表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
1/11

1 謎の美少女

賑やかな街を一人の美少女が歩いている。高校生らしく、ブルーの制服を着ているが、実はこの服は制服そっくりではあるが、彼女の祖母が丹精込めて作ってくれた魔法の服なのだ。


特殊な繊維でできており、彼女が思った通りに形が変わり、色や模様も自由自在に変わるのだ。

「街に出かけるのだから、少しおしゃれしようかしら。」


それまで制服の形だった服はみるみるうちにワンピースとなり、そこにはカラフルなオレンジやレッドの花々が咲き誇っていた。


「ちょっと冒険しちゃおうっと。」

するとワンピースの丈が少しずつずれ上がって短くなり、膝上5センチほどの短さになった。


「ちょっと短すぎるけど、まあいいわ。人の目が気になったらすぐ長くできるし。」

紺色のミニのワンピースと赤い靴が似合っている。


特に目的もなく散策を楽しんでいるようだ。彼女がふと左の方を向くと、ある区域を歩いている女子たちが不快そうに顔をしかめている。


どうしてかなと気になってよく見ると、一人の若い男がタバコを吸いながら歩いていて、その煙が女子たちの方にたなびいているのだ。


すると男は急にタバコを火がついたまま近くに投げ捨てた。そこにはクリスマスローズが咲いているのだが、タバコが花の近くに落ちたので、火が葉っぱに引火しそうな勢いであった。少女は男に向かって言った。


「あなた、今投げたもの、ちゃんと火を消してゴミ箱に捨てなさいよ。」

すると男は

「嫌だね。気になるんならお前が処理すりゃいいだろ。」


少女が右目を瞬くと、火のついたタバコは宙に浮き、男の方へ飛んでいき、男のショルダーバッグが開いてその中に飛び込んだ。そしてバッグは燃え始めた。


「あちち、てめえ、何したんだよ。あっちいじゃねえか。」

少女はそれを無視してさも何もなかったかのように踵を返して歩き始めた。怒った男は少女の後ろ姿をじっと見た。


「なんだ、ミニスカートなんかはいてきどってやがる。よし、恥かかせてやるぜ。」


男はバッグの火を揉み消すと、そこから釣り針のついた釣り糸を引き出し、少女の後ろから彼女のミニスカートに向けて投げつけた。


釣り針は勢いよく飛んでいき、ミニスカートに近づき、もう少しでスカートの裾に引っかかりそうになった時、ミニスカートは急に下へ伸びてパンタロンになってしまい、釣り針はパンタロンに当たって地面に落ちたかと思われた瞬間、釣り針は急に上昇して向きを変えると男の方へ向かってきた。


「うわあ、こりゃ一体どういうことだ?」


そしてみるみるうちに釣り糸は男に巻き付いてしまい、男はそのまま地面に倒れてしまった。少女は背後の動きを察知することができ、釣り針が飛んできたので魔法でスカートをパンタロンに変えて釣り針を撥ね返したのだ。


また釣り針を逆に男の方に飛ばして巻きつけたのは、物体を自由に動かすことができるという彼女の得意とする魔法の一つなのだ。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