁ、今夜付き合えよ!

 飲み物がキープ?ってのが出来て、安く飲めるんだよ!」


 ってな具合で、他の所員を誘っているのを見かけて

 俺も、たまには息抜きがしたいから


「ちょっと、俺も興味があるから混ぜてくんない?」


 ってな感じで、ついつい仕事で病んだ心を癒そうと声をかけちゃったんだよ


「えっ?レイさんも行かれるんですか?

 行きましょう行きましょう!」


 ってなって、所員2人と仕事を終えた後、軽く夕飯を食べ、少しエールも腹に入れ、南外周区に向かったんだ



「ここです!ここです!

 早く入りましょう!レイさん!

 テーブル席が埋まっちゃいますよ!」


 所員の指差した方角には、バラの絵の描かれた看板が、月明かりに照らされていた


「ママぁ!

 テーブル空いてる?」


 所員が、俺の返事を待たずにドアを開けて入って行ったので


「ちわぁ!」

 って、所員に続いて入って行ったら・・・


 あらまぁ!


 結構露出多めの服装の若い娘から、熟女から、5〜6名の女性が


『いらっしゃぁい!』

 と、出迎えてくれた


 運良くテーブルが1つ空いていて、女性の中でも、赤いドレスのような服装の一際美しい女性が、トレイにブランとカップを載せてやって来た


「あら、2日連続とは、嬉しいわね

 たっぷり飲んで行ってよね

 こちらは、新人さんかしら?

 ローズよ、よろしくね」


 ほっぺをつんと突つきながら挨拶されてしまった


 ヤバい、仕事で病んだ心が、一瞬でとろけそうになってしまった


「ソフィ!こっちいいかしら!

 あなた好みのハンサムがいるわよ!

 サービスしてあげて

 あなた達は、説明は要らないかもしれないけど、新人さんがいるから説明するわね

 水と氷は、1瓶銅貨2枚、ブランは色々取り揃えてるわ

 飲みきれなくても、キープは無料よ

 でも、おすすめは、エールね

 多分、この国、いや世界で1番美味しいわよ!

 他の単品の飲み物や簡単なお食事、それと果物なんかは、メニューを見て選んでね

 じゃ、新人さん楽しんで行ってね」


 キープ?何の事だ、しかも、おすすめがエールって、普通こういうお店で、エールじゃ儲からないだろう?


「レイさん、まずは、騙されたと思って、エールを飲んでくださいよ!

 ママ!エール3つ!」

「はいよ

 ソフィ、お願い」


 ソフィと言われた綺麗な女性が、俺たちのテーブルに来るらしい

「あのぉ、私も果実水を頂いてもいいかしら?」


 ビールをカップに注ぎながらソフィさんが聞いてきた


「ソフィちゃん勿論だよぉ!

 ビールはおいらが運ぶから早く座ってよぉ!」


 ヤバい、コイツら結構ここに慣れてるな

 上司の俺に確認もせずに話しを進めてる・・・


「ソフィです、はじめまして

 じゃぁ、乾杯しましょw」


 俺の隣に座ったソフィさんが、カップを掲げた


「カンパァイ!」

 軽くカップをぶつけ合って、俺は、エールを喉に流し込んだ・・・


!!!!!!!!!!?!!


「何だこれ、凄く冷えてて、メチャクチャ美味い!」

「でしょぉ!

 ここのエールは、最高なんですよ!

 他の・・・例えば、ブランや果実酒も、色んな割り方で、氷を入れてかき混ぜて飲むと、もう、たまんないですよ!」


 確かに・・・ちょっと待てよ!

 最初にママさん(ローズ)が、氷と水が何とかって言っていたな

 氷ってそんなに簡単に用意出来たっけか?


「そっソフィさん!

 ここの氷って、そんなにあるの?」

「キャッ!!」


 俺は、あまりの驚きで、思わず、ソフィさんの両肩を掴んで問いただしてしまった

 ちょっとりきみ過ぎた!

 ハッとなって手を離そうとしたら


バッチィィーン!


 頭を何かで(はた)叩かれた


「ちょっと新人さん、ここは、そういうお店じゃないよ!

 それにね、あんたらが、役所の安月給で、沢山エールやお酒が飲めるのは、ヒロさんって人のお陰なんだよ!

 それにソフィは、いや、この店の、いや、この辺りの女達は、みぃんな、ヒロさんって色男の物なんだ

 好き勝手するなら出てってもらうよ!」

「ちょっ、ローズさん違いますよ」


 なっ、ママさん(ローズ)にいきなり怒られてしまった

 ソフィさんが、止めてくれて助かった


「ママさん!

 ごめんごめん違う違う!

 レイさんは悪い事してないよぉ!

 それにレイさんは・・・」

「ホントかい?

 てっきり、ソフィにみだらな事をしようとしたんじゃないのかい?」

 

 しまった、俺とした事が、あまりのエールの旨さに我を忘れてしまった


「すまないママさん

 あまりのエールの冷たさと旨さで、びっくりしてしまいソフィさんに失礼な事をしてしまった、申し訳ない

 もし、怪我などしていたら、慰謝料でも何でも払うよ

 私は、レイモンド・ロペス、逃げも隠れもしないから、許してくれないか?」


・・・・・・・


『ええええええ?』


 店の中にいた、全員が、驚愕の声を上げた

 隣のテーブルで、飲んでた男は、ソファから崩れ落ちている


「新人さんが、レイモンド・・・?

 あのレイモンドさん?

 嘘でしょ?何で、こんな外周区で飲んでんのさ

 ええ、もう、アタシ、街の代表を叩いちゃったじゃないのさ

 あわわわわわ・・・」

「イヤイヤ、俺が悪いんだ

 気にしないでくれ、ローズさんw

 それに、せっかく楽しんでいたのに申し訳ない

 安月給で申し訳ないw

 今日は、俺が全部払うから、みんな好きなだけ飲んでくれ!」


『いやったぁぁぁ!』

「さすがレイモンドさわん!」

「よっ、レイさん!色男!」


「あらやだ、いいのレイモンドさん?」

「あぁ、構わないよ

 でも、その代わりにさ、この氷の件や、そのヒロさんって人の事を今夜は、聞かせてくれないかな?」


 俺は、氷を店で簡単に出せる事、そして、そんな事をする店のママさんや女性達をとりこにする人物に興味が湧いてしまった


 店のママのローズさんは、ヒロさんと言う人物の話しを始めたら、止まらなくなってしまった


 今日は、長くなりそうだぞ・・・・


ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー




「ちょっ、ちょっと待ってよ

 なんで、街の代表が、俺の名前を知ってんの

 それに、俺が冷たい飲み物を持ってるって・・・」


 なんなんだ?街の代表に名前を知られてるって、俺、何かしたっけ?


