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22話 はっきょースパイラル!! ~世捨人はやりたい放題な願い事ばかり~

 「今から願い事を叶えるんだねっ!! すごいすごいっ!!」


 「くだらない願い事するんじゃないわよ」


 ハルハル、いや、晴人くんの周りにいる2人の女の子。


 「モテモテなんだね、晴人くんって」


 「茶化すな」


 「そーだよー。わたしだって選ぶ権利はあるよー!」


 突然友達に突き立てられた言葉のナイフは晴人くんをぐさっと突き刺す。


 今、僕達は東京駅の前に集まってる。なぜかって? 願いを叶えるためにさ!


 ここに迎えに来るんだよ! なにがかって? Vector社のお迎えの車だよ!!


 「というか、聞いた? 社長自ら迎えに来るんだって! すごくない!?」


 「お兄様に会うのは、何年ぶりでしょうか・・・・・・」


 「そうか、少し複雑な気持ちも・・・・・・」


 「どうせ、身長は大して伸びてないに違いありませんわ。昔っからコンプレックスでしたものね!」


 さすがかりんさんだ。並の精神力じゃない。


 整理すると、今ここには僕とかりんさん。晴人くん、藍ちゃん、律帆ちゃんと、なんか知らない人がいる。なんでも、咲也って人らしいけど、僕が今まで聞いた話には登場しなかった人だ。


 「はじめまして、君がかりんの彼氏さん?」


 「いや、まだ彼氏でもなんでもないですが・・・・・・」


 「やめてくださる? お兄様。恥ずかしいですわ」


 「えっ!?!? どういうこと!? お兄様って、もしかして、失踪してたほうのお兄さん!?!?!?!」


 「そうですわよ」


 「ここに来るって知ってたの!? というか、生きてたことに驚かないの!?」


 「うちの家系は代々しぶといんですの! 死ぬなんて思いませんわ!」


 「うん、僕もここで初めてかりんと再開したけれど、別に驚かないよ。流石我が妹って感じだね」


 「こえー・・・・・・」


 なんでも、ここにいるメンツは全員Vector社に立ち入ってもいい許可をもらっているらしい。僕達もざいぶ6期生は分かるけど、他の3人が来るとは思ってもいなかった。


 「えっと、律帆ちゃんだっけ、もう大丈夫なの?」

 

 「まるで病人扱いね。大丈夫とは言えないわ、まだだれも信用してないことには変わりないもの、でも、少しは心も軽くなったかしらね。」

 

 「そうなんだ、それはよかった。」


 左手をちらりと見やると、確かに小指が1本足りない。本当に切っちゃって、無くなったんだ。


 「心配してるなら、余計なお世話よ。左手の小指なんて、めったに使うことないもの」


 「そ、そうかな・・・・・・」


 「それに、イマドキ指なんて使わなくたって日常生活に支障はないでしょ。BMIがあったら何でも操作出来るわよ」


 そんな話を各々がしていると、大きな一台の車が僕達の前に止まった。


 「お! 揃ってるねー! 早く乗ってくれる? バレると色々と面倒でしょ?」


 運転していたのは社長だった。かりんさんの言っていた通り、なんだか軽い口調なのにどこかからっぽな感じがして、怖い人だ。


 咲也さんが助手席、子どもたちは一番うしろに乗って、僕とかりんさんは真ん中の2人がけの席に座る。


 「お兄様、久しぶりですわね・・・・・・」


 かりんさんは、口ではああ言っていたけれど、手がわずかに震えていた。僕は、その手を握って、かりんさんにエールを送る。


 「久しぶりだねー! 咲也も! やっぱり生きてたかー! そりゃそうだよね! 僕の血が流れてるのに、そんな簡単に死ぬわけないし!!」


 Vector社までは20分ほどかかる。社長は車を自動運転モードにして、座席を大きく後ろに倒してにやにやしていた。


 「せ、狭い・・・・・・」


 「君は、確かかりんと同棲してるって話だよねー! はっはっは! よかったねかりん! 拾ってくれたのがいい人でさ! もし間違えてたらタイヘン! ヘンタイなことになってたかもだよ!」


