創造主との別れ
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「まさか本当に、殴るためだけに創造するとは、創造主は思い切りが良すぎる…」
私の口から自然とため息が漏れだした。ここにナナ様が生きていれば結果は変わっただろうか?生まれたばかりの私は、人間を復活させる方法がわからない。そもそも、復活させることが出来るのだろうか。
私は手始めに自分自身が生まれた土地に、手をかざした。こうすることで、何かがつかめる気がしたのだ。
「創造主はナナ様を復活させたくて、この地で神を創造した。ここまで土地の魔法力が強いのならば、ナナ様を生き返らせるのは安易なはず。それができないと仮定するのならば…」
人間では死者を復活させることはできない。
もっと他の要因、創造主の言う神が必要だった。
創造主にとっての神は少なくとも私ではない?
「私は、一体なのだろうか?神ではない。人間ではない。ましてや創造物でもないようだ。創造物はたとえ感情があったとしても、生まれてすぐに否定されれば消えてしまうはずだ」
私を想像した人物は、あの男の創造主以外にいるのだろうか?その可能性は十分にある。探してみるとしよう。
「幸か不幸か私には、創造主に近づかない約束しかないのだから」