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異世界で神(娘)と暮らし始めて嫁探し?  作者: 超七玉
神(娘)と暮らす事になりました
13/47

13、俺、商人の資格も取ります

13、俺、商人の資格も取ります!


 冒険者を初めて、10日くらい経った

 いまだに、街から出ずに、奉仕作業のような依頼を続けている

 その間、ただ依頼を受けていただけでなく、夜は、部屋で、鉱石に願いを込めてみたり、練ろうとしたりするが、上手くいかない

 でも、寝る前に、ミスリルや魔鉱石を握って、最初に作れたナイフと同じナイフを思い浮かべながら寝たら、何と出来ちゃった!

 ミスリル製2本、それと、間鉱石がそれぞれ青、群青色、紫の3色各1本、計5本のナイフが完成した

 何だろう、寝てる時と、起きてる時で何が違うのか分からない


 そろそろ、あまり使っている覚えは無いんだけど、金貨も減ってきているので、今日は、依頼は休みにして、ドムさんの所に行って、鞘の進捗と、俺のスキルの報告と、このナイフの刃入れでも、頼んで、クリスの所に一緒に行ってもらい鉱石を売ろうかと思う


 朝食後、今日は、マジックバッグのみの軽装で出掛ける


 最近では、シロは、俺の脇を俺の歩調に合わせて歩くようになってきた


 最初、クリスの店に寄って、店内に居たルイスに、後で鉱石を売りに来る旨を伝えた

 そして、大通りに出て、ギルドを横目に南外周区の東地区中通りに入る


 ところでさぁ、なぁんか、最近、誰かに見られている気がするんだよなぁ


 何気なく立ち止まり後ろを振り向くが・・・・

 別に、同じタイミングで立ち止まる人はいない

 こういうの、アイトなら気付くのかなぁ


 まっ、気にしててもしょうがないので、ドムの店に向かう


 ドムの店に入ると、作業の音は、聞こえる


「おはよう、ドムさんいるぅ?」


「いらっしゃぁい!

 あれ?オヤジの知り合い?

 ちょっと待ってて」

 と、小柄な女性?が、カウンターにいて、裏に消えていった


 しばらくすると

「朝っぱらから、誰でぇ!」

 と、作業を止められて、ちょっと虫の居所が悪いドムさんが出てきた


「おう、何だ、オメエさんか?

 鞘なら出来たぞ!

 ちょっと待っとけ」

「へぇ、お兄さんが、あのナイフの持ち主なの?

 なんか、凄いよねあれ!

どうやって手にいれたの?」

 と、食い気味で聞いてくる


「半人前は、引っ込んでろ!」

 と、ドムさんにどやされて、ヘイヘイ、と場所を譲る


「すまねえな、まだまだ、ヒヨッコのくせにしゃしゃり出やがってな

 ホラ、挨拶くらいせんか!」

 と、怒ってるようで、全然、優しく聞こえるのは何故だろう?


「ヒヨッコ、ヒヨッコうっさいなぁ、もう

 この頑固ジジイの娘のライリーだよ!よろしくね」

 えええ?ドワーフの女の子って、髭生えてるのかと思ってたら、普通のじゃんか?


「冒険者しているヒロです、よろしく

 お父さんとは、パートナー契約?結んでるよ」

 とは、カッコよくパートナーと言ったものの、秘密の共有だけなんだけどね


「まだまだ、口ばっかだが、よろしくな

 そんでもって、ホラ、自分で出来具合見てみろ」

 うわっ!すげぇ!ナイフの鞘に刻まれてる様に見えるのは、何だ?模様?紋様?


「何か、この模様?から、不思議な感じがする?」

 何か、モヤァっとした、何かを感じた


「ほぅ、分かるか?それはっ」

「それはね、うちの一族を表す紋様でね、おまじないみたいなもんだよ!

 持ってる人を良くないことから守ってくれるって言われてるんだよ!」

 ドムさんを遮ってライリーが、自慢げに言って、ふふーんっと胸をそらしている

 家紋みたいな感じで、お守りなのかな?