 「そうですわね、本当に、良かったですわ」


 かりんさんの手を握ったままの僕の手が、今度は握り返された。


 「それにしてもー! 僕と血の繋がった血族? っていうの? こうして”4人”も集まるといいねー! 楽しいねー! 運命を感じるよね!」


 「え? 3人ですよね?」


 「そうですわよ」


 「ん? なに言ってんの? 4人だよ?」


 ・・・・・・。


 ・・・・・・・・・・・・。


 がやがやしていた雰囲気が一気に瓦解した。


 「えー? 分かんないの? じゃあ、整理するよ?」


 そうして、社長は間髪入れずに言った。


 「まず、長男の僕と、次男の咲也。そして、末っ子のかりんだろ?」


 ・・・・・・。


 「そして、僕の子供の律帆。ね? 4人じゃん」


 り、律帆ちゃんが、Vector社社長の娘・・・・・・!?


 “「私、知ってるんだから。私がお母さんの本当の子供じゃないことくらい」”


 “「もう! やめてよねー! 殺したりするわけないだろう!? たださ、僕の奥さんも子育てで仕事に手がつかないようだったから、養育費だけ払ってどっかの人に丸投げしたんだよ!」”


 ぜ、全部繋がったぞ!


 つ、つまり時系列にまとめると・・・・・・。


 社長が親の会社を引き継ぎ、VTuberバトルを立案、大ブームを起こす。

 ↓

 社長が結婚、子供を産む

 ↓

 次男の咲也が失踪

 ↓

 産んだ子供を断捨離と称して、今の律帆のお母さんに預ける。同時に、かりんも勘当


 始めから、繋がっていたんだ・・・・・・。律帆ちゃんは、親のことを聞いて混乱した結果ホリィ事件を起こした。もちろん、そのきっかけを作った咲也さんが悪いけれど、そもそも律帆ちゃんが本来の家、社長の娘として生きていれば、こんなことにはならなかったんじゃないか!?


 「なに、私の本当の親とか、今はどうでもいいわ。私にはお母さんしかいないもの。今更、それを知ったところで」


 「咲也さんは知ってたんですか?」


 「うん、律帆にお父さんが別にいると言ったのも僕だ。でも、お父さんが白夜だということはまだ伝えていなかった。こうして、兄さんに自分の口で言ってもらうべきだと思っていたから。でも、こんなあっさり流されるとは、思わなかったけど・・・・・・」


 突然、本当のお父さんがVector社の社長だなんて話をされてもたじろがない律帆ちゃん、やっぱりかりんさんと同じ血を継いでるんだなって思った。


 「はっはっは!! やっぱり僕の娘だねー!!」


 「じゃあもう1つ聞きたいんだけど、私の弟はどうなの?」


 「あぁ、あっちは僕とは関係ないよ。調べたんだけど、児童福祉施設から預かった子らしいね。律帆の家族が母親だけだと不自然に思われると思ったのかも知れないし、シンプルに子供が好きなのかもね! まあ、そんなのどうでもいいし、知ったところで、でしょ?」


 「・・・・・・そうね」


 まさか、願い事を叶える前にもう一つこんなハプニングが起こるとは思わなかった。でも、律帆ちゃんも成長したということだろうか、落ち着いて状況を飲み込んだ。


 その後も、別にギスギスした雰囲気になることはなかった。みんな、自分の試練を乗り越えたからだ。僕達は既にやりきった、後はウイニングランだ、勝者の凱旋だ!


