神様と名前
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「兄ちゃん見て!零時に流れる流星だよ。ぼく初めて、零時以外に流れるのを見たよ」
夜空にたくさんの流星が流れていく。私たちは家の大きな窓から、この家を離れる前に、一つの思い出でをつくれたのだ。
「兄ちゃん。ぼくらの世界では、零時以外に流れる流星を見ると、願いが一つ叶うって言われてる。お願い兄ちゃん。名前をぼくに教えて」
私はナナ様にもらった名前を言うか悩んだ末、一つの考えが自然と口からもれた。
「…私の名前はレイジ。ゼロにもお願いしていいだろうか?ゼロに新しい名前をつけてほしい」
ナナ様かもらったレイジという大切な名前。それと同時にこの名前は創造主から、私が捨てられた象徴でもある。私は今、どんな表情をしているのだろうか。
「レイ、レイはどうかな?兄ちゃんは新しい名前が欲しいって言うけど、レイジって名前も大切なんでしょう?」
ゼロは優しい。それならば、過去の名前も消えたことにはならない。
「ありがとうゼロ。レイ、それが私の名前の新しい名前…」
ゼロは私の創造主ではない。しかしそれ以上に近い存在としていてくれる。ゼロがいる場所は暖かい。
「旅に出ようレイ兄」
「ゼロと一緒ならどこまでも」
私はいま、優しい表情だろう。
ゼロの前では、私の硬い表情も、柔らかなものになるのだ。