「けっ、詳しく知らねぇくせして、しゃしゃり出やがって

 まっ、そんな感じだ

 大事に使えよ!」

 って、ドムさんも、詳しく教えてくれないんだねw

 勿論!と言って感謝を述べた


「実はさぁぁぁ・・・」

 と、上目遣いで、ドムを見ながら、他のナイフを出した


「おいおい、オメエさん、こうも簡単に、このレベルのナイフを出されちゃたまったもんじゃねぇな

 ちゃんと説明してもらおうか

 ライリー!ちょいと試しに、コイツらに刃を入れてみろ」

 5本のナイフをライリーに渡し、俺を無理矢理、店の商談机の様な所に座らせた


 俺は、孤児院での出来事と、ここ数日で、試したこと、そして、やっぱり、寝てる間だと、寝る前に想像したものが出来てしまう事を伝えた


「うーん、無我夢中にやった時は、出来て(ちょっと女神様のテコ入れ付きw)、普段は、出来ないのか・・・

 んで、寝てる時は、朝起きたら出来てる

 全く分からん、何つうか、我儘わがままなスキルだな」

 と、ドムさんはお手上げだな?と、肩をすくめた

 確かに我儘で理不尽なスキルなのかも


 すると、刃入れをしていたライリーが

「ねぇオヤジぃ!このミスリルのナイフさ、ちょっと魔力を感じるんだけど、気のせいかな?」

 ライリーの言葉にドムさんが、「何だと!見せてみろ」と、立ち上がる


 ドムさんが、マジマジと2つのナイフを見る

「間違いねぇな

 そっちのナイフには、魔力は、感じなかったが、こっちの2つには、うっすら魔力が入ってるな」

 ええ?魔力ですか?俺?俺なのか?


「もしかして、俺から魔力でも出てるのかな?」


「ははは、オメエさんがか?

 まぁ、無くはねえだろうがな」

 ドムさん曰く、ミスリル製の武器が、貴重な理由は、ミスリル自体の硬度、強度、柔軟性があり、それから作られる武器単体の性能が高いという事と

 武器や防具には、魔力を込めやすい性質、例えば、攻撃力を高める魔法や、火や雷といった魔法を武器に付与する事も出来るらしいのだが、ミスリルはその効果が、如実に発揮されるらしい


「オメエさん、その収納袋は、特殊だよな?

 一体全体、どんだけのミスリルや魔鉱石を入れてんだ?」

 ギクっ!

 実は、えげつない程入ってるんだけど、言えない、言ったら怒られそう


「えっと、一杯です・・・」

 と、とぼけようとしたら


「おい!俺とオメエさんは、パートナーだよな?

 隠し事は、無しにしようや」

 ドムは、いつの間にやら、シロを膝の上に置いて、撫でながら言った


「ウーワンっ!」

 そうだそうだ!と言わんばかりに、シロが俺の方を向いて吠えた!

 諦めて、俺は、マジックバッグの中身を出す事に決めた


「多分ここじゃ床が、抜けちゃうかも」

 と、店内の床を心配すると


「本当か?

 じゃぁ、土間の作業場で出してみろ」


 そう言われ、俺は、渋々裏の作業場に行き、土間に、持っている魔鉱石を出していった


 大体、魔鉱石(紫)を持ってる分の半分くらい出した時点で、小山が出来、ドムさんは、呆れて

「もういいわい!

 オメエさん、どこぞの山でも潰してきたのか?」


ライリーに至っては

「わー、キャー!コレだけあれば、しばらくは、材料に困らないよぉ!

 凄いよヒロさん!」


「どうせ、他の魔鉱石やミスリルも、同じくらい持ってんだろ?

 だとしたら、オマエさんの道具袋の中で、魔鉱石から魔力が移ったのかも知れんな

 それか、オマエさんが、魔力を入れたかだな」

 なんか、面目ないです、勝手にミスリルに魔力を入れちゃって・・・


「おい、もし、オマエさんに魔力があるなら、魔法使いかなんかに、魔法の出し方を聞いたら、案外、お前のその我儘なスキルも操れるんじゃねえか?」

 なるほど!神官のミサだけじゃなく、他の・・・そうだ、リネンに聞けばいいんだ!


「それいいね、1人、魔法使いを知ってるから、今度あったら聞いてみるよ

 それと、今日はさ、そろそろ金欠だから、鉱石の換金に付き合ってもらおうと思って来たんだよ」


「オメエさん、これ全部売るわけじゃねぇよな?

