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若葉の季節

作者: 武田道子

若葉の季節



若葉がさらさらと

緑の光を散らすと

夏が来る


生きていることが

安心して受け止められる

あなたの腕が私をいだいた時のように


精神がばらばらに

解体されてしまっても

憩いの場所がある


寂しいことはない

悲しいことはない

生きていることはいいことだよ


つやつやと光を反射させ

新緑の若葉が震えると

金箔が宙を舞う


言葉なく、話すことも、聞くこともない木々

季節を知り、

生きるすべを知っている


生きることが美しいことを

生きていることが驚きであることを

神の言葉のように伝える


生き続けろ

生き続けろ

己を見出せと


若葉の季節

心は氷が溶けたように

緩む


この安らぎを

しっかり胸に抱き

ゆっくりと息を吸い込む


生きることだけを

ただそれだけを

若葉の青さが訴える


青臭さがムンムンと

この季節には許される

このまっさらな青春の賛歌


若葉の季節が来ると思い出す

血が確かに動脈を通り

心臓が歓喜に震えるから


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