2話
「!!!???」
私達は衝撃的すぎて目を見開いた。
心臓と…目を…くり抜かれてた?血を出さず!?
「だから俺達…特別戦闘課、略して特戦課に任されたんだ」
「…なんで私達が人類と地球を守るの?」
やはり肝心なところはそこ。どうして私達なのだろうか。
そして───守るとはどういうことなのだろうか。
「お前達全員、気を失う前に言葉を聞いたはずだ」
「!!!」
───【ここからが本番───……】
「その言葉を言った奴こそこのバス事故の犯人。それも"超能力"を持った人間────。この世界にはそんな非科学的なもの存在しないと思われているが…本当はな、あるんだよ。だから特戦課も存在してるんだ。
その超能力を持った犯人をお前たちに倒して欲しいんだ。
───事故がキッカケで超能力を授かったお前達にな」
6人が息をのんだのがわかった。
私達が…超能力を持っている…?
「そ、そんな…ありえない!!!」
「じゃあそこの女子。俺に触れてみろ」
「…え、変態?」
「ちげぇよ!!!!」
私の体を支えててくれてた女の子が桃茂木さんの手に触れる。すると女の子が目を見開き桃茂木さんを凝視した。
そんな姿に私達も驚く。
「ど、どうしたんですか…?」
恐る恐る聴くと女の子はポツポツとつぶやき始めた。
「……桃茂木 真、28歳。特別戦闘課の指示担当。独身で彼女もいない。1月1日生まれ、A型。今思っている事は────とにかく信じて…欲しい?」
女の子が一気にしゃべり終わると私達は呆然とする。
何を言ってるんだ───?と。
しかし桃茂木さんだけはにやりと笑っていた。
「───あぁ。全部合ってる」
「え!?」
「今この女子には俺のプロフィールを見てもらった。この女子の超能力は……"サイコメトリー"」
「───!!」
【サイコメトリー】
実際には、サイコメトリーという能力の範囲の厳密な定義はないが、最も主な特徴は、物体に残る人の残留思念を読み取ることである。
「この女子の場合は…少し違うか」
「あ、あたしが…サイコメトラー…?でも…なんか良くわかんないけどわかっちゃった…」
「お前はこれから絶対触れなくてもわかるようになるぞ」
「本当!?」
「ああ」
─────すごい。本当に超能力が──…。
「この特別戦闘課の任務はその犯人を倒すこと。そいつを倒せるのは超能力者であるお前達だけだ。
やってくれる奴はこのまま話を聞け。一応忠告はしとくが──……この任務はいつ終わるかわからない。もしかしたら家族・友達を巻き込むかもしれない。───それでも人類・地球を守る覚悟があるやつだけ今ここで手を挙げろ」
桃茂木さんの話には、なんともいえない威圧があった。
それだけ真剣な話なんだ。──家族、友達は巻き込みたくないけど…私達みたいに危険にはさせたくない。
なら私達が───守ればいいこと!!!
簡単な事じゃないと思うけど………目には目を、超能力には超能力を………超能力者には超能力者しか戦えない。
「───私、やります!!!」
「!?」
「危険には巻き込みたくない。けど超能力者には超能力者しか戦えない…なら私が、私達が皆を守ります!」
「…そこの女の子の言う通りだね」
「僕はやるよ。皆守ってみせるさ」
「…私も。守る」
「しゃーねーな!俺がパパッとやってやるさ」
「そうね。あたしもやる!」
6人全員が笑顔で答えると桃茂木さんは最初目を見開いたがすぐ黒い笑みを浮かべた。
「よし。わかった。改めて…俺は特別戦闘課、指示担当の桃茂木 真だ。宜しくな、特別戦闘隊」
────と、特別戦闘隊…?
「あ、えと、私は夏秋冬 美春です!高校1年生です」
私がペコリとお辞儀をすると「じゃあ次あたしだね!」とサイコメトラーの女の子が手を挙げた。
「沢川 流希、高校2年!よろー!」
────に、2年生!!??年上だったの!?
