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第57話 古代の技術

 私はシアレスの情報を頼りに移動する。

 目的地は大陸西部の施設だ。

 そこに勇者パーティーが幽閉されている。


 彼らの救出が優先だった。

 人質を取られたままでは行動にも支障が出てしまう。

 別に大した労力でもないので、手早く助けるつもりだ。


 途方もなく広大な砂漠を徒歩で進む。

 照り付ける日差しは厳しいものの、身体強化を施せば問題ない。

 海上と同様、速度を緩めることなく疾走する。


 途中、行く手を阻むのは魔物と組織の部隊だ。

 魔物は強靭な肉体を持つ変異種ばかりが出没する。

 どの個体も威勢よく襲いかかってくるが、私の刃を受けて即死していった。


 汚染された大陸の環境に適応しただけあって、どの魔物もそれなりに強い。

 大半が高速再生能力を持っており、多少の傷は一瞬で治癒してしまう。

 倒すにはかなり苦労する難敵だろう。


 しかし、それはあくまでも一般的な観点から評価した場合である。

 私からすれば、普通の魔物と比べても誤差の範疇に過ぎないのだった。


 木端微塵にすることで、再生能力が作用する前に抹殺できる。

 一太刀で蹴散らすのも容易だ。

 膂力任せの攻撃は鼻歌混じりに受け流せる。

 変異種との遭遇は、暇潰しくらいの感覚となっていた。


 そういった意味で言うと、組織の部隊と戦うのは実に面白かった。

 完全武装した彼らは未知の兵器を使用する。

 超高性能な杖から、豪雨のような密度で術を飛ばしてくるのだ。

 使い捨て同然に張られる結界は、普通なら魔術師を何十人も用意しなければ構築できない。


 魔導国がこの地で発掘した技術は、やはり凄まじい代物ばかりだった。

 現代では説明のつかない品々が連続で登場する。

 おまけに当時を知るナイアが断片的ながら解説をしてくれるため、余計に楽しい時間となった。


 魔導国の秘密部隊は懸命に攻撃してくるが、いずれも私の命を脅かすほどではない。

 空白時代の文明はとてつもない力を秘めている。

 勇者パーティーを追い詰めたのも納得できる。


 ただ、所詮はその程度だった。

 私の剣術を凌駕するほどの効力はなく、叩き斬れば簡単に破壊できる。

 変幻自在の術も、避けるか防ぐかすればいい。

 今回は攻撃制限もないに等しいため、苦戦を強いられる場面は一度も来ない。


 被害を拡大させていくほどに向こうの士気が下がり、そこに付け入って追撃を叩き込む。

 たまに遭遇する魔物の群れを殺戮し、組織の拠点が見つかれば一刀両断する。

 周囲を破壊し尽くしたところで移動を再開する。


 基本的にはその繰り返しだった。

 自然災害を超える速度と規模で破壊を振り撒きながら、私は勇者パーティーのもとを目指す。

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