表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
初めての恋  作者: 神寺雅文
第五章--告白の先に見えたあの日の約束
212/236

告白の先に見えたあの日の約束77

 今日の雅先生と朋希先生は気持ち悪いくらい一緒に行動している。子どもたちからも「せんせー達今日は仲良しなんだね〜?」「仲直りしたの〜?」って声を掛けれている始末だ。この三日間だけでも、僕らの関係がどれほど険悪だったのか園児達のその声だけ聞いても想像が付く。


「ねえ、普段どんな曲聞いてる? 今度よかったら僕にも貸してよ――」


「そのギターかっこいいね? どこで買ったの? いくら位するの?――」


「僕も朋希君くらいクールでかっこ良くてギター上手い男になれたらな〜――」


 これが全て僕の口から飛び出た世迷い言だと思うと吐き気がする。が、ここは我慢だ。春香と約束した手前、引くに引けないんだ。あと二日半耐えればこっちのもの。あとはクラスで春香を独占すれば朋希に勝てるのだから。


 半ば強引に自分を納得させ、媚びへつらう僕を気色悪いモノを見る様な目で警戒する朋希と仲良くなろうとしている。


「いい加減にしろよ。なんだよいきなり。春香に言われたからって急に態度変えすぎ」


「親睦深めないとこの先苦労すると思ってさ。そんなに警戒しなくてもいいじゃん」


「お前となんて親睦深める気はない。春香の手前、少しは我慢するけど、馴れ合うつもりはない」


 前髪で上半分が隠れている双眸からは相変わらずの敵意がこれでもかと溢れ出ている。多少は春香のことを気にしている様な言動はあるが、基本的には心を許さない。休憩時間に彼のギターを見ていたらそそくさと片されてしまったのがいい証拠か。


 このままでは全面戦争になってしまう。拓哉からのアドバイス通りにいかなくなってしまうだろう。


 それ即ち春香争奪戦の本格的な宣戦布告が近々行われることを意味しているわけで、子供たちと童謡を歌う我らが意中の女性――小鳥遊春香が誰かの“モノ”になる日も近い事を意味しているんだ。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