 魔鉱石が値崩れするぞ

 何なら少し、俺に譲ってくれると助かるけどな」

 ドムさんは、ライリーの練習用に魔鉱石(紫)が、欲しいらしい


「ドムさんなら、必要な分、あげるよ

 だって、パートナーでしょ?」

 と、俺は、ドムさんに提案した


「えぇ!いいのぉ?じゃぁ、遠慮しないでもらっちゃうよ!」

 ライリーは、ウキャキャしながら、魔鉱石を選び始めた


「コラ!無料ただだからって、ガメつくんじゃねぇぞ!

 感謝の心を忘れんなよ!このヒヨッコが!

 なんか、悪いな」

 怒鳴りながらも、ライリーが、ちゃんとした魔鉱石を選べるかしっかり見ている


「ところで、鉱石を換金って、オメエさん、商人に当てはあるのか?」

「うん、世話になってる所があるからそこに行こうよ」

 ライリーが選び終わって、残った鉱石をマジックバッグにしまった


 て事で、早めの昼を食ってから行く事になった



 ドムさんの鍛冶屋の近くにある食堂(兼夜は酒場)に寄らせてもらい、席に着く

 ドムさんもライリーも、昼からエールを飲んでいる

 俺は果実水にしてもらう

 ドワーフは、ガッツリ飯が好きな様で、昼からも、肉&肉、そして、〆に肉みたいな感じだ

 シロの尻尾がブンブン振られっぱなしで大変だ


「そう言えばさ、やっぱり、ドワーフは、俺らより寿命が長いんだよね?」

「そだよー、大体、500年くらいかな?

 オヤジは、今年で、150歳くらいだっけ?

 私は、45歳だよ」

 素朴な疑問に、ライリーがあっけらかんと答えてくれた


「まぁ、大体100歳を超えたくらいから、歳なんざ数えなくなるけどな、ガハハハ」

 あれ?もしかして、まだ、お昼ですけど、お2人は酔ってらっしゃいます?

 ライリーが、45歳って、全然見えねぇ


 そんな、ライリーに聞かれた

「ねぇねぇ、ヒロさんは、何で、あんなに魔鉱石持ってんの?」

「あぁ、この街に来る前に、ダイアウルフと行動してたんだけど、そいつの寝ぐらに泊まった時に、魔鉱石とか見つけて、夢中になって掘ってたら・・・凄い事になっちゃってねw」


「そう言えば、そんな事言ってたな?

 そこって、もしかして、ここから南に1週間くらい行った森の中にある、横穴の洞穴か?」

 ん?1週間?あぁ、ドワーフの歩きと人間では、速度が違うのかな?


「多分、街道よりかなり東側だった気がするけどね」

 と大体一緒かなぁ?と、思った


「多分だけどな、ちょっと前に駆け出しの冒険者共が、鉱石の穴場を見付けたっちゅうから、1回だけ一緒に掘りに行った気がするなぁ

 あんときゃぁ、目につく魔鉱石は、掘り尽くしたんだけどなぁ」

 ちょっと前ってどれくらいなのかな?まっでも、今は、マジで、掘り尽くしてます、ごめんなさい


「へぇ、時が経って、俺が同じ場所で、鉱石を掘ったって何か縁を感じるなぁ」

 と、感慨にふけってると


「えぇ、私も、採掘したぁい!

 ねぇオヤジィ!今度行く時は、連れてってよぉ!」

「ふんっ、お前みたいなヒヨッコは、辿り着く前に、モンスターにやられて、しまいわw」

 ドムさん親子は、仲がいいなぁ・・・

 俺も、こんな掛け合いしたかったなぁ

 と、2人の漫才みたいな会話を見て楽しんでいた




「はい、お嬢ちゃん、串肉2本ねぇ」

「あっありがとうなのだ!

 わっ!めちゃくちゃ美味しそうなのだ!」


バクっ!


「むきゅぅ!凄く美味いのだ!」

 ヒロ達のテーブルから、離れたテーブルで、串肉を頬張って、歓喜の声をあげる猫耳の少女


「くそぉ、あの人は、いつも、こんなに美味しい物を食べてるんなんて

 許せませんのだ!