「イヤイヤ、唐突過ぎたね

 石化していたエルフを助けてくれたんだろ?

 フレッドから聞いたよ

 それと、先日、ひょんな事から、ローズさんの店に行ったんだ

 それで、ヒロさんの事を色々聞いちゃってね」


 そうか、フィスの石化は、この街の初期に起きた事で、当時の街の代表も絡んでたみたいだしな

 伝えられているんだろう


 でも、そんな街の代表が、なんで、外周区の店なんかに行くんだよ!ったくぅ

 まぁ、バレてちゃ仕方ない


「もう、果実水くらいしかないけど・・・」


 俺は、そう言いながら、レイモンドのカップに水筒の果実水を注いだ


 レイモンドは、カップの果実水を一気に飲んだ


「コレコレ!

 この冷たさ!

 その水筒に氷を入れてるね?」

「はぁ、良くご存知で」


 レイモンドは、なんでも知ってるぜ!見たいな顔で俺の顔を見ている


「条件はこれ!

 この氷をなんとか、沢山作りたいんだ!

 それと保管方法も知りたい!

 これがあれば、街をさらに発展させる事に繋がりそうなんだ!

 それに協力してくれるなら、お嬢さん達の件、全て、俺の責任ですぐに対処させてもらう!」


 はぁ?

 話がメチャクチャすぎるぞ!


 いや待てよ、レイモンドは、どこまで知ってるのかな?

 俺の鋼材を練ったりする能力まで知ってるのかな?

 どうする?これは、まだ、心の許せる仲間にしか教えてないぞ


「レイモンドさん、氷が作れればいいのかな?」

「レイと呼んでくれて構わない

 そうだなぁ、氷が、必要な時に好きなだけ使える環境にしたいんだよなぁ

 ヒロさんは、どうやって氷を作って、また、あの不思議な箱は、どうなってるんだい?」


 ははぁん、俺の事はあんまり知らないんだな

 ローズさんは、詳しい話はしてないんだねw

 それじゃぁ、ローズさんは、俺の何を話したんだろう?そっちの方が気になるよ!


「レイ、俺の事も呼び捨てでいいよ

 氷なんだけどさぁ、魔法が使える人なら、誰でも、水を氷に出来ると思うんだけど

 その保管方法なんだよね

 でも、これはまだ、試作品で、もし、売りに出すなら、テイラー商会を通して欲しいんだよね

 俺、一応、テイラー商会の代表のクリスとパートナー関係なんで」

「確かに、実際の水を魔力で凍らせて氷にすればいいのか?

 そうすれば、実体があるからな・・・

 んで、保管方法は、秘密か・・・

 そして、そのパートナー関係ってなんなんだい?」


 そうだった、パートナー関係ってクリスに明確化してもらうように頼んでいたけど、まだ、具体化してないよな・・・

 上手く説明できるかなぁ


「パートナーって、まぁ、お得意さん同士で助け合う感じかなぁ

 ギルドがある限り、依頼や注文を無視した行動は出来ないけど、パートナー関係になってれば、少ない取引なんかで苦労している、小さいお店とかも救えるんじゃないかと思ってね

 冒険者の村が、その逆で、一握りの人たちが儲かる仕組みで、それで大変な事になってたしね」

「そうか、ヒロは冒険者の村に行ってたのか・・・

 ハリーさんがいた頃は、オヤジからは、ハリーさんに任せておけって言われてたけど、亡くなってしまってからは、ダメだっかぁ・・・」


 まぁ、冒険者の村での事は、ギルマスには報告しようと思っていたから都合が良かったかな?


「分かった、冒険者の村での件と含めて、後で、クリスと役所に来てくれるかい?

 あっ、勿論、冷たい飲み物も持って来てくれよ!」

「分かった、近いうちに伺うよ

 って、エレノアの件はどうなるんだ?」


 さっきから、自分の事はどうなるのだろうと気が気でなかっただろうエレノアの事を確認する


「勿論、歓迎するさ

 て言うか、こちらの不手際で、辛い思いをさせてしまったはずだ

 フレッド!お嬢さん達に失礼のないように頼むよ」

「分かった

 エレノア、ギルドの長として謝罪をさせてくれ

 すまなかった

 後で、ブレンダにも謝罪をしたいから、都合を付けてもらえると助かる」


 やはり、街やギルドの代表ともなると人間が出来ているんだな

 謝罪をされたエレノアは、若干目を赤くしていた


「良かった

 姉貴にいい報告が出来る

 ヒロさん、レイモンドさん、ギルマスさん、ありがとう」

「ところで、エレノアにチョッカイを出した奴ってどこに居るの?

 ちょっと、仲間として許せないんだけど」


 俺は、蒸し返すつもりは無いが、ちゃんとソイツからエレノアに謝罪をさせたかった


 しかし、レイとギルマスが少し目を合わせたと思ったら


「ソイツには、キチンと対処してある

 反省もさせたし、今後、絶対、エレノア達の前には姿を現さないと思う

 だから、深く詮索しないで欲しいな」

 ギルマスが、含みを持たせた言い回しをした

 多分、もう、ソイツは・・・


「分かった

 エレノアは、それでいいかな?」

「うっ、うん、この街に滞在できるんであれば、昔の事は、忘れる」


 "助かる"と、ギルマスが、エレノアに再度、頭を下げた


 気を遣ってくれて、先にレイが、外に出てくれた事により、人だかりは、レイに付いて行った


 俺達は、目立たないように門を出て街に入る事が出来た


 そして、その足で、冒険者ギルドに行き、エレノアのギルドカードを作ってもらった

 って、いきなりCランクってずるくないか?


「いや、あの村の事は、時折戻ってくるジムさんから聞いてるし、エレノアはこのランクでも低いかもしれん、しかし、これ以上のランクを与える事は、いくらレイから言われても、ギルドとしては、不可能なんだ

 勘弁してくれ」

「そんなギルマスさん、ここまでしてもらえただけでもありがたいです

 姉貴にも落ち着いたら来るように伝えておきます」


 "よろしく頼む"と、ギルマスにギルドカードを貰い、ギルドを後にした



 ゆっくりしたいところだが、街の代表からのお願いを受けてしまっては仕方ない

 報告がてら、まずはクリスに会いに行くとしよう


 あっ、それと


「なぁ、2人は、この街にいる時は、うちに泊まる感じでいいのかな?」

「えっヒロさんちに?