 そうして、僕達はVector社の前にたどり着く。Vector社のシャッターはこの車が近づいただけで普通に開いて、すぐさま閉まった。


 「さて、用があるのはもざいぶ6期生のみんなだけだからね、他のみんなはあっちのほうで遊んでてよ」


 「なかなか入れない兄さんの職場・・・・・・。せっかくだから見て回るとするかな」


 「うーん、私はあんまり楽しめないかもー! 殺風景だよー!」


 「私は逆に落ち着くわ、なぜかしらね」


 「それじゃ俺は行ってくる」


 「願い事はなににするの!?」


 「後のお楽しみだ」


 そして、僕達は社長に連れられて、エレベーターに乗り、真っ白な廊下を進み、そのうちの1つのドアに入った。


 「まずは、この機械で全身を洗浄、殺菌してね! これから先にある機械はとんでもなく精密なものだから、チリ1つでも入っちゃったら大変なんだよ!」


 僕達は、目の前に用意された3つの機械にそれぞれ入る。少し怖かったが、少し音を立てて空気が出たかと思うと、すぐに機械は開いた。


 「よーし! それじゃ、説明に入るよー!」


 巨大な機械が中央にあるだけの、白一色の部屋の中に、僕達3人と社長が立っていた。


 「それじゃ、君たちの願い事を言ってみてよ!」


 「その前に、願い事の制限を教えてくれ」


 「うん? そんなのないよ?」


 「流石に、そんなわけないんだろ?」


 「それは私の力を超えている・・・・・・とか言って、叶えてくれないみたいな事あるんですよね?」


 「だからー! ないってば! なんでも! 叶えてあげるって言ってんの!」


 「それじゃあ、俺が死んだ人間を生き返らせるって言ったら?」


 「蘇らせるよ」


 「でしたら、わたくしが世界の全てをお菓子に変えてしまえと言ったら?」


 「変えてあげるよ」


 「ふざけるなっ! そんなこと出来るわけないだろ!!」


 「もー! 僕は最初っから言ってるよね!? なんでも願いを叶えるって! あ、ここだけの話、願い事を増やすのもOKだよ? 最後だからねー、特別に暴露!」


 「じゃ、じゃあ、僕はまず願い事を100個に増やして貰おうかな」


 恐る恐る言う。


 「おっけー。叶えたよ」


 「え? もう?」


 「信じられないなら試してみれば?」


 「じゃ、じゃあ、かりんさんの手作りカレーが食べたい」


 と、願いを言った瞬間に、空中にカレーが現れた。


 「おっとっと!」


 なんとかキャッチする。出来たてだ、一口食べてみると、かりんさんが作ったカレー特有のガラムマサラの濃い香りがする。


 「じゃ、じゃあ! この部屋の中だと実感が湧かないから、僕の部屋にここにいるみんなを移動させて!」


 そう言うと、再び願いが叶い。僕達4人は全員僕の部屋へと転移した。


 「ゆ、夢見てるんじゃないよね・・・・・・? 僕の頬を引っ張ってみて」


 かりんさんが僕のほっぺたをつねる。


 「いだだだだ!! 夢じゃない!!」


 「もちろん、これが、全ての願いを叶える機械の力だよ」


 「こ、こんなの、信じられねぇ・・・・・・」


 「よく言う話だけど、一般人が目にしてる技術ってのは、実際はめっちゃ遅れてるんだよ! 例えば、警察が使う操作の方法も、実際にワタでぽんぽんしたりするのはドラマの中だけ! あんなの数十年前の手法だよ!? 対策されたら困るから、警察も最新の捜査キットは隠してるの!」