 しかし、今日の娘は、まだまだ、ガキンチョに見えるのだ

 まぁ、活発で、良さそうだな

 しかし、この肉は、ヤバいのだ」

 ヒロ達を観察している猫耳の少女は、串肉に心を奪われ、追加注文をするかどうかを悩んでいた




 腹も膨らんだし、さぁ、クリスの所に向かいます!


 しかし、お勘定をする時、離れたテーブルで、何やら、串肉の大食いで盛り上がってだけど、イヤイヤ、あの串肉で大食いは、ヤバいでしょ!

 俺でも、3本で、腹一杯だわ


 ライリーは、店番があるから、鍛冶屋に戻った



 さて、クリスの店に着くと

「なんじゃ、オマエさん!ここと知り合いなのか!」

 と、何故か口をへの字にしたドムさんが、店に入る


「邪魔するぞ」

「おぉ、ドムさん!久しぶりですね」

 ルイスが驚いた顔で店の奥から出てきた

 シロが、ルイスに飛び付いた!


「ヒロさんも一緒ですか?

 お待ちしておりました

 それにしても、意外な組み合わせですね」

 何故か、シロが懐いているルイスが、俺とドムさんの組み合わせに驚いていた

 ってか、シロは、誰にも懐いてね?


「オマエさん、いい奴と知り合えたな?

 コイツらは、冒険者をしててな、俺には、嘘つけねぇから、安心して換金してもらえ」

 と、ルイスの背中をパシッと叩くドムさん


「んぐっ?!ドムさんには、ジムさん共々お世話になりましたからね

 さっ、応接室に案内します

 クリス様も、後から顔を出しますので」

 どうやら、ルイス達が、駆け出しの冒険者の頃から、ジムさんやドムさんにはお世話になっていたらしく

 ドムさんと、ダイヤの寝ぐらに行ったのも、若い頃のルイス達らしい


 応接室に入るとすぐにクリスもやってきた、クリスはドムさんとは初対面らしい


「初めまして、テイラー商会のクリスです

 父が大変お世話になったとクリスから伺いました」

「あぁ、昔の話だ、娘さんのアンタが気にするこたぁねえさ

 ただ、コイツらは、鉱石に毛が生えた程度の魔鉱石を持って来ては、

 伝説の武器を作ってくれだのうるさかっただけだ

 しっかし、久々に来たが、繁盛してる様だな!」

 クリスの父やルイス達が冒険者の頃は、ドムさんを相当困らせた様だ

 この店には、クリスの父が、商人を始めた頃に顔を出して依頼は、足を運んでいないとの事


「今日は、鉱石の換金と伺いましたが、ドム様がいらしゃったのは・・・」

 と、訝しげなクリス

 俺は、タガート達にドムさんの鍛冶屋を紹介されて、意気投合して、パートナー関係になった事を伝えた


「ヒロ様!それは、いくらなんでも、私は許せないです!」

 凄い剣幕で、怒られた


「今日以降は、うちで換金をされたいのであれば、ドム様と同じで、私もパートナーにしていただかないと納得できません!」

 !?!?!?

 一同唖然だ!

 ドムさんに至っては、ガハハハと大笑い!


「こりゃアイツに生き写しだぞ

 こうなったら、一歩も引かんのだろう?

 なぁ、ルイスよ」

 ドムさんの投げかけに、ルイスは、申し訳ありませんとこうべを垂れる

 俺と、クリスさんがパートナーって、何を言い出してるんだ一体


「もしかして、クリスさんに鉱石を換金してもらう事って、本当は大変な事なの?」

「そんなに難しい事ではないのですが、冒険者に採掘を頼むには、本来は冒険者ギルドに依頼を出さなくてはいけないじゃないですか

 ですから、直接冒険者に採掘を頼むのであれば、しっかりと契約し、正当な査定で買取しなければ、鉱石の値崩れが発生したり、商人の買い占めだったり、冒険者が普通の依頼を受けなくなったりしてしまうかもしれませんよね」

 クリスは、俺にもわかる様に優しく教えてくれた

「それを防ぐ為もありますし、商会を大きくしていくには、冒険者とは、しっかり組んでいかないといかないんです」

 そうなのか、タガート達もそうなのかな?