 私とエレノアちゃんが行ってもいいの?」

「わっ、私は・・・ヒロさんなら・・・」


 あれ?なんか、2人とも、顔を赤くしてる?


「イヤイヤ、ちゃんと空き部屋はあるし、サーヤと同居してるから、安心してよ」

「そっ、そうなんだw」

「はっ、私は、てっきり・・・w」


 やばい、何気なく持ちかけた話だけど、よくよく考えると、こんな若い達と1つ屋根の下ってのも、なかなかの状況かも・・・


 いかんいかん!話題を変えよう!


「それと、今回は、クリス商会の依頼の仕事なんで、ちょっと、報告を先に済ませていいかな?」

「勿論!」

 エレノアの元気な返事を受け、一路テイラー商会に向かう



「ただいまぁ!」


「待ってたぜヒロ!大丈夫だったか?」


 どうやら、一足先に報告を済ませたらしいタガートが、商談用か何かの席に座って寛いでいた


 店の奥から、何かが飛び出して来たと思ったら、俺の周りをぐるぐる周り始めた


「きゃぁ!何ですかこの裂け目は!!

 怪我とかしませんでしたか?」


 クリスだw


「オーガーに吹っ飛ばされたらしいよ!」

「え?大丈夫何ですか?

 早く手当しないと!」


 ダメだ、クリスは、ダメダメモードになってる


「クリス大丈夫だよ

 ホラ!」

 と、中に着込んでいるミスリル製の鎖帷子を見せた


「良かったぁ

 ヒロさんにもしもの事があったら、私・・・」

 クリスは、その場にヘナヘナと座り込んでしまった


「おかえりなさいませ

 サーヤ・・は、色々支度があるかと思い、一旦、帰らせました

 ささ、お連れ様も、立ったままでは、ゆっくり出来ないでしょう

 こちらへどうぞ

 こら、タガート!用が済んだら、ニールの手伝いでもせんか!」

「痛っ!

 へいへい、アイト!手伝ってくれ」

 "ほーい!"と、アイトが、立ち上がる


 どうやら、ミサは、ライリーを送って行きながら帰ったらしい


「改めて、今回の依頼、ご苦労様でした」

 席に座ると、クリスからねぎらいがあった


「大体の報告は、ニールから聞いてるかな?

 こちらは、エレノアとアリアだ」

「初めまして

 今度、冒険者の村の代表になったブレンダの妹のエレノアです

 今回は、ニール殿をはじめ、テイラー商会の皆さんに、私達・・・いや、村を救っていただき

 本当にありがとうございます」


 エレノアが、一度座ったのに、再度立ち上がり深々とお辞儀した


「いえ、そんな、かしこまらないでください

 ニールは自分の仕事をしただけです

 多分、ヒロさんをはじめ、今回、護衛の依頼を引き受けてくれた冒険者の皆さんのお陰ですよ

 それと、ニールからは報告を受けてます

 これからテイラー商会は、全面的に冒険者の村の運営に関わるつもりですので、どうか、これからよろしくお願いします」


 さすがクリス、こういった時の対応が素敵だね


「アリアです

 こちらの街で鍛治をしているドムさんの兄のジムさんと行動をしています

 ジムさんも来たがっていたのですが、しばらくは危険因子の監視の為、村に残ってますので、代わりにご挨拶に伺いました」

「ニールから伺ってます

 ジムさんがクリス商会に全面的に協力していただけると聞き、感謝の言葉も見つかりません

 次のタイミングにでも、私の方から伺い、ジムさんとブレンダさんにご挨拶しようかと思います」


 代理人2人との挨拶だが、間違いなく、テイラー商会は、冒険者の村の中心的存在になっていくだろう


「はぁ、良かったぁ

 姉貴が、無理矢理ニール殿を担ぎ出した感じだったから

 でっきり、クリスさんに怒られるんじゃないかと、内心ヒヤヒヤしてて・・・」


 エレノアが、ふぅぅっと息を吐きながら、ソファに沈み込んだ


「確かに、あれは、かなりの鬼嫁・・・言い方間違えたw

 姉さん女房になるんじゃないか?」

「ほぉ!それは、父親としては、嬉しい話題ですな」


 俺の口の悪さが出てしまったが、ちょうど、飲み物とお菓子を持って来てくれたルイスから、笑顔が溢れた


「そうなんですか?

 ニールとブレンダさんがそのような仲なのですか?

 ルイス!これは、早めにご挨拶に行かないといけませんね」


 ホント、クリスは極端だなぁ

 でも、間違いなくあの2人はお似合いだろう!


「あぁ、オジサン解放されたのぉ?

 おかえりぃ!」

「あれ?帰ったんじゃないのか?

 ちょうど良かった紹介するよ

 冒険者の村のエレノアとアリアだよ」


 サーヤは、大体の支度が終わったらしく、俺の顔を見に来てしまったらしい

 ちょうど良いタイミングだったんで、紹介しあった


「そうだ、2人が、この街にいる間は、宿屋代も勿体ないから、うちに泊まってもらおうかと思うんだけど、いいかな?」

「ええ?そうなのぉ?

 賑やかになっちゃうね

 なら、もう少し食材足さないといけないよぉ」


 エレノアとアリアが申し訳なさそうにしている


「じゃぁ、買い出し行ってくるね

 好き嫌いとかないかなぁ?」

「え?そんな、泊めてもらうのにそのようなわがままは言わないですよ」


 アリアが、感謝を述べる


 さすが神!神対応とは良く言ったもんだな!ナイスサーヤ!


「サーヤ、何なら、買い出しがてら、街を案内してやってよ

 俺も、終わったらすぐ帰って手伝うからさ」

「分かったぁ

 じゃぁ、エレノアさんアリアさん、準備が出来たら行こう!」


 サーヤ達を見送って、クリスの方に向き直ると、ちょっとオーラのような物を出しながら、クリスが俯いている


「・・・めるんですか?」

「はい?」


 ちょっと聞き取れなかったんですけどぉw?


「お2人を泊めるんですか?」

 と、いきなり睨まれた!


