フィーナの本性と筋肉祭り
セラとアッシュの返事は保留してるのにルナへの返事を了承したために。軽く怒られた。
だってねぇ。セラのお付き解任とか言うからさ。
結果、ルナの決意を見るためで解任はしないようだが、セラも家族になった場合どうなるんだろうな。
など、思案してると。フィーナが真剣な顔してくる。
「私もここにいていいんでしょうか?」
俺としては、もうここまでくると恋愛ではなく共同体に近くなってる。
レンとモナとヴェルは、少し特別だ。順位って訳ではないが、特別なのだ。
「構わないよ。俺の嫁とは別枠でも問題ない」
「いえ、そこは嫁としての方がいいのです」
「そうなの?」
「あれ?ルナさんは快諾したのに」
「いや、そういう訳ではないが、フィーナって俺に惚れてたの?」
「人として素敵だと思いますよ。あと細い人が好みというか」
「あんな筋肉だらけの所にいるのに、細身が好きなのか?」
「細身が好きだから、あそこにいるというか、
私、中性的な方いや、少年のハーフパンツが好きでして」
んん。
「ルナさんなんて中性的に見えるので、ぜひ履いてほしいというか」
んんん。
「あと複数とか縛られるとか興味あります」
「待て、聖職者!」
「はい!」
「君はあれだ、ルナからの許可待ちだ」
「待ってください!改善はしてるんです!未成年は……諦めました!」
「……つまり細身――というか“少年”が好みだから、あえて“聖撃”に入ったって話か」
「はい。性の煩悩を“撃砕”するために。発散もかねて門を叩きまして」
「……で、煩悩退散と頑張ってたら、そのまま聖騎士にまでなったと」
「そちらは……少し事情が違いまして。もとは“大教会”所属だったんです」
「ほう」
「それなりに評価もされていました。ですが……」
「ですが?」
「――聖歌隊の少年に、心を奪われまして」
「おい待て」
「ご安心を。未遂です」
まったく安心できねえ。
あと聖撃って、そういう場所だったのかよ。
……いや、待てよ。マグナスのアレを見てれば納得だな。
あいつ、突き抜けすぎてて逆に清いまである。
「迷惑をかけない範囲で突き進むことも、“道”かと」
うーん。なんだその悟り。
「ちなみに、純粋に“鍛えたい”だけの人もたくさんいますよ」
「それは安心した。全員がそっちの業火ルートだったら、もう俺近寄れないわ」
……これから、何度か通うことになるのに。怖い場所だと知ってしまった。
「セトさん、けっこう人気ありますし」「怖いよッ!」
なんで“筋肉祭り”の奥で人気出てるんだ俺。




