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漆黒

挿絵(By みてみん)


挿絵(By みてみん)


漆黒



艶のある黒。黒の中でもっとも暗い黒。

漆は、ウルシ科の木の樹皮から採れる樹液で、空気にふれて酸化すると黒変し、硬化します。硬化した漆は、科学的にも強く耐久性があるので、仏具をはじめ木工芸品に広く利用されます。縄文時代の鳥浜貝塚からも漆塗の櫛などが出土しています。

また漆器のことを、英語でジャパンといいます。日本の代表的な工芸品である漆器は、17世紀にはすでにヨーロッパ諸国でも珍重されるように。

光のない暗闇を、漆黒の闇と表現します。今回見本で載せた写真は月夜ですが、月を消してしまうと何が写っているかわからなくなってしまうので、あえて月を出してます。

美しい黒髪の表現にも使われます。

純黒ともいえます。

Webカラーは、#0d0015。


色言葉は、情熱、才能、想像力。


情熱は意外なイメージですね。漆黒はどちらかというとクールな印象があります。才能は、魔法など隠した才能みたいなイメージがあります。能ある鷹は爪を隠す的な。想像力は、魔法のような不思議なイメージからでしょうか。漆黒は魔術のイメージがあります。


漆黒といえば闇。

小説でも多く使われており、闇というだけあって禍々しさの象徴になっているイメージがあります。

たとえば死刑執行前やこれからの苦難を予兆させます。


あとは漆黒の髪。

闇と違い、美しさを象徴します。

漆黒の髪は肌の白さも美しく表し、また髪の豊かさも表現します。


漆黒の瞳もあります。

すいこまれそうな、強い意志を表現するのに使われたりもします。

小説では、『明暗』があります。

「けれども其一重瞼の中に輝く瞳子(ひとみ)は漆黒であった」


漆黒の宇宙は、壮大なイメージがあります。


漆黒の馬は、力強さや純粋な強さをイメージさせます。美しさ、華麗さも表現されることがあります。


漆黒の肌は逞しさ。凶悪さを表すこともあります。


漆黒の空は、漆黒の闇と違い、空にある何かを強く主張するのに使われたりします。それは飛竜だったり、松明だったりします。


漆黒の目は、瞳と違い美しさというより、不気味さをイメージさせます。


漆黒の翼は、美しさと同時に魔を感じさせます。


漆黒のローブは、偉大な人を表すときに使われます。また、正体のしれない不気味さもイメージさせます。


実際の小説では、ヒゲもあります。『羽鳥千尋』では、「或る夕明るい燭の下で、色の白い細面に、漆黒の(ひげ)を長く垂れて」とあります。


漆の花言葉は、頭脳明晰、賢明。


素晴らしい花言葉ですが、花としては魅力に欠けるのが残念。

漆の花は黄緑色の花で、開花時期は5月から6月です。

また近くにいるだけでかぶれるので、注意が必要です。このかぶれは、古き時代には魔除けに使われていました。


漆にまつわることわざは、3つありました。


漆は剝げても生地は剝げぬ

意味は、漆器の表面の漆は剝げ落ちても、下の生地は剝げることはない、です。転じて、人は表面を飾ったものがなくなっても、その人の本質的なもの、持って生まれた素質は変わることはないということです。


膠漆(こうしつ)の交わり

意味は、にかわとうるしで塗り固めて離れられないような交わりです。きわめて親しく堅い交わりのたとえです。


七日通る漆も手に取らねばかぶれぬ

意味は、漆の木のそばを何度通っても、手に触れなければかぶれることはないというところから、物事に直接かかわらなければ、害を受けることはないというたとえになりました。

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