「ヒロさんは、あのお若いお2人と、1つ屋根の下で、あんな事やこんな事・・・、私と言う者がありながら・・・」

 なんか、目がメラメラしてるような


「こほんっ!」

 ルイスが、咳払いをした途端に、クリスがハッとなって


「あっ!

 もう、ヒロさんは、私以外の方には、随分と優しすぎると言うか、そのなんて言うか・・・」

「イヤイヤ、ニールから聞いてるかと思うけど、冒険者の村では、冒険者が大変な思いをしてたんだよ

 うちなら無料ただだしさぁ」


 俺が、2人を泊める理由を言ってはみたが


「ならば、それこそ、ヒロさんが最初に泊まっていたホテルをご用意しましたのに・・・」

「それでも、余計な経費がかかっちゃうだろう?

 勿体ないじゃんか」


 "でも・・・"と、言い淀むクリス


 あれっ?

 なんか、こんなやり取り、昔したような・・・

 何故か、そんな記憶があり、思い返していたら


 はっ!そうだ!

 結婚したての頃、金銭の事でママ(奥さん)とよく言い合ったなぁ

 交際期間にはそんな事はなかったのになぁ


 結婚当初の俺が、今のクリスのような感じかなぁ

 俺は、浪費家ってわけじゃなかったけど、多少お金が掛かっても、ママの負担が減るならいいじゃんか?的な考えだったんだけど


「これから、家族が増えたら出費も増えるんだから、ちょっとの苦労で済むなら、節約しようよ!」

 って、良く言われたわ


 ハハハっ、そのお陰で、今の俺があるのかなぁ


 そんな事を思い出しながら、熱く喋るクリスを見ていた


「なぁクリス!

 なんなら、その間はクリスも一緒に生活すればいいんじゃない?

 結構、気合い入れた部屋があるじゃんか?」

「えっ?はいっ?いいのですか?

 ヒロさんと同棲してもいいんですか?

 それって、もしかして、アレですか?」


 "コホンッ!"と、またもやルイスの咳払いw


「クリス様!

 クリス様は、テイラー商会の代表ですよ

 ヒロ様が帰ってきたのですから、こちらの屋敷に戻って来て頂かないと困ります

 それに、旦那様でもない方と同棲は、このルイスの目が黒いうちは、許しませんよ!」

「ふぎぃっ!」


 はははっ、クリスもそんな悔しい変顔するんだw

 にしても、ルイスはクリスには厳しいんだな


「そうだ!クリス!

 大変な事を忘れてたよ

 街に入る時に、ちょっと揉めたんだけど、街の代表のレイモンドさんてのが、取り持ってくれたんだけどさぁ

 ちょっと条件を出されちゃって・・・」


 ちょうどルイスも居るので、今回、レイにお願いされた

・氷の製造

・氷の保管(保冷)

 これを出来る様にして更なる街の発展に繋げたいとお願いされた事を説明した


 俺特製の"冷え冷え箱(仮)"は、まだ試作段階で、ここクリスのお店、うち、ローズさんの店、ドムさんの店で、試しに使っている状態だ


「なぁクリス、俺としては、材料の魔鉱石があれば箱は作れる

 ドムさんがいれば、構造だって工夫できそうだ

 あと、魔石だけど、箱の大きさに合わせて、必要な魔石の大きさも変わってくると思うけど、ダイヤと魔物の討伐に行ったり、冒険者ギルドに頼めば、手に入りそうかな?

 だけど、俺は、これを売り物にするなら、テイラー商会で取り扱った方がいいと思うんだよね

 ってか、かなり、儲かると思うんだ

 だから、クリスに任せようと思うんだけど」

「ちょっ、ちょっとヒロさん!

 あの箱は、かなり価値ある装置であって、ヒロさんが考案された物です

 ヒロさんが、ご自分で作って、売る

 もしくは、作り方をレイモンドさんに譲渡するのが普通かと思いますが・・・」


 そうかぁ、でも、あの箱は、俺のスキル?があるから作れる物だしなぁ

 ドムさんには、あまりスキルの事は人に教えるなって言われてるし・・・


「クリス・・・

 俺のこのスキルの事は、あまり広めたくないんだ

 だから、冷え冷え箱については、俺とドムさんが制作サイドで、テイラー商会で、買い取り、受注販売の形がいいと思うんだ

 そうすれば、俺やドムさん、そしてテイラー商会も儲かるだろ?」

「ヒロさん・・・」


 クリスが驚きの顔をしている


 "失礼ながら"と、俺とクリスの間に入って来たルイス


「ヒロ様には、"欲"と言うものはないのですか?

 普通の商人なら、そのような考えはせずに、自分が儲かるように事を運びますものを・・・

 まったく・・・困ったお方だ

 クリス様!覚悟を決めなされ

 あの箱だけで、勝負をしても、一生遊んで暮らせるだけの富みを産む事でしょう

 それをクリス様に任せるとヒロ様は仰っておるのです

 なんなら、ヒロ様との同棲も、このルイスは目を瞑りましょうぞ!

 さっ、さぁさぁさぁ!さあ!」


 ちょっと、ルイスさん?

 あなた、さっきと言ってる事が違くないですか?

 それに、そんなに儲かるのかなぁ?

 俺、交渉とか面倒くさいから、ドムさんとチマチマ作って、後は、クリスに任せちゃおうってだけなのに・・・


 それと、なんか、クリスを俺にくっつけようとしてませんか?


「分かりました!

 ヒロさんと同棲する為に!

 あっ、やだw

 じゃなくて、ヒロさんの為に、冷え冷え箱の販売は、私が・・・いや、テイラー商会が、責任を持って取り扱います!

 勿論、製作方法は、極秘にしますが、材料の入手などで、レイモンドさんと交渉させてもらおうと思います!」


「おっおう!ありがとうクリス」


 まっまぁ、元々俺はエンジニアだから、創る側がありがたいんで、WinWinだね


「ならば、いつでもいいとは言ってたけど、日付を決めて、レイモンドに会いに行こうよ」

「それならば、1つご提案が!」

 ルイスが、メガネをクイッと持ち上げ、ニヤリとしながら話し始めた


 ・・・・・


 おっ!いいねぇ!

 そりゃ、レイも喜びそうだ


「よし、箱の方の材料は、まだまだ、余裕があるから、製作は、俺とドムさんでやっとくから

 中に入れる物の方は、クリス頼むね!」

「お任せください」


 よぉし!面白くなって来た!


