君が必要としてるのは、僕じゃない…きっと僕以上に素敵なひとが現れるさ…。
「君が必要としてるのは僕じゃない」
小さな手を握りしめ、僕は彼女から目をそらす。
「僕なんかより君にふさわしい相手がきっと現れる」
ジワリと目に涙が浮かぶ。グスンと鼻を鳴らし、僕はそっと彼女の手を放す。
走り出そうとしたら肩を掴まれた。
「止めるな大久保。僕はあの夕陽に向かって走る。彼女は僕には勿体無いんだ…解ってくれ」
「見捨てる気~? じゃあオレが拾う~」
「お前の家も犬居るだろ!」
「愛に種族は関係ないよ~」