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神様は夢を見る
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私は夢を見る。見初めてすぐに、夢だとわかってしまった。ナナ様が生きていたからだ。
「こんばんわ、私たちの神様。生まれたばかりなのに、あなたを傷つけてしまって、ごめんなさい」
ナナ様が私に謝っている。これは早く頭をあげてもらわなければ。
「ナナ様、私は大丈夫だ。あなたが謝る必要はない」
私はナナ様にそう言って、頭をあげてもらった。
ナナ様は、私にとって創造主の一人なのだ。
「私は十分生きたの。それをイチくんは…もうっ!今度夢の中で殴りに言ってくるわね」
夢の中の創造主が、現実の創造主を殴りにいくと言っている。私は混乱してしまいそうだ、早く夢から目覚めたい。
「ちょっとまって、お願いがあるの」
「ナナ様の願いとあらば」
ナナ様の表情が柔らかなものから、真剣なものに変わる。もう夢から覚める時間が迫っている。
「今日出会った少年を、守ってほしい。少年の名前は…」