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神様と別れの時間
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家に帰り、主人が寝入った頃。
私はまた、夢の中でナナ様とあった。
夢の中とはいえ、もう一度会えて嬉しい。
「こんばんは。レイジくん」
「ナナ様。レイジとは誰だ?私のことなのか」
ナナ様は今、私のことをレイジといった。
レイジとは誰のことなのだろうか?
私にはまだ名前がないはずだが…。
「レイジ君は、名前を教えてもらっていないの?」
「レイジ、それが私の名前なのか?ナナ様」
私が疑問に思ったことを口にすると、ナナ様が私のことを抱きしめた。突然のことに、私は硬直してしまう。
「ごめんなさい。私が生きていれば…。君に辛い思いをさせることもなかったのに」
「辛い思い?辛いとは何のことだ。私はあなたに会えて嬉しい。たとえあなたが私の夢であってもだ」
私はナナ様から一歩離れると、はっきりとした声で伝えた。ナナ様から、私を抱く力が弱くなっていく。また、別れる時間がきたようだ。
「今度あうのはだいぶ先。でも大丈夫。あなたが生きていれば、きっとまた会える」