 「つまり、そういったほんとうの意味での最新技術の集大成が、これってことか」


 「そうそう!」


 僕は、なんだか一気に冷めてしまった。


 もっとワクワクするものだと思ってた。でも、なんでも出来るって、これ以上につまらないものはないんだって、手にしてみて思った。


 「これじゃあ、心が先にすり減るよ・・・・・・」


 僕は、試しに社長を思いっきり殴ってみた。


 「いっ!? 痛いなぁ!」


 時よ、もどれ。


 「つまり、そういったほんとうの意味での最新技術の集大成が、これってことか」


 「そうそう!」


 戻った、何事もなかったかのように。


 今度は晴人を殴ってみる。


 「痛ってぇ!! なにすんだ!!」


 時よ、もどれ。


 「つまり、そういったほんとうの意味での最新技術の集大成が、これってことか」


 「そうそう!」


 今度は、かりんを殴ってみた。


 「・・・・・・え? い、斑鳩さん・・・・・・なんで・・・・・・」


 「お、おい! なんのつもりだよ!」


 消えろ


 僕の思ったとおりに、晴人と社長は消えた。


 「なっ!? なんで、いきなりこんなことをするんですのっ!? お2人はどこへ行ってしまったんですのっ!?」


 「死んだよ。僕がそう願ったから」


 「そ、そんなひどいことっ・・・・・・なんで突然」


 「僕に逆らったら、かりんも殺す。って、言ったら?」


 「え、い、嫌ぁ、ですわ・・・・・・」


 僕は、かりんの肘をつまむ。


 少し体が熱いようだ、目を見ると、赤くなっていて、少し潤んでいる。


 「僕が、もし突然狂ったら、こんな感じなんだ」


 「あの日のお兄様と同じですわ・・・・・・やめ・・・・・・」


 今度は、かりんさんの長いまつ毛を撫でる。10秒ほど、撫でる。


 かりんさんは、いつもとは違って無口になってしまった。


 「なんで喋らないのかな? 突然、僕の機嫌を損ねて消えるのが怖いから? 僕がこわくなっちゃったの?」


 僕は、自分の能力で、かりんの心の中を見る。


 『なんで・・・・・・嫌、私の好きだった斑鳩さんは、偽物だったんですの? 嫌、嫌ですわ・・・・・・』


 「へぇ、今までの僕は偽物で、本心じゃなかったと思ってるの?」


 「ちっ、違っ・・・・・・」


 「僕も、かりんさんのことは好きだよ。かわいいし、いつだって憧れだった」


 かりんの心を見る。


 『こわいこわいこわいこわいこわいこわい』


 ・・・・・・人って、ダメだ。僕の告白に喜んでくれないなんて。1年間一緒だったのは、こんな一瞬で逆転してしまうんだ。


 それでも信じてくれる人間なんて、フィクションだ。実際は、どれだけ好きだった相手でも、一緒にいて幸せだった記憶も、ほんの一瞬の今の状況で変わってしまうんだ。


 だったら、人といる意味って、なんなんだろう。一瞬で書き換えられる。そんな人生の意味って?


 僕は、それを知りたくなった。


 とりあえず、願いを無限回に増やして、何度か繰り返してみよう。


 「いだいぃーー!! 痛いですぅっ!!」


 かりんの腕を一本落としてみた。へぇ、人って、こんなうめき方をするんだ。というか、こんなに想像を絶する痛みを感じてもなお、痛いってはっきりいうんだね。


 すぎに足を落としてみたら、どうなるだろう、やってみる。


 「あぁぁぁl!!!! あぁぁぁlっ

!!!!」


 でまだ、少したったら動かなくなった。


 時をもそちせ、今度は別の人間にやってみたらどうなるだろう、


 「や、やめてえぇぇ!!」


 AITbuerの黒部ランをいじめてみた。彼女は人懐っこいから、こういう時にいい反応をすrう


 「お、おねがいですぅっ!! や、やめて・・・・・・」


 「がんばったら、褒めれあげるよ

」


 「それ?ぇもぉっ、無理ぃ!! おねがいおんげあいなおんげいあ!!」


 だめか、じゃあ、どこまでやってくれるかやってみようm。


 「はいっ! うどんさんのためならがんばりますよ

!」


 じゃあ、一回回ってにゃんってやってみて「」


 「はい! くるちっと、なyん!!」


 「じゃあ次は、一回殴られてよ、僕に」


 「はい! 褒めてくれるならさんぼだっくにもなりmすしょ!」


 どgこぉっ


 「い、いだぁ・・・・・・」


 「ありがおつm,すごくいい感触だったよ。さすが、がんべれる偉いkと亜。」


 「は、じゃい。。。。。、頑張りました! ほかに、出来ることはありますか?」


 「そうでな、あじゃあ、次は2はう、次は5発ってかんじてたっいぇみようか。

」


 「」そ、それは流石にいちゃです・・・・・・他になにかないですか?」


 「ない、これしかない。それ以外にやらせない。」


 「そ、そんなぁ」


 2発、4発、8発、と、繰り返しふあしていった。最初は笑顔があったけど、繰り返しやるうちにどんどんえごはなく鳴って、やげた、喋らなくなった。


 だめだ。


くだらない

 

 しょせん藍チューバーだからだろうか。じゃあ、次は、実際にいる人間wでやってみりょう。


 茉優をなぐた。


 なないmを蹴った。


 そからの全く知らない人間をけってきたら、涙で懇願してきた。でも、だめだ、白にアヒトwお攻撃してもまったくなにもここrのにgひびかない。やっpらり、知ってる人じゃないと。


 じゃあ、知らない人を知ってる人にしたらどうだろう。試しに、知らない人との思い出もw僕の中に移植性手ミア。すると、驚くことにちゃんと心が動いた。たのいしい。


 でも、やっぱりだめだ。秋保。じゃあ、次は僕の記憶を消してみよう。


挿絵(By みてみん)


 僕の記憶を全部消す、そsちたら、きっと神殿ノア気持ちでたのしめるはずだrかr 。


 じゃあ、あの日、僕が全知全能の力を手に入れた子機まで元dって見よう。

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