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神様と弟

13-


ゼロは遠くを見ながら、私に話しかけた。

その笑顔に、仄かに影がさす。


「ぼく、兄ちゃんとここで過ごしたかった。兄ちゃんに見せたいものいっぱいあったんだ」


私は耐えられなくなり、主人の手にふれた。


「…兄ちゃん?」


「ゼロ。思い出ならこの家じゃなくてもつくれる。私はゼロと一緒にいるのだから」


「兄ちゃん!」


ゼロは私に飛びつく。一瞬の衝撃の後、私はゼロを受け止めた。


私の腕の中で小さなゼロは、はっきりとした声で言った。


「この家で見つけたこと、兄ちゃんにも見て欲しかった。だけどぼくは、兄ちゃんと一緒にいられるだけで、それだけで幸せだから!」


「…ゼロ」


「ぼくはもう大丈夫。兄ちゃんと思い出を作れるのは、ここだけじゃないからね!」


ゼロは私から離れると、私の片手を握った。

ゼロの暖かな手で、私の心は落ち着く。

私はゼロに、聞こえないくらい小さな声で呟いた。


「これでは私が弟みたいだな」


ゼロが上を指差す。その視線に先には流れ星。


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