沢川さんに続き中学生の女の子が凛とした声で喋り出す。
「兎島 玲羽。中学2年」
続いてベッドで仁王立ちをする背の低い男の子が叫んだ。
「俺は燕崎 刃也斗!中2!」
そのとなりのベッドに座っている前髪をいじる男子…。
「僕は紫水 洋。かっこよすぎる高2…宜しくね?」
─────正直男性恐怖症なのですが。
そして最後に6人の中で一番年上そうな男性。
「俺は宍吹 白夜。大学1年だよ」
個性的な6人が集まった特別戦闘隊───大丈夫なのだろうか。
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「まず沢川はサイコメトラーと分かったから置いといて…他の奴らだな。まず心を落ち着かせて集中」
桃茂木さんにそう言われ私達5人はベッドの上で目を閉じ集中する。
「体からオーラを出す感覚を。そしたら力が湧いてくる。そして目の前の紙に手を翳してみろ」
私達は一斉に目を開け1人ずつの前にある1枚の紙に手を翳した。
一番最初に反応があったのは燕崎くん。
「!!!あっ!」
燕崎くんが翳していた手からは炎が出ており、1枚の紙を見る見るうちに燃やしていった。
…よく火災報知器鳴らなかったな…。
「ほぉ。燕崎は炎使いか」
「やりぃ!かっけぇ!」
その次に反応があったのは宍吹さん。
宍吹さんの紙は水浸しになりながらふわふわと浮いていた。
「宍吹!お前水と風2つ操れるのかー」
「え、そうなんですか?」
どうやら宍吹さんは2つ超能力があるらしく、水・風使いだそうだ。
ちなみにまだ私の紙は反応なし。
「…あ」
小さく呟いたのは兎島さん。
兎島さんの紙は真ん中が丸く穴があいていた。
「これはもしかしたら…光を操るのか?屈折とかもありそうだな…。光で何かものを操れるかもしれないな」
「僕のも反応あったよ」
お次は紫水さん。
紙に植物が絡まっている。
「紫水は植物を操るのか。その植物をまた操れるようになるといいかもな…。で、夏秋冬は?」
「そ、それが………………」
────紙に反応が見られない。
まさか私だけ超能力ないとか…そんなオチ!?そ、それだけは嫌だ…!!!
「おい。夏秋冬?」
だ、だって私ちゃんと皆を守るって宣言したのに恥さらしみたい!!!こういう恥さらしみたいなの好きじゃないのにな…。
「…聞いてるのか?」
どうしよう…なんで反応ないの…。
「夏秋冬!!!」
「!!!???」
ガッと肩を強く掴まれハッとした私は、どアップでうつる桃茂木さんにビックリしてつい…病院ということを忘れ叫んでしまった。
「───き、きゃああぁぁぁ!!!!!!」
「────!!??」
「え!?」
男性恐怖症のため男性が駄目と言うのを忘れてしまっていた私はとにかく桃茂木さんに謝ろうと桃茂木さんを見た瞬間────私は頭が真っ白になった。
「───え?」
────なんで桃茂木さん浮いてるの?
「!?ぅわ、ちょっ……降ろせ!!」
「へ!?はわわ…え、えっと………」
《落ちろ!》と心で願ったと同時に鈍い音と共に桃茂木さんは地面に落ちた。
「あーびっくりした……」
「大丈夫!?────美春ちゃん!」
「俺の心配じゃないのかよ。…んー…夏秋冬は…重力を操ってるな」
「?じ、重力?」
「そう。例としてトラックが飛んできたとする」
(ありえない!!!!)
「お前が《軽くなれ》と念じればトラックは軽くなり、羽ぐらいの軽さになるかもしれない。
《浮け》と念じれば浮くかもしれない」
「それって…逆も出来るんですよね?例として敵に小石を投げてその小石に《重くなれ》と念じればトラック並の重さにして衝撃を与えるってことも…」
────自分で言っておいてあれですが…怖いこといった気がする。
「まぁそうだな。要はお前の気持ち次第だな。とりあえず皆、退院したらここまで来てくれ」
そう言って桃茂木さんは1人ずつ名刺を配った。
配り終えるとそのまま何事もなかったかのように去っていった桃茂木さんを見て私達はただ呆然とするしかなかった。
非日常のはじまりはじまり。