「じゃあ、今日のところは帰るね

 ニールによろしく!」

「はい!

 仕事を片付け次第、夕食のデザートでも買いながら、向かいます

 今日から同棲、よろしくお願いします」


「はっ?」・・・


 ええええええええ?


 そうだった、ルイスのお墨付きの同棲だw

 イヤイヤ、単なる同居、気にしない気にしない・・・


 いんや、気にるがな!


 まずは、風呂でも入って汗を流そうと、逃げるように帰った



 家に着くと、まだ、サーヤ達は帰っていなかったので、荷物を置いてから(マジックバッグのみw)、風呂とシャワーの段取りに取り掛かる


 俺はあの村で、かなりの湯を沸かしたので、今じゃ、ながら作業でも、お湯は作れちゃうレベルだぜ!

 そうだ、村のシャワーは、ニールの新屋敷に移設したけど、今は、誰かお湯を作ってるのかな?

 まっ、冒険者の村ってくらいだから、魔法使いくらいジムさんやブレンダの知り合いに何人かはいるだろう


 シャワーのお湯、そして湯船にお湯を張り終えたところで


「ただいまぁ!」


 ちょうど、サーヤ達が帰って来た


「おかえりぃ」

 と、返事をしながら、出迎えると、3人とも荷物を持っていたので、それを受け取り


「サーヤ、お風呂の準備は出来てるから、お2人に空き部屋を案内して、順番に入っちゃって」


 食材を台所に運び込みながらサーヤにお願いする


「分かった!

 お部屋はもう案内してあるから、大丈夫だよ

 じゃぁ、エレノアさんアリアさんお風呂を説明しちゃうね」

 "やったぁ!""先に入ってもいいの?"

 アリアとエレノアがサーヤについて行く


 サーヤがあらかじめ支度してくれていた鍋を覗き、必要そうな食材を確認し、準備していたら、サーヤが戻って来た


「お湯が冷めちゃうから、2人で入っちゃうってw

 あの2人は凄く仲がいいんだよぉ」

「ああ、そういえば、移動中も、ずっと喋ってたなぁ

 そうだ、俺がいない間は、変わりなかったか?」


 切った食材をサーヤに手渡す、サーヤが鍋に入れる、なんか自然な流れで出来ちゃってるけど、これも、神であるサーヤと転生してきた俺との共通の秘密保持者って間柄で、距離感が近いのかな?


「何も無かったよw

 まぁ、クリスさんの素の姿は一杯見れたかな?」

「なぁんか、少し予想できるなw

 そうだ、ひょんな事から、クリスはそのままここで暮らす事になっちゃったよw」


 "ええええ?!?!"

 サーヤが、目をパチクリさせて見上げてきた


「本当?

 じゃぁ、クリスさん、相当喜んでるんじゃない?」

「あぁ、スイーツを買って参上するってさ

 色々あって、ルイスの後押しがあってね・・・」


 ついさっきの事なんだが、思い出したら、変な汗が出てきたよ

 俺も、夕飯前にひと風呂浴びようかなw


「ほら、門で揉めてたろ?

 あの後、この街の代表とか現れてさ、なんだかんだで、この冷え冷え箱を商品化する事になりそうなんだ」

「へぇ、冷蔵庫を売り出すんだ!

 凄いね、パっ・・・オジサンはw」


 冷蔵庫?そうだよ、前にいた世界では、冷蔵庫は当たり前の存在だったんだな

 ホント、こっちは、電気製品を始め、当たり前に使ってた物が無さすぎるよな

  ん???


「なんだ、神も冷蔵庫は知ってるのか?」

「そっ、そりゃ、オジサンの世界も見てたんだから、知ってるに決まってるじゃん!」


 そりゃ、そうだ!

 サーヤは、元の世界によく遊びに行ってたらしいからな


「なら、話が早いな

 この冷え冷え箱にあって欲しい、機能とかあったら、後で教えてくれよ

 試作品を持って行く時に、"アッ"と、驚く感じにしたいんだよ」

「うーん、アレは?

 自動で氷が作れちゃうヤツとかは?」


 っかぁ!それがあったか!

 コイツ、まじですげえなあ!

 神ってなんでも分かってんじゃねぇか?


「それ、いいな!

 でも、かなり難しそうだなw

 でも、ありがと、ちょっと考えてみるわ」


 それから、短い時間だが、お互いの出来事を話しながら、料理をしていたら


「サーヤちゃんありがとう

 サイコーだったぁ!」

「村でのシャワーも良かったけど、お風呂は格別だぁ!

 ヒロさんありがとー」


 おっおう!お礼は、嬉しいが、あのね?チ・ミ・タ・チ

 ダボシャツみたいな、それは部屋着なの?ねぇ?

 おかしいでしょ、目の前に男性がいるのに、ダボシャツ1枚って?

 アリアくん、君は、普段黒装束で、隠してる物が、隠しきれてないのよ!

 なんなの?デザートのメロンでも首から下げてるんですか?


 エレノアは、普段の防具の方が、露出エリアが多かったけど、その、あれだ、そういう格好は、気を許した相手の前でするもんであってだね・・・


「オージーサーンー!

 手が止まってる!

 口が空いてる!

 鼻の下が伸びまくってるよ!もぉ!」

「あっ、いや、すまん

 しばらく免疫なかったんで・・・

 あれだ!

 明日、リリスの店に行って、ちょっと部屋着でも見繕ってもらおうよ

 こんなんじゃ、目のやり場に困る」


 "ええ?これが部屋着なんだけどなぁ"と、アリアが口を尖らす


 本当は、俺も風呂に入りたかったけど、ちょうど料理が出来たんで、晩飯にする事に

 料理と言っても、肉と野菜のシチューと、豚肉のステーキを塩で、後は、アキコマの村の固めのパンをちょっと焼いて柔らかくしたもの


『いただきます』


 ふぅ、やっぱり家がいいね

 サーヤと2人で料理してる時も会話は尽きなかったが、テーブルで食事しながらだと、人数も多いし更に会話が増える

 

 俺にとっては、目の前に薄着の女のが2人も居るもんだから、本当に目のやり場に困っちまう


「ねぇねぇ、サーヤちゃんって何の獣人なの?