「なぁ、オマエさん、クリス嬢は、あの事を知っておるのか?」

 多分、俺が、転生してきた事と、スキルの事だろう

 俺は、唇を結んで、首を横に振る


「お嬢さん、実はな、コヤツは、相当珍しいスキルを持っておる

 鍛冶屋の俺にとって、かなり得するスキルと、俺は判断してコヤツと組む事にしたんだ

 お嬢さんに、そのスキルの事を知っても、秘密に出来るか、尚且つ、協力出来るかが大事なんだ

 まずは、秘密に出来るかの?」

 ドムさんは、俺が、違う世界から来た事を本当に大した事がないと思っているのか分からないが、その事は言わないでくれた


「まず、ドム様、ヒロ様、私の事はクリスと呼び捨てにして下さって結構です

 そして、ドム様はご存知かもしれませんが、私は、ヒロ様に命を救っていただいております

 ですので、ヒロさまの秘密を漏らす事などあり得ません!

 協力も、惜しむつもりなど毛頭ありません

 ですよね?ルイス」


「勿論でございます

 私共だけではなく、ロイドも同じ気持ちかと思われます」

 クリスに睨まれたカエル、じゃなくてルイスが、元冒険者仲間のロイドも同感だと答えた


「ほう、オマエさん、こんなべっぴんさんにここまで言わすとは、やるもんだな

 分かった、スキルは、本人から聞いた方がいいだろう

 それと、パートナーの1番目はクリスで、ワシャ2番手にしてもらおうか?

 でないと、クリスに寝首を掻かれそうで、落ち落ち寝てもいられぬわ、なぁ、ルイス?」

 ドムさんの提案にルイスは、誠に申し訳ありませんと、こうべを垂れる


「分かった、じゃぁ、クリス?説明するよ」

 と、俺は、恐る恐るクリスを呼び捨てにしてみたが、満面の笑みで、返事をされたので、これからは、呼び捨てにしようと決め、俺のスキルの説明を始めた

 クリスは、真剣に聞いてくれて、出会って最初の宿屋での朝、俺がナイフを持って立っていた経緯を知り


「そうだったんですか、あの時は、そのスキルで手にナイフを持っていたのですか?

 しかし、聞いた事ないスキルですね」

 と、思案を始めるクリスが、しばらくすると


「しかし、そのスキルは、武器、防具だけでは無く、いろんな物を想像して作れるかもしれないという事ですよね?

 であれば、ドム様だけでは無く、私、いや、うちの商会でも、取り扱いが出来そうですよね?」

 流石、商人のクリスが提案をしてくれた


「ほぅ!頑固で無鉄砲のアイツの娘とは思えん発想だな

ならば、日用品なども、コヤツが作ってうちで仕上げた物や、ついでにうちで作った物などをクリスの所で捌いたりしてくれたら、うちも儲かるって事か?」

 ドムさんは、職人だけど、ちゃんと商いも出来るようだね


「では、細かい事は、ルイスに任せます

 決して、ドム様に損失が発生しない様に頼みますよ

 では、ヒロ様とのパートナー契約するに当たって、報酬などは・・・」

「いりません!」

 クリスは、行動が早いし、ホント俺には甘い!しかも報酬っておかしいだろ?

 俺は、キッパリと断った


「クリス、ごめんな、ドムさんとも、そこまでの契約とかを交わしてるわけじゃないから、報酬とかは無しでいいかな?

