アロサウルス、ティラノサウルス、ドラゴン、え!?
半年程前、私達地球上に住み生きる命あるもの全ての脳裏に、地球が後1年で終わりを迎えるというメッセージが浮かんだ。
そのメッセージが浮かんだあと、人間を除く地球に住み生きる命あるもの全てが、そのメッセージを受け入れたかのように生殖行動を止めた。
メッセージのあと子供の頃読んだSF小説のように、地球上に現れた全ての生命を得たもの達がホログラムのような感じで現れた順に出現する。
最初に菌のような単細胞生物、続いてラン藻、新核生物、多細胞動物、背骨を持った魚ケイロレプス、陸に上がった魚ユーステノプテロン、陸に上がった脊椎動物イクチオステガ、ヘレサウルス、アロサウルス、ティラノサウルス。
古生代、中生代に生まれた全ての生物が現れた。
次は新生代だ。
此れで我々古生物学者を悩ませていた空白の歴史が紐解かれる。
ティラノサウルス等中生代白亜記に現れた生物が現れた後に続いて現れたのは、嘘、だろ……………………。
ドラゴン、ゴブリン、コボルト、オーク、オーガ等のファンタジー生物。
昔から語り継がれて来た伝説は本当の事だったのか?
長年謎だった最古の教会痕の後ろの岩に掘られていた言葉の意味が解けたのか。
「見なさい、この素晴らしい星を。
この星は神が我等に与えて下さった聖なる星。
この星に蔓延る魔物を駆除して、神に感謝するのです」
ファンタジー生物に続いてマンモス、サーベルタイガー、
キツネ猿、チンパンジー等の生物が現れたが、最後まで人間は現れなかった。
私達人間は遠い宇宙の彼方から来たエイリアンで、侵略者だったのだ。
恐竜の後に現れた魔物と言われた生物達を皆殺しにして、彼等が築いた文明を破壊し乗っ取った侵略者。
だから母なる惑星だと思っていた地球からのメッセージを受け取りながら、私達人間は生殖行動を止めた他の生物達と違い、メッセージの内容を受け入れることが出来なかったのだろう。