 頭の耳以外は、普通に人間にしか見えないけど」


 アリアが不思議そうにサーヤの頭の耳を見ながら質問していた

 確かに、俺も、その辺の事は、マルっと気にしてなかった

 だって、神だからね、種族とか云々より、神だしね


「あっ、アタシは、猫系なのニャー・・・

 たっ、多分、おじいちゃんとか、そのおじいちゃんとかの先祖に獣人がいたんだと思う

 実は、コレも名残りみたいな感じで、癖っ毛なんだよー

 耳は、こっち」

 と、顔の横の耳を指でつつきながらサーヤが言う


 ええええ?マジで?

 俺が初めて見た時は、くっきりはっきり猫耳が頭の上にあったような・・・

 まっ、まぁ、獣人だろうが、なんだろうが、俺をこっちに転生させてくれた神様に変わらないけどな


「へぇ、じゃぁさ、スキルや身体的な能力は、何かあるの?」

 豚肉のステーキを頬張りながら、エレノアが聞く


「う・・・んとね。何も無いよ!

 魔法も使えないし、剣や武器も使えないし・・・、戦闘とかもできないって言うか、したくないかなぁ」

「それで、いいんじゃないか?

 俺だって、戦闘なんて全く出来ないし、採取やお手伝いのクエストをこなしていこうよ」


 俺は、一応、サーヤの保護者的な設定にしてるけど、やっぱり大人として、サーヤのような子供に危険な事はさせたくないと思っている

 だから、サーヤの出来る範囲のクエストをしていけばいいと思ってる

 多分、自分が初めて転生させた俺の事をしばらくは傍で見ていたいんだろうから、俺も、それに付き合おうと覚悟は決めている


「えっ?

 今の話しの内容だと、サーヤちゃんも、冒険者なの?」

「うん、そだよ

 オジサンだけの収入じゃ、贅沢出来そうにないから・・・」

 と、ジトーっとした目線を俺に送るサーヤ


「イヤイヤ、結構、なんだかんだで稼げてないか?」

「ひっ、ヒロさん!

 それなら、こないだのダンジョンで、スケルトンの骨やオーガーの牙や爪やら、崩れた壁の魔鉱石やら、結構色々持ち帰ってますよね?

 とりあえず、あれを売れば、生活の足しに・・・」


 アリアが、心配してくれたが、"全然大丈夫だよ!"って答えておいた


 しかし、アリアのお陰で、思い出せた、明日は、リリスとモナの所に顔を出そう!


「たっ、ただいまぁ!」


 と、突然大きな声で、クリスが入ってきた


「あはっ、おかえりクリスさぁん!」

「サーヤさん!これからも、一緒に住む事になりましたよぉ!

 今日は、スィーツで、私の引越し祝いをしまっ・・・

 ちょちょちょっと!

 エレノアさんアリアさん!なんて破廉恥ハレンチな格好をしてるのですか?

 まさか!?

 ヒロさんを誘惑して・・・」


 ヤバい、クリスの妄想モードが始まっちゃったよ


「いや、準備してないだけでさ、明日、リリスの店に部屋着を買いに行くからさ、多めに見てよw

 それより、夕食は済ませたの?

 もし、まだなら一緒に食べようよ」

「分かりました

 いえ、夕食は、あちらで店の者達と済ませてきましたので、お茶の準備をしますね」


 ふぅっ、落ち着いてくれた

 エレノアとアリアにとっては、今後は、色々とお世話になる予定の相手だから、服装の事を言われ、ドギマギしながら様子を伺っていたので、少しホッとしている


「クリス、なんなら、風呂出来てるから入ってきてからでもいいんじゃない?」

「はっ!(ニヤリっ!)

 そうですね

 ヌフフ、分かりました!」


 なんだろう、一瞬クリスの目がキラーンって光ったような・・・


 しばらくして、夕食も食べ終わり、女性陣が食器の片付けをしていると


「ふぅ、いい湯でしたぁ」


 あちゃぁ、クリスくん!何かしら企んでいるとは思ったけど

 それは、ネグリジェって言う、寝巻きなんじゃないですか?


「ひゃぁ、クリスさんエッチすぎぃ!」サーヤ

「素敵ぃ!クリスさん触らせてぇ!」アリア

「クリスさんこそ誘惑してるでしょぉ!」エレノア


 クリスも2人に負けまいとセクシーに攻めて来たんだと思うけど、逆に他の女性に囲まれてしまい、急に恥ずかしがっている

 ってか、これ絶対に標的は、俺?だよ・・・な?


「じゃぁ、クリスさんお茶にしようよ!

 ホラ、オジサンの隣に座ってさ!」

 サーヤに勧められるがままに、俺の隣に座らされるクリス


「えっ?あっ、いや、そんな!

 ヒロさんあまり見ないでくださいね」

 はっ?ってか、見られて恥ずかしいなら、そんな淫らな格好しなけりゃいいのにw


「うわぁ、お似合いですね」アリア

「もぉ、じゃぁ私はヒロさんの前に座ろ!」エレノア


 やべぇ、テーブルの向かいにはダボシャツツンツンエレノアと、デカメロンアリア、隣にはネグリジェのクリス!

 なんだ?俺は、時間制の夜の飲み屋にでも来ちまったのか?


「クリスさん!がんばれぇ!」

「もぉ、サーヤさん、そんなにいじめないでください!

 ヒロさん、本当にお疲れ様でした

 エレノアさん、アリアさん、これからよろしくお願いします

 親交を深めるには、スィーツを食べながらが1番かと思いますので、どうぞ召し上がってください」


 おっ、フルーツタルト?それとケーキ?こりゃまた、美味そうだな


「わぁ、甘ぁい香りが既に美味しそうw」

「いいの?クリスさん?」


 アリアもエレノアも目がハートマークだよw

 そうだよな、甘い物はみんな好きだもんな

 よし俺も遠慮なく、パクッ!


「うめぇ!思ったほど甘すぎなく、果物は、めっちゃあんめぇ!

