表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
3/5

おとーさんの日記。その壱。

父親の日記です。娘の名前が明らかに。漢字の素晴らしさが身に染みるのぜ。

8月15日


今日は唯と一緒に遊園地に行った。

本当は人が多いところは苦手なのだが、まぁ仕方あるまい。私が可愛い娘との約束を破る訳がない。

まあ、お化け屋敷に行きたいと言った時には焦った。

唯の前でビクビクしてなかっただろうか?不安だ。

今日はちゃんと「父親」ができていただろうか。とても不安だ。

ただでさえ、私と血が繋がっていない上、母親は「アレ」と来ている。

私だって仕事や、家の事もあって娘に会えるのは一週間に一、二日程度。

ずっと側にいて守ってやれるわけではない。

せめて「アレ」が決定的な失態でもすればいいのだが。

それにしても笑える話だ。私はこの年になっても童貞だというのに。

本当に愚かしい女だ「アレ」は。今日も私達が出掛けている間どの男を連れ込んでいたのやら。

私が気づいていない、とでも思っているのだろうか。

だが、妙に変なところで賢しいから困る。

証拠はつかませない上に、人を味方につけること、権力や金があり家柄の良い男を魅了する事が巧い。

まさに本能のなせる技というべきか。

当時浮いた噂もなく、顔と家柄が良くて権力や金があり、面倒くさくもない私を狙うのは想定するべきだった。

我々の家柄では醜聞など命取りだからな。しかし我等九家の内7人があの女に引っ掛かったと聞いた時には驚いた。

常日頃からあいつらは馬鹿だ馬鹿だとは思っていたが想像以上に底抜けの馬鹿だったようだ。

「アレ」は馬鹿どもを落としてから私を落とそうとしたらしく「アレ」が話かけてきたあとは馬鹿どもによく絡まれたものだ。

そもそも、話かけている内容からして意味がわからなかった。

なにが「家の務めは辛くないですか。」

   「逃げてもいいんです。あなたが悪い事なんてない。」

   「そんな辛そうな顔しないでください。私がいますから。」だ。

キレるかとおもった。

我が家の務めの存在を知っている事についても調査してみたが、なにもでなかった。

まあ、このようなイラッ☆っと来る発言は私の胃を直撃した。

学園での私の癒しは彼女だけだった。まあ、癒しというよりは周りにいたまともな人というべきか。

そういえば「アレ」は彼女にもアレな発言をしていた。

「あなたが居るから彼は不幸なんです。」お前が居るから不幸なんだよ。

「いい加減彼を束縛するのは止めてください!彼が可哀想です!」俺は束縛する方が好きだ。

当時は「俺可哀想...」とか言って彼女によく慰めてもらっていたものだ。

婚約者が彼女で良かった...と当時は思っていたが、「アレ」の妊娠が発覚、そして私に対するあなたの子宣言。これによって彼女との婚約解消、ならびに「アレ」との婚姻などと面倒なことになった。

今でも彼女との関係は続いている。残念ながら「友達」としてだが。

まあ、「アレ」のことを言っても仕方がない。

どうにかして、唯に影響の無いように消すには待つしかない。

胃が痛くなってきた。

しかし唯は可愛い。「アレ」と青馬鹿の遺伝子が入っているとは考えられないほど賢い。

七馬鹿より賢いのではないか?

そしてなにより可愛い。ただひたすら可愛い。

しかし可愛かったなぁ。

クレープが食べたいのにお腹いっぱいで食べれないよぅ。どうしようおとーさんと言うような潤んだ瞳で見つめられると、こう、なんというか私の中のSい感情を刺激されるというか、ついつい苛めたくなってしまう。あの潤んだ瞳で「おとーさんいじわるしないでよぅ」とか言われたら.....おとーさん熱いパトスがエクストリームバーストしちゃうよ。いや、まじめに。

結局半分こにしたが、あーんまでしてくれるとは。これで来週も生きていける。

明日の朝には行かなくてはならない。

唯には部屋から出ないように良く言い聞かせねば。しかし私がいる時しか外に出られないとは。

いくら危険だからといってもあんまりだ。

パソコンでもあげるべきか。いや、まだ早いか。

しかしケータイはあげるべきだろう。良い案だ。そうしよう。

メールもできるし、何より何時でも娘の声が聞けるというのは良い。

なぜもっと早く思いつかなかったし。

よし来週までに用意しよう。

しかし最近唯が「おとーさんとけっこんする!」と言ってくるのには困った。

将来唯が結婚する...よし、世界中の男を消そう。一人残らずだ。

唯は可愛いくて優しいからな。どんなゴミ虫がつくか気が気でない。娘を嫁になどやれん。

まあ、それはさておき。唯だけは私のすべてをもって幸せにしてみせる。絶対にだ。

いやぁしかし「おとなになったらおとーさんとけっこんできるの?ならはやくおとなになりたい!」とはまぁ。

思わず人目があると言うのにもかかわらず、幸せと砂糖と血と涙をぶちまけそうだった。

うちの娘がかわいすぎる件について。

思わず抱きしめてしまった。

こんなに可愛い娘の声が毎日聞けるようになるとは。幸せ過ぎて死んでしまいそうだ。

私には立派な「父親」ができているとは思えないけれど。



                    ――――唯。今度こそ君だけは幸せにしてみせるよ。

「彼女」と「アレ」は別人物です。九家はおとーさん、「彼女」、7馬鹿の実家です。

まあ、乙ゲー?みたいな感じです。「アレ」がヒロイン(笑)でおとーさんが隠しキャラ的な感じ。

DNA鑑定は高校生での妊娠、婚約解消、婚姻、おとーさんの知名度、実家の影響力、「アレ」の人脈などにより無かったことに。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