神様と人間
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こうして私は旅を始めた。生まれたばかりの私ではあるが、基本的な自分の体の性能はわかる。生物に必要な飲み食いや、睡眠が必要ないのだ。
取れるのであれば、とった方がいいようだが。
そんな私の思考は途中で止まった。
創造主とよく似た、二足歩行の生き物がいたからだ。
獣が人間を追って狩りをしているようだ。だんだん人間の走る速さが遅くなって。今にも狩られてしまいそうだった。
「助けに行かなければ」
私が救世主と初めて出会った時に似た。背筋が寒くなるような感覚を感じながら、走った。森の開けた場所では、人間が地面に座り込んでいた。人間は泣いていた。
「ごめん兄ちゃん。ぼくもここまでみたい。ぼくのこと見てくれなかったけど、最後にもう一度会いたかったよ」
その人間は、創造主を幼くした姿をしていた。
絶対に助けなくては。
私は獣と幼子の間に自身の身をすべりこませた。
「グルルルゥ…。クゥ〜ン」
「今ならまだ許してやる。この場は退け」
私は獣に低いを声で警告を出した。獣は野生の本能で、私を格上だと判断したらしい。その場を去っていった。
「大丈夫か幼子?うおっ!」
「兄ちゃん!」