神様と噂
時刻は子供たちが寝静まる頃。ゼロは私の背中で、安心して眠っている。とても深く眠っているようで、多少大きな声で喋っても、起きる気配がしない。
「悪魔君もきてくれたんだね。解体されたいのかな?」
「悪魔じゃないですったら!ワタシはジャックですよ。ジャック!解体もされたくないです」
「ジャックは人間だぞ。セブン」
ゼロの睡眠が深くてよかったと、私はセブンとジャックに挟まれて思った。ゼロと喋る時のジャックの落ち着きが霧散している。
「ワタシこの人苦手です。初対面で武器で攻撃されたの初めてです。お願いします。もう少しの間でいいので、真ん中にいてください。その人になれる時間をください」
「わかった。ジャックが慣れるまでだな。セブンはジャックを怖がらせないように」
「二人ともオレの扱いが雑だねぇ」
セブンは半笑いしながら、解体はしないと言った。彼なりの冗談だったようだが、ジャックを怖がらせるのには十分だったようだ。
それもしかたがないだろう。悪魔たちの間では噂の狩人なのだと、セブン本人がいったのだ。狩った悪魔たちはコレクターの元に送られているらしい。
「コレクターのところに、セブンが助けたい人がいるのだろう。どんな人物なんだ」
「彼女の名前はフィーア。優しいお姉さんって感じの人さ。昔からよくしてもらっていたよ」




