表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
最強スケルトンに恋をした ~嫁達が強すぎて魔王認定されました~  作者: HK技研
最強スケルトン出会い

この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

80/277

作られた魔人

蓮華会の存在を俺は知らない。それは宗教に疎いとかではない。

俺が生まれる前、それも三世代は前の話だからだ。


「年がばれちゃうね」


「それは気にしないが」


「本当に気にしてないのがセトらしいね。まぁレンが飛び抜けて年齢が高いか」

ヴェルが言うが、微塵も気にならんな。


「協力者などを潰し切らなかったのか、あるいは大教会が秘匿しているか」


「仮に大教会が関係してるなら、あの場で焼くことにこだわるより、回収するんじゃないのか」

「トーマスへの見せしめか、村への見せしめか」


「多くの人をゾンビ化させ、そのゾンビで村を潰す気だったのかもしれません」

「だが、アッシュとヴェルの助けがあった。だから、全滅には至らなかった」


「……それでも、中途半端な助けになってしまいました」

アッシュの言葉に、自責の色がにじむ。


「そんなことはない」

 俺は首を振る。


「少なくとも、俺はそう思ってるよ。それにリザが残った」

アッシュは悲しげな目で俺を見る。


「救いに見えるかもしれない。でも、狙いは胎児の方だった」


「リザが“残された”理由は、それしか考えられない。お腹の子を“回収”したから、用済みになったのよ」


「じゃあ、リザは……」


「“器”だった。最初から、それだけのために」


「ゾンビにさせる理由は、死ない母体が必要だった。お腹の子はゾンビでもない何かかもしれない」

「母体を壊すほどのってなんだよ」


「不死を目指した蓮華会は、似たことを繰り返してきた」


「吸血鬼因子を混ぜた母体から双子が生まれたこともあったわ」

「それ、まさか……」


「そうよ。私たちは蓮華会で“生まれて”、蓮華会を“潰した”の」


アッシュが静かに答えた。その瞬間、空気が変わった。


「ヴェルと私は、実験体だったの。“不老不死”として育てられてた」


赤い瞳が、真っ直ぐ俺を射抜いた。


「それが、“私たちの始まり”よ」

「……それでも、お前たちは教会に入ったのか」


「そうよ。皮肉でしょ?あの時は教会の協力が必要だった」


「私たちは誰よりも蓮華会を憎んでた。なのに……全部を潰せなかった」

アッシュが苦しげに目を伏せる。


「その技術が、リザに使われたのね」


「そう……そしてあの子は、おそらく“新しい技術”を使われた」


「ゾンビでも吸血鬼でもない、何か……?」


「“魔人”よ。完全に人を超えた、新しい種の創造。それが、蓮華会が最終的に目指すのは“魔王”の完成形」


俺は背筋に寒気を感じた。



「魔王……?」

俺の口から漏れた言葉を、誰も否定しなかった。


「ただの称号の魔王じゃないわ」

アッシュが言う。


「“人を超えた存在”──支配する側としての進化体。不死、魔力、適応力。すべてを兼ね備えた、神にも悪魔にもなれる個体」


「それを、胎児から作ろうとしてた?」


「ええ。母体にゾンビ因子、吸血因子、多分モナの父親の因子……」

 ヴェルの声には怒りが滲んでいた。


「どこかで成功例が出たのかもしれない。リザはその再現を目指した試作。……失敗でも成功でも、彼らにとって は“次に進む材料”でしかない」


「ふざけんな……!」


俺は拳を握り締める。リザの笑ったような表情が、胸に突き刺さる。


「けど、あの子は残った」

 俺ははっきりと言った。


「“器”として終わらせない。誰かの道具として作られても、あの子は“俺たちの家族”だ」


ヴェルとアッシュが、それぞれ目を細めて頷いた。


「そうね、だから守るの」


「私たちが今度こそ“過去”を終わらせる」


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