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第三話 戦乱はいつも突然に

お待たせしました!

今回のお話は何故現在の状況になったのかを軽く説明する説明会です。

生暖かい目で見てくださると幸いです!

 


 世界標準歴20XX年、世界はぬるま湯の平穏を享受していた。


 平和というには世界は中々に波乱でいたが、さりとて戦乱の世と聞かれたら些か語弊が生じる。一部地域や国家では小競り合いが絶えないし先進国と呼ばれた国々は友好を分かち合いながら、その握手をするテーブルの下では薄汚い湿り気を帯びた謀が日夜繰り広げられている。


 ユーラシアの北の地を占めていた連邦は倒れ新たに北の大地に産まれた人類には早過ぎた夢の国新ソ連と、新大陸の覇者であり世界の憲兵を自称する合州国の両国は海を挟み静かな睨み合いが第二次冷戦が世界の動向を左右していた。


 それでも世界に生きる大多数の無垢な羊達は羊飼いの手によってそれなりの平穏と安定した暮らしをしていたのだった。夜島覚(やしま さとる)少佐もそんな者達の一人だった。


 彼の祖国である皇国は立憲君主制を布いた民主主義国家の一つだ。北方、東方、中方、西方、南方という五つの州にわかれている。長い平和の後、世界を牛耳っていた列強と呼ばれた国家群に色々と不平等条約を飲まされ苦しい立場であったがその立場から脱却し世界の一等国の仲間入りを果たした国家である。その後も戦争したりされたりして今は、世界の中でもトップクラスの経済国家の一つとなった。


 ……ん?どこかで見たことあるような国家だって?HAHAHAHA気のせいですよ気のせい。だって皇国は"連合国"として第二次世界大戦に参戦したのだから。


 とまぁ脱線は此処までとして。夜島はそんな皇国の一般的な家庭に生まれた。父親は中堅商社の会社員、母親は地元の大方書店でパートをしつつ主婦をしているという何処にでもある普通の家族だった。


 だからであろうか自分が知らない見たことがない世界への憧れを持ったのはそして選んだ道が軍に入るという選択だったのだ。完全に未知の世界、憧れで入った皇国軍大学校で最初に教わったのは理不尽である。


 走らされるわ腕立てさせられるわ目に光りがないと言われてまた腕立てさせられわ……なんで入ってしまったのだろうと早々に後悔してしまった。しかしながら慣れてしまうと案外居心地が良いことに気付いた。頑張れば頑張るほど評価もまた反映され、ある程度緩さもあった。


 そんなこんなで士官学校を卒業し彼は皇国陸軍への道を進む事を選んだ理由は特にない。空軍でパイロットをするには些か学が足りなかったし、海軍での海上生活はついていけないと思っただけだ。


 そうして彼は陸軍少尉として日々の訓練や業務をこな昇格したり転属したり、少しやりすぎてやっかみを受けたりするごく普通の陸軍士官の道を歩んで行く。定年退官して後はのんびりな老後かなと思っていた。


 しかしそれは破壊された異星人の侵略である。


 世界の各国家の首都や主要都市に送り込まれた巨大な母船から未確認飛行物体が飛び出し都市は破壊され人々はなす術もなく蹂躙された。その中に彼の家族も含まれていた。


 勿論軍もただ見ているだけではなかった。空軍は戦闘機を飛ばしUFOとドックファイトを繰り返したし陸海軍も対空ミサイルで迎撃せんとした。


 だが駄目だった。


 敵には強力な電磁障壁、所謂バリアが張られていて通常兵器では太刀打ちできない逆にこちらはあっという間に打ち落とされる。遠き星からやってきたインベーダーと星でぬくぬくと暮らしていた者達では地力が違う。


 世界は戦慄した我々は負けるのかと。


 世界は恐怖した我々は絶滅するのかと。


 世界は絶望した我々は家畜になるのかと。



              認めてなるものか我々はこの星の頂点である。



 異星人のバリアが大気圏外の宇宙空間に浮かぶマザーシップから発せられていると判明すると国々は未だ僅かに残る通信網とスーパーコンピュータ、更には各地で試験運用予定だった量子コンピュータまで使い敵のECM装置を解明、無力化に成功し、なんとか鹵獲したUFOで敵のマザーシップの中枢を破壊。


 そこに世界の核保有国。新ソ連、合州国、皇国、中華連邦、イギリス連合王国、フランス第6次共和制から放たれた核ミサイルによって破壊されたのだ。


 これで終わり!平定!解散!世界は平和になった!


 ……とならないのが現実だ。実に非情であるが仕方がない、異星人もただ座して死ぬのを待つ訳がないのだから。マザーシップを失い絶対的な防御手段が喪失した彼らに残された道は母船を着陸させ地上戦に待ち込む事だった。


 皇国には2隻の母船が攻撃を加えていた。その内の一隻は皇国の首都である皇都を攻撃しそして強行着陸しようとしていたが皇国軍が死にものぐるいで死守し撃墜するに至った。


 その際に一人の空軍パイロットが英雄的行動をとり撃墜へと繋がったことを記しておく。彼が母船のUFO発出口に突入しコアを破壊しなければこの国は既に終わっていただろう。


 ちなみに死んでない今も元気にUFOを戦闘機で追いかけ回している。


 だが残る1隻は仕留める事に失敗し西方と呼ばれる地域に着陸したそれが今から1年前の話である。


 現在彼らは中方と呼ばれる地域で必死の防御戦闘を行っていた。何重にも防衛ラインを構築し最終防衛ラインは大きな3つの川と皇国の背骨と呼ばれ欧州のアルプスになぞらえられた山岳地帯という自然要害でこれによって敵を阻む。


 そして今正に敵が防衛ラインを食い破らんとしている夜島覚の戦いは今これより始まったのだ。


 ちなみに南方は未だに持ち堪えている。やっぱり薩摩隼人ってやべーわ



どうでしたか?面白かったなら幸いです。

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