↓ ↑ページトップへ
表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
一太刀につき金貨一枚 ~守銭奴の剣聖は勇者パーティーを追放されたので気ままに生きることにした~  作者: 結城 からく


この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

44/122

第44話 それぞれの成長

 説明するシアレスの口調は苦々しかった。

 己の判断の甘さを悔やんでいるようだ。

 勇者パーティーが窮地に陥ったことに責任を感じているのかもしれない。


「皆さんは殺されるか捕まったのですか?」


『どちらも違う。退路を断たれた我々は、大陸内で逃亡生活を続けている。しかし、いずれは限界が訪れるだろう』


「その状況を見かねたシアレスさんが、私に救援を要請したということですね」


『然り。勇者が反論するので、我の独断ではあるがな。彼は汝の力を借りるべきではないと考えているそうだ』


 シアレスは淡々と語る。

 ただ、言葉の端々に呆れが混ざっていた。

 勇者の主張に思うところがあるらしい。


 私は率直に疑問をぶつける。


「それは妬みですか?」


『否。事態の解決は勇者の責務であると捉えている。汝を超えるための試練とも捉えているのだろう』


「ほほう、随分と意識が高いようで。あなたの指導の賜物ですね」


『我の成果ではない。本人が血統に劣らぬ根性を見せているだけだ』


 シアレスはすかさず断言する。

 その口ぶりからして、勇者に対する評価がよく分かった。

 半年間で本当に努力しているのだろう。

 少なくとも、今代勇者として及第点には達したらしい。


 ただ、その命は危機に直面している。

 だからシアレスは勇者の意向を無視して思念を飛ばしたのだ。

 私は話を本題へと移す。


「それで、私に要求する行動は具体的に何でしょう」


『砂漠の大陸に赴いて、兵器開発を進める謎の組織を殲滅してほしい。可能ならば背後関係を明らかにして、諸悪の根源を消せると尚良い』


「勇者パーティーの援護はしなくていいので?」


『必要ない。そこまで助力されることを勇者達も望んでいないだろう。汝の参戦に合わせて、こちらも為すべきことを為す』


 シアレスがそこまで言うのだから信じるしかあるまい。

 つまり別行動で目的を遂げればいいのだ。

 私の得意分野である。

 性格上、誰かと共に動くと不都合が生じやすい。

 シアレスはその辺りも考慮して決めたのではないか。


(さすがは歴代勇者を支えた聖剣ですね。気が据わると見違える)


 今のシアレスは固い信念を持っている。

 一時は私を担い手にしようと迷走していたが、あの心境は克服できたらしい。

 勇者の成長を間近で見て、勇者の名を継承できると分かったからだろう。

 どうなるかと思っていたが、物事は丸く収まるものみたいだ。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。