 でも、ちょっと、懐が寂しくなってきたから、また、鉱石を買い取って欲しいんだよ」

 クリスは、ほっぺを膨らまして不服顔だが、了承してくれた


 俺は、前回と同じくらいの鉱石をテーブルの上に並べた


「オマエさん、ホントにどこかの山でも潰しただろ?」

 と、ドムさんに睨まれたが、素知らぬ顔をした


 クリスに睨まれながら鑑定するルイスが、金貨60枚ですね!と、答え、ドムさんが、ニヤニヤしながら睨んだが、もう一度、金貨60枚です!と、言い切った

 多分、金貨10枚の色が付いているのだろう、ここは、何も言わずにもらっておこう


「ルイスさんありがとう

 クリス、もし、何か作って欲しいものとかあったら、言ってくれれば、寝る時挑戦してみるからさ

 あと、普段でも、スキルで作れる様、検証してみるよ」

「はい、ならば、連絡がつき易い様に、こちらに越して来てはいかが・・」

「宿屋で十分です!」

 膨れっ面のクリスには申し訳ないが、ここに越して来たら、多分、クリスにがんじがらめにされそうなんで、丁重にお断りした


「おう、換金も済んだし、ワシャぁ、ルイスと細かい事を決めてくから、ここまででいいな!」

 ドムさんは、既に、ルイスと向かい合いながら左手を挙げてきた


「あぁはい、ドムさんありがとう」

 では、懐も暖かくなったし、たまには、外周区の中通り商店街でも、ぶらつこうと思ったら


「ヒロ様、もし、お時間があるのでしたら、私たちも、色々細かいお話をしませんか?」

 ん?なんか、クリスが、ちょっとクネクネモジモジしてる様に思うのは、気のせいか?


「まぁ、決まった用事もないし、いいけど・・・」

 なんの話があるのかな?


「やった・・・はっ!

 いや、では、近くに美味しいお店がありますのでそちらに行きましょう!」

 鼻息荒く、クリスに連れ去られました

 シロも入って大丈夫との事、遠慮なく付いて来たら、そこは、中区の中通りに案内された、初めてきたが、外周区とは比べ物にならない佇まいの店ばかりだ

 その中の一件にクリスは入った


「いらっしゃいませ、クリス様、いつも、ご利用ありがとうございます」

 と、店の方の言い方からして、クリスは常連なのだろう


「テラス空いてます?」

「かしこまりました、ご案内します」

 気のせいか、クリスがルンルンしている気がする


 席に着くと、

「ヒロ様は、甘い物は、お好きですか?」

 好きも何も・・・しかし、流石に様付けは、困るので


「クリス、ごめん、俺も、様付けは勘弁してもらっていいかな?

 今まで、様付けされた事ないんだよぉ」

 もう、ホント勘弁してと、両手を合わせて懇願してみた


「ふふふっ

 分かりました、ヒロさんって、呼ばせてもらいますね

 甘い物はお好きですか?」


「甘い物は、お好きですよ!」

 と、釣られて答えると

 クリスは、面白かったのか、満面の笑みで笑っている


「よかった!

 じゃぁ、今日は、私の甘い物の日なので、トコトン付き合ってもらいますよ!」

 え?そんな日を設定してるんですかい?

 喜んで!と、笑顔で答えたけど、この歳になると、甘い物を多めに摂取すると、すぅぐ、お腹周りにくるんだよなぁ



 アレ?クリスさん?なぁんか、ガンガン頼んでません?


 ってか、デーブルにいろんな物が並べられていく

 みた覚えがある様な、ない様な、果物だったり、焼き菓子の様な物だったり、小さいクロワッサンみたいな物の上にアイス?クリームみたいのが乗ってるやつやら、コレ、全部食べるのかな?


「では、いただきましょう!」

「いただきます」

 とりあえず、果物っぽいのからいただこう


「あはっ甘い」

 食感は、桃の様な感じで、味は、めっちゃ熟したりんごっぽい


「それは、今が旬の、アプーチですね

 料理の隠し味にも使われるんですよ」

 ハハハ、アップルとピーチで、アプーチね、合わせ技だね


「こんな事を言っては、馴れ馴れしいかも知れませんが、ヒロさんって、優しくて、人当たりが良くて、親近感が持てますよね」

 いやいやいや、褒めすぎだよ


「どうも、田舎育ちだから、言葉遣いも悪くて、ごめんねぇ」

 言葉遣いは元の世界のままで申し訳ないと思ってます


「いえいえとんでもないです

 ヒロさんと出会った時から、ここに一緒に来たかったんですよ

 ところで、ヒロさん、まだ、鉱石を持ってるんじゃないですか?」

 ギクっ!くっクリスさん、さらっと男が言われて嬉しい事を言ってますよ!

 それと、俺の鉱石在庫を見抜くなんて、流石クリスの商人としての人を見る目は鋭いな・・・


「バレた?

