純白
純白
全く混じりけのない白。
純白とは、もともと汚れがなく清らかな心、またそのさまを表していました。その言葉の出典は、古代中国の『荘子』まで遡るとのこと。
有機械者、必有機事。有機事者、必有機心。機心存於胸中、則純白不備。
意味は、絡繰り仕掛けを持つ者は、必ず小細工を弄するものだ。小細工を弄する者は、必ず小細工を好む心を持つものだ。小細工を好む心が胸中にあれば、純真さが備わることはない。ということです。
また別の訳では、便利さは心を失うという意味のようです。
色名として使われるようになったのは近代文学から。
真白と同じ色とする説もありますが、別とする説もあります。
真白とは、精神の気高さを表す想像上の色で、純粋な白のこと。
汚れがなく清らかな心、またそのさまを表している純白と、似ていますね。
Webカラーは、#FFFFF5と#FFFFFFの2つがありました。
今回は、温かみのある純白をイメージしたので、#FFFFF5を色見本としています。#FFFFFFだと、この背景色のような純白になります。
色言葉は、純粋・優雅・シンプル。
純粋はその通りですね。純白は、何も混じり気がない色ですし。
優雅は、ウェディングドレスからでしょうか。
シンプルは簡素、単純という意味です。何も混じり気がないから逆にシンプルということでしょうか。
純白といえば、なんといってもウェディングドレス。
純白のウェディングドレスは、19世紀のイギリスを生きたヴィクトリア女王が広めたと言われています。ヴィクトリア女王より前の王室の花嫁たちに人気だったのは、赤のドレス。
しかし、ファッション志向の高かった彼女は、従来の伝統にしばられない純白のドレスを着用しました。
自分の内なる感情をファッションにも表したいとの考えが、そうさせたとのこと。
ヴィクトリア女王は当時20歳。純粋さの中にある、芯の強さを感じますね。
他に純白といえば、光があります。
光は剣になったり、羽になったり、魔法の光であったり。
正義や神秘的なイメージを感じさせますね。
あとは純白の雪。
静謐さを感じさせます。
静謐とは、静かで安らかなことです。
純白の花だと、普通に白と書くより清らかさを感じます。
水仙や百合、すずらんなどがイメージされます。
ちょっと不吉ですが、クチナシの花もそうですね。
純白のシーツだと、清潔感を感じます。
純白の服だと、クリアな感じ。罪のなさや、世俗にまみれていない感じがありますね。もしくは、純白の服を着せることで顔色の悪さを引き立たせることもできるでしょうか。
純白の翼だと、天使や澄んだ乙女をイメージします。
天使・エンジェルの由来は、ギリシア語のアンゲロス。もともとの意味は、伝令、使いの者です。由来は諸説あるようで、ペルシア語のアンガロス(意味は密使)や、サンスクリットのアンギラス(意味は神の霊)もあるとのこと。
純白の衣装だと、か弱く儚げなイメージや、神聖さを感じます。純白の衣装を着せることで、真っ赤な血など不吉な象徴がより引き立つかもしれません。
全体的に見て、やはり純白はプラスのイメージが強いですね。