 最高だよクリス、ありがとう」

 俺は、味わいを噛み締めゆっくりと飲み込む、次のケーキに手を出す前にクリスが入れてくれた紅茶を飲む


 クリスが、俺の空いたティーカップに、めちゃくちゃ嬉しそうな笑顔を浮かべながら、紅茶を注いでいる


「ちょっとぉ、ヒロさんとクリスさん、凄くお似合いなんだけどぉぉ!」

「だねぇwエレノアちゃんの入るスキマ無さそうだねえ」

 "ちょっとぉ!"エレノアとクリスからツッコミが入る


 それから、お互い寝巻きってこともあり、気が緩んでるのか、女子トークが盛り上がってきたので、サーヤには申し訳ないが先に風呂に入る事にした


「サーヤ、先に風呂に入っちゃっていいか?」

「うん、いいよぉ!」


 3人に挨拶して風呂に入る事にした



「ふひぃぃぃぃ!」

 やっぱり、風呂に浸かると疲れが取れていく気がするよ


 しっかし、行った先、行った先で、出会うのが、絶対女性の方が多いのは、これも、サーヤのイタズラなのか・・・

 どうやら、何人かの達からは、こんな中身が51歳の俺に好意を抱いてもらってるように感じる

 ってか、クリスが、ガンガン攻めて来てるのは、よく分かる

 分かるからこそ、ホント申し訳ない


 これは、本当に俺に第2の人生を楽しめと天がくれた機会なのか・・・


 でも、違った世界にてんせいし、外見や体力が若返り、変わったスキルが身についたとしても、心の中は、以前のままなんだよなぁ


 俺、この家で、あんな素敵な達に囲まれて、理性を失わずに居られるかな・・・?


 無理だな、いつか、間違いを起こしちまうよ


 あぁ、どうしたらいいんだぁ・・・


 ブクブクブクっ、俺は湯船に顔を沈めて、考えにふける



ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー


 もう、せっかくのチャンスなのに、クリスさんは、世話が焼けるんだからぁ・・・

 パパの事が好きなら、服装だけじゃなく、もっと積極的にいかないと、他の人に先越されちゃうよぉ!

 って、リネンちゃんにも吹っ掛けてたかもw


 


 パパも、さっきの様子じゃ、クリスさんのパジャマに面食らって、お風呂に逃げ込んだなぁ!もぉ!


 多分、慌てて行ったから、着替えとか持って行ってないんじゃないかなぁ、もぉ!



 ホラやっぱり


「オジサン!着替え置いとくよ!」


 !!!

「おっおう!わりぃな」


 何がわりぃな!よ!服も脱ぎっぱなしでぇ!

 なぁんかいつもと違うなぁ


「なぁ、サーヤ」

「なっなに?」


 びっくりしたぁ!

 心の声が聞こえちゃったのかな?


「俺・・・

 こっちの世界で、ホントに第2の人生を楽しんでも、いいのかな?」


!!!!


 パパ?

 もしかして、まだ、楽しんでなかったのかな?


「なっ、なんでよぉ!

 せっかくアタシが、転生させて、15歳も若返らせたんだから、楽しんでくれてもいいんじゃない?」


 なっ何よ、まさか!


「正直、楽しいんだ、楽しすぎるんだよ

 ただ、このまま、楽しみ過ぎたら、ママやサヤに悪くねぇかなぁと思ってな

 あっ、サヤってのは、娘な」


!!!!!!!


 バカ!ホントバカなんだから!

 15年も思ってくれてたんだから、ママだって、アタシだって、充分幸せなのにぃ!

 アタシなんて、そばに居られるんだから、何言ってるんだよ!もぉ!

 


「オジサン!あのさ、

 オジサンはこっちの世界を楽しんでいいんだよ!

 仕事も、遊びも、恋愛だって、結婚だってしたっていいんだよ!

 ママさんだって!オジサンが、15年も思ってくれてた事分かってるよ!

 それに、せっかく生きてるんだから、幸せになって欲しいって思ってるに決まってんじゃん!

 バカ!」

「バカ!って、おまっ!ホント、2人の時は口悪いな!・・・

 でも、そっか、いいかな?

 うん、いいよな!

 そうだよな・・・

 サーヤ、ありがとな」


 うわっ、つい、バカって言っちゃった(アワアワ)

 えっ?でも、怒られなかっ・・・た?


 ううううっ、ひとまず、クリスさん達の所に、逃げ込もうっと!


 スタダタタタタっ!→→→

 走って逃げるサーヤw



ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー



「ふひぃっ

 やっぱり風呂はいいなぁ

 サーヤ出たぞ!

 居眠りする前に入っちゃえよ!」


 なんだろう、今日の風呂は、いつもの100倍はスッキリしたな!

 サーヤに怒られたからかな?w


「はっ、はぁい!」


 スタタタタタ→→→走るように風呂場に向かうサーヤ


「みんな、エールは、入る?」


 俺は、冷え冷え箱(仮)から、エールを取り出して、みんなの反応を見てから、テーブルに座る


「ありがたいけど、多分、少し飲んだら寝ちゃうかも

 今日は、ちょっと疲れたから」

「そだね、私も、少し頂いたら、寝ようと思います」


 エレノアもアリアも今日は、半日、歩いたもんね、それに一悶着あったしね


「じゃぁ、乾杯だけしたら、部屋で飲んで、そのまま寝落ち・・・いや

 眠りに落ちたらいいじゃんから」

「あっ、いいかも、そのまま寝れちゃう!

 ははは、寝落ちねwいいかも」


「じゃぁ、乾杯!」

『カンパーイ』

『おやすみぃ』


 エレノアとアリアは、結局、一気にカップを開けて、クリスに再度お礼を述べてから、寝室に向かった


「クリスは、お酒は強いの?」

「まぁ、顧客との外食や会食などでたしなむ程度です」


 見ると、日焼けのない白い頬をほんのり赤く染めている

 俺は、アルコールは、正直苦手で、飲んだら、真っ赤になってしま・・・ってたんだが、こっちの世界では、自分の顔なんて確認した事ないから分からない


「そっか、無理しないで、なんなら、果実水もあるよ」

「はい、でも、折角だし、ヒロさんの前なら、少し酔ってもいいかなぁ・・・

 なんて言ったら迷惑ですか?」


 クリスが、俺の顔を覗き込むように見てきた


 ダメだ、綺麗だ!

 まったく、あと20歳若かったら、押し倒してるぞ!

