第一話 おはよう戦場
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砲音届かぬ場所ではあるがこの場所も十分に騒がしい。人が絶え間なく動き回り外ではひっきりなしにトラックが行き来する。室内は室内でずっとペンのはしる音が聞こえてくる。ここは前線を支える補給処、ここもここで戦場なのだ。
「少佐こちらが今回の受領書類です」
ピシッとノリが張った制服を着た中尉の階級章をつけた補給士官は、ヨレヨレとなった野戦服を着こなし腰には黒色輝く大型拳銃を腰に下げた少佐に若干の嘲りを抱きつつ書類を手渡した。
「……確かに申請分揃ってるな。これにプラスして小銃弾と迫撃砲弾を弾薬箱で2つ、機関銃弾と手榴弾も1つ貰えないか?」
そんなものはありませんと言わんばかりに中尉は首を横に振る。
「馬鹿なこと言わんでください少佐。申請分以外は渡せませんよ」
「まぁ待ちたまえ。確か先日の搬入で在庫は余っていた筈だ前線部隊の要望が叶えられるなら良いではないか」
間に入ったのは中佐の階級章をつけた男だった。この男、中尉の上司にあたる人物で、直属の上司にそう言われてはしょうがないと新たな書類をパパッと作ると少佐に渡した。
「中佐ありがとうございます」
中佐に敬礼をし書類に手早くサインを済ますと彼は部屋から出て行った。
「良かったんですか?在庫は確かにありますけど少佐の言いなりなんてあの人中佐より年上なんですよね?」
「今少佐の所属部隊である117iRは今最前線だ弾薬は幾らあっても欲しいだろう。それにな少佐は連隊のいち4科長で終わる人じゃない今のうちに恩を売っておいて損はないぞ……さて中尉、君は何時までそうしているのかね?」
睨まれた中尉は直ぐ様敬礼をすると蜘蛛の子を散らす様に走って行ったのであった。
トラックに数台に受領品を詰め込むと連隊本部のある最前線に向けて車列は走り出した。この地方の補給所も平時には師団隷下の連隊補給品を管理する程度だっただろう。だが今は戦線を維持する重要な補給拠点となっている。そのせいで敷地は拡張され一端の補給処となっているのだ。
街も変わってしまった所かしこに銃を待つ警備兵が立っているし、民間人の姿はチラホラ見えるがそれよりも制服や野戦服を身に纏った軍人の姿もほうが多く見る。ここら辺の住人の半分以上は更に後方に疎開しているのだろう。此処に残る住人は商魂逞しい者か土地に愛着深くここを終の住処と定めた者達だけだろう。
なんせ前線からたったの40km程しか離れていない。下手をしたら敵の空襲や砲弾が飛んでくる距離だ。もっとも重用な後方拠点であるが為に防空体制はしっかりと整っているが。
「しかし弾薬、追加で貰えて良かったですね4科長」
彼が指揮するこの車列は連隊本管の輸送小隊の者達が運転している。彼が乗るトラックの運転手である徳山軍曹もその一人だ。
「これで最前線の部隊が弾切れになる心配が減った。本当はもう少し欲しかったが……」
それは欲張りってもんですよと軍曹は笑った。
「確かにあの異星人共の攻撃が最近激しいですからね……我々、段列も前線に出る事になりましょう」
前線への幹線通りを車列はひた走る。
「それは良いんです我々も志願して軍人になったんです覚悟は出来てます。それよりも心配なのはあいつらでさ」
前方を指差せばそこには兵隊を満載したトラックが走っている。綺麗な野戦服にピカピカな小銃、後方から送られてきた補充兵達。どれも皆若い訓練所から送られてきたばかりのまだ尻尾に卵の殻が付いたピヨピヨな新兵達だ。
「愛国心一つで入ってきた奴等ばかりじゃないでしょうこの状況で致し方なく若しくは無理矢理入らされた奴等もるでしょう」
優しくそして甘い男だ。彼らが居なければ次に前線に出ることになるのは自分はだと分かっていてもそれを良しとしない。
「ならば軍曹お前が彼奴等を教育してやれパープルハート持ちで青銅勲章も持っているんだろう?少ない時間ではあるだろうが……敵の撃つ心得、生き残る方法位はおしえてやれるだろ?」
元は前線の歩兵中隊で分隊を指揮していた男である。負傷した為に後方部隊に一時的に回されてきたそのため今もバリバリの鬼軍曹だ。
「そうか……そうですね。ハハハッいっちょヒヨッコ共を揉んでやりましょう!」
その意気だと大きく軍曹の肩を叩いたらその拍子にハンドルが右にとられ車両が大きく蛇行してしまった。
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