 実は、まだ、蓄えてるんだ

 それが、あるから、ギルドで、無理な依頼は受けずに、報酬は少なくても人を助ける様な依頼を受けられるんだよ」

 シロに果物をあげながら、正直な考えを伝えた


「やはり、ヒロさんは、素敵な考えを持ってるんですね

 人として尊敬します

 そこで、提案なんですが、ヒロさんも、商人の資格だけでも持ちませんか?」

 クリスが言うには、持っている鉱石や素材などを商人や換金所に売る時は、何も問題ないが

 逆に一般の人に売る時(素材持ち込みで武器防具を作るのは別)には、商人の資格を持っていると交渉を進めやすいし、揉めにくいらしい


「商人にもランクがありまして、

 B級は、物の売り買いは、勿論、店や露天を構える事が出来るが、登録した街のみになります

 A級は、この国なら、どこの街でも、B級と同じ条件で、商売が出来ます

 S級は、国を超えた商売が可能です、国外との貿易などですね

 私はA級ですが、いつかは、父が成し得なかったS級を目指したいです」

 へぇ、なんか、商人といっても、色々あるんだなぁ


「でも、資格は、簡単に取れるの?」


「はい、B級は、行政区(中区)に申請に行けば、誰でも大丈夫です

 結構、身分証を持つ感覚で、持ってる人もいます

 A級は、商人の経験年数か、同じA級の推薦があれば取得出来ますので、ヒロさんは、冒険者なので、A級を持っとくと、いいかもしれませんね

 S級は、商人の手腕と国への貢献度・・・貢いだ額ですかねぇ

 S級になるには、冒険者ギルド丸ごと雇えるくらいじゃないといけないし、国に仕える感じに近いですかね」

 そうだな、これから、色んなところも行ってみたいし、物作りなんかもしてみたいし、いいかも知んないな


「そうだね、B級商人の資格が持てるんなら、持っててもいいかな」

 ヨシ!と、小さくガッツポーズをしたクリスが、何故か可愛かったが、もしかして、俺は、クリスに嵌められてるのかな?


「そうそう、クリスは、西地区に子供達に昼ごはんを食べさせてるキムさんとか、東地区の孤児院とかって知ってる?

 俺、ああゆうの協力したくなるんだよねぇ」

 クリスは、聞いた事はあるが、足を運んだ事はないそうで、俺が、見てきた事や依頼で倒したモンスターの肉をあげた事、孤児院の維持が大変な事や、倉庫で怪我をしたカイムを助けた事などを簡単に説明した


「勉強になりました

 ヒロさんを見習って、私なりに出来る事を探してみようと思います」

 クリスは、そこに商いの匂いを感じたか分からないが、興味深げに聞いてくれた


 それから、商人の手続きの件や、今後のドムさんとどんな事をしていくかを話しながら、食べながらをしていたら、なんと、テーブルの上の物を2人で平らげてしまった


「まさか、全部食べ切れるとは思わなかったよ」

「ここの食べ物は、そんなにお腹に溜まらないんですよw」

 そうだろうね、普通あんなに食べたら、クリスの様な素敵な体型は維持出来ないかもね・・・


 では、そろそろ帰ろうかと、ここは、大人の俺が払おうと思ったら

 請求は、まとめて、クリスのお店に来るらしく、ちょっと拍子抜けしてしまった

 一旦、店内に入り、帰ろうとしたら、店の中で、ウェイターとちょっと揉めてる人がいた


「だから、これ以上持ってないのじゃ!許せ!」

 ん?いま、じゃ!って、どこかで聞いた口癖だぞ


 まさかと思い、チラ見する


 猫耳?


 おかしいな、アイツは、ここにいるはずないだろう?

 確認のため、少し近づいてみた!


「おい!

 お嬢!何やってんだ!ここで?」


 あまりの驚きに、大変びっくりしてしまいました!


「お!おう!お前!

 すっ少し、金貨を融通するのじゃ!」


 右手にアプーチ、左手には焼き菓子を持って、口の周りは、生クリームかなんかを付けた猫耳の少女が、ウェイターと揉めている

 俺の記憶より若干背が伸びてる気がするが、間違いなく、俺をこの世界にすっ飛ばしてくれた、神嬢(神様)だ


 現状が、把握できない俺は、しばらく立ち尽くしていた

いつも読んでくれてありがとうございます

やった、やっとです、神(娘)と主人公を鉢合わせできました

タイトル詐欺にならなくて良さそうです

これからも、よろしくお願いします

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