 (そしたら、16歳じゃんかw)


「大丈夫、酔っても、ちゃんと解放するよ

 でも、そんな格好で酔われたら、困っちゃうな」

「きゃっ、忘れてました

 つい、エレノアさん達に感化されて、この様な格好をしてしまいました

 今思うと、恥ずかしいです」


 クリスは、ちょっとはすに座り背中を向けて、顔だけこっちに向けた

 その姿も、逆にセクシーすぎる


「いや、あのさ、クリス

 ちょっと、真面目な話をしてもいいかな?」

「はっ、はい」

 

 斜に座ったクリスが、再度こちらに向き直って真面目な顔になった

 ヨシ、サーヤにも怒られたしちゃんと説明しとこう


「知っての通り、俺は、以前、家族がいたんだけど、災害で・・・

 そして、この街で、新しい人生をと、思ってやって来たんだけど・・・

 多分、俺は、まだ、過去を引きずってると思う・・・」

「はい・・・」


 ふぅ、こんな話しをした事なんてないから、緊張するし、ちゃんと伝えられてるかなぁ・・・


「こっちに来て、いろんな人に出会って、みんなに助けてもらって、特にクリスには、何から何まで世話になってしまってるね」

「えっ、いえ、とんでもないです

 私は、ヒロさんがあの時来てくれなかったら・・・

 何よりヒロさんは、いつも私達が考えもしない様な事をして、助けてくれるし、でも少し危なっかしい方ですよねw」


 そうだった、最初は、ゴブリンに襲われてたんだっけか?

 ははは、あの時は、いくらダイヤが居たからって、かなり無謀だったなw

 正直、死んだかと思ったよ


「クリス、あの時みんなの前に出会でくわしたのは、偶然だし、俺が居なくても切り抜けられたかもしれないし・・・

 だから、あの時の事をずうっと、恩にきる事はないと思うよ

 出来れば、笑い話で流してほしいな」

「えっ!そんな!

 私は、あの時の事は、忘れられないです

 そんな失礼な事・・・」


 うわ、クリスを困らせちゃったか?

 うぅ、俺の語彙力の無さにむかつくぅ!


「なんていうか、あの時の事で、俺を美化しすぎて見て欲しくないんだよなぁ

 普段の俺を見て、普通に接して欲しいかなぁ

 出来れば、俺は、素のクリスと接したいかなぁ?

 さっきさ、サーヤに怒られてさ

 折角の第2の人生楽しめ!ってさw

 なぁんか、アイツに言われると、身内に怒られてる気がしてさ

 俺、今まで、殻に篭ってたみたいなんだよなぁ」

「はい、サーヤさんは、時々、怒ると怖いですw

 でも、ヒロさんの言ってる事、なんとなく分かります

 私も、もっとヒロさんの事が知りたいです

 出来れば、そのぉ・・・、ずっと、そっ、そ、そ・・そば・・」


 ふぅ、なんとか通じたみたいだ

 ん?"そば"?


「まさか、クリス?

 蕎麦が食べたいの?

 蕎麦知ってんの?

 いいね!蕎麦!蕎麦作れないかなぁ?」

「はっはい?」


「よぉし、こうなったら、中庭で、本格的に、家庭菜園始めちゃうかぁ!

 いや、蕎麦なら、アキコマの村で手に入らないかな?

 うおー、俄然、第2の人生が楽しみに満ちて来たぞ!」


 グギィぃぃぃ!


 ん?なんか、クリスが、ほっぺを真っ赤にして、膨れっ面になってるぞ!


「って事で、クリス、もっと、フランクに接してほしいな

 でも、その格好は、刺激が強すぎるかな」

「きゃっ、もぉ、今日は、もう寝ます」


 半ば、怒りながら席を立ったクリスが、自分のカップと俺の使ったカップを洗ってから


「おやすみなさい」

 と、言い放ち、スタスタ2階に上がって行った

 しかし、足取りが軽かったのは、そんなに機嫌は悪くないんだろうなぁと感じた


 よし、俺も寝よう



ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー


 びっくりしたぁ!


 お風呂から出たら、パパとクリスさんが、2人並んで話してるから、何かと思ったら


 なんだぁ、結構距離が縮んでるじゃんかぁw


 いやいや、ダメダメ、まだまだ!


 あの鈍感のパパを振り向かせるには、そのくらいじゃダメだよぉ!


 ライバルは、多いからねぇwww


 15年も1人でいたんだから、少しは、楽しませてあげないとねw


 まっ、あんまり楽しませたら、ママが怒るかな?


 じゃぁ、私も寝よぉっと!



ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー


 目が覚めると、中庭の方から、喧騒が聞こえたので、ちょっと見てみたら、どうやら、エレノアとアリアが斬り合いをしている

 やっぱ、冒険者は、訓練が大事なんだね


 キッチンに向かうと、包丁使う音や、鍋の匂い、サーヤとクリスの声が、伝わってくる


「おはよう」

 と、台所の2人に声をかけると


「おはよー、クリスさんが、料理の特訓中だよぉ!」

「おはようございます、もう少しで出来ると思いますので、顔を洗って来てくださぁい!」


 こっ、この光景は!


 やばかった、一瞬走り寄って抱きしめそうになったよ

 これ、昔の日常じゃんかw

 俺は、朝の準備をする2人の姿をずっと眺めてしまった

 多分、超間抜けな顔だっただろうな・・・


「オジサン!

 顔洗って来る!」

「おっおう」

 ハッとなって、顔を洗いに行く

 朝の水は、とても冷たく、俺の思考回路を現世へ戻しくれる


 今まで、忘れまいと思いながら、あえて封じ込めていて、どこか思い出さない様にしてたのかもな・・・


 よーし気合い入った!


 大丈夫、忘れないし、閉じこもらない!


 俺は、過去も含めて、第2の人生を満喫してやるぜ!


 ちょっと、シャワーのお湯を温めなおしてやってっと、


「おーい!エレノアぁ、アリアぁ!

 そろそろ朝ごはんだぞ!

 シャワー使える様にしといたから、汗流してから来いよぉ!」

「はぁい!」

「ヒロさんありがとう!」


 親指を立てた右手を思いっきり突き出した・・・わ、いいが、ちょっとカッコつけすぎたか?


 ははは、やっぱ俺は、中身は51歳のオジサンだな!

 自分で恥ずかしくなっちゃっよw



ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー



「もう、遅すぎるんですよ

 いつも、気づくのが遅いんですから・・・

 早く、いい人見つけてくださいね

 サヤの事も頼みますよ・・・アナタ」


 真っ白な空間で、映し出された、親指を突き立てて、格好を付けている男性を見つめる女性は、安堵の顔を浮かべ、ニッコリした

 一粒の嬉し涙が頬を伝う

最後まで読んでいただき誠にありがとうございます

今回と次回は、冒険って言うより、ものづくりみたいな感じになります

どうかよろしくお願いします

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