第2話 迷子
突然だが
俺、迷子になりました。
いや、正確には迷子というより街がみあたらないといったほうが正しい。
今俺は草原のど真ん中に座っている。時刻は太陽の位置的に13時過ぎくらいか?
あれからあの集団が歩いてきた道というより足跡をたどって約3日は過ぎようとしている。
2日3日あれば街や村とかが見えてくるだろう、アニメやラノベの異世界物もそんな感じだったからと思っていた。
だが現実は違っていた。
いくどと歩いても見えてくるのは一面の草原、そして魔物。
初めの魔物は2日目の昼過ぎあたりに遭遇した。
確か狼みたいな魔物とゼリー状の魔物。
俺も最初は興奮したさ、いかにも異世界だって感じだったから。
だが戦闘が何十回かあった時にはもう飽きていた。昔っから飽きやすかったがそれは転生した今でも健全のようだ。
まぁでも狼の魔物からは肉と毛皮が、ゼリー状の魔物からはゼリーと球体が手に入った。
肉は助かった。手持ちの食料じゃ1日ももたなそうだったからな。
毛皮とゼリー状の物は焚き火をするときの燃料となった。これでしばらくは食料や火の確保はできた。
問題は水だ。
水は生命活動するのにもっとも大切だ。
食べ物は1週間、へたをすればで1ヶ月は食べれなくても大丈夫だ。
だが水はそうとは限らない。
人間は水を3日ほど摂取しないと死んでしまう。
だから故に俺は焦った。
この3日間歩いていたが街はおろか、川や池なども見つかっていないのだ。
幸いに途中で雨が降ってくれたのでなんとか水筒に蓄えられたが、その雨がまた降ってくるとは限らない。
だから俺は焦っていた。
このまま迷って餓死してしまうのかと。
俺の汗はひんやりと額から顎にかけてたれた。
俺はその日の夕方にキャンプをはった。
キャンプっていっても焚き火を焚いてるぐらいだが。
俺は妙に冷静だった。
命の危機だってゆうのになぜか冷静でいられた。
生前から冷静なのはわかっていたがここまで冷静なのは自分でも驚きだ。
俺は今後の事を考えていた。
ルートを変えようか、いやしかし右も左もわからいのに進んでも仕方ない。
かといって足跡をたどっていっても街があるとは限らなくなってきている。
俺は焼いた肉を食べながら黙々と今後の予定を考えていた。
そうこう考えていたら朝を迎えていた。
結局どこもあてがないから最初の足跡を頼りに歩き始める。
そこに街があるとは確信はないのに。
ーーー
異世界に転生してからもう6日はたとうとしている。
あれ以来から一向に街らしきものは見当たらない。
俺も次第に意識が虚ろになってきている。
それもそうだ、永遠と歩いて歩いているのだから。
しかも今の自分は精神こそ29の大人だが身体は6歳くらいの子供なのだ。
故に子供の身体の体力には負担がかかるのだ。
それどころか道中に魔物との戦闘があり、それらが重なり重なり身体は悲鳴をあげているのだ。
故に俺の身体は限界を迎えつつある。
なんとか保とうと頑張ったが、やはり駄目だった。
俺はその場で倒れるとだんだんと意識が薄れていく感覚におそわれる。
(あぁ…終わりなのか俺は…せっかく新しい人生を貰ったてゆうのに…)
消えゆく意識の中、俺は無意識に呟いた。
「…死にたくない…」
そう言って俺は、意識を失った。
ーーー
ふと暖かいものを感じた。
俺は天国にもきたのかと思った。
しかしそれは違った。
目を開けてみるとそこに映ったのは見知らぬ天井。
土の天井だろうか?周りをよく見ると土に囲まれた見知らぬ壁、木でできた見知らぬ窓、それに見知らぬ暖炉があった。
自分の身体には見知らぬ布団らしいものが羽織られていた。
そして自分の目の前には
見知らぬ女の子が座っていた。