【アッシュ挿絵】魔法と服と趣味と
帰宅後。
今日はヴェルとアッシュも我が家で夕飯となった。
アッシュがブラウスの前を開けてキャミソールと短パン姿だ。
目のやり場に困る。ヴェルと似てるが、違う色気がある。
「キャミソールが赤いのは趣味か?」
しまった声に出してしてた。
「これは色というか素材の着心地が良かったので、まぁ色も気に入ってますよ」
少しだけ頬を赤ながら言う。
良かった罠踏んだかと思った。
「アッシュのおっぱい見ながら何言ってんの?」
回避はしてなかったヴェルが横から斬り捨ててきた。
「見てないよ。いや見てたか」
「見てたよ」
モナは無邪気に言い。
【見てた】
レンはボードに大きくかき。
「私の見てもいいよ」
ヴェルはメイド服の胸元を開こうとする。
「私ので良かったら」
アッシュも負けてない。なんなのこの姉妹。
「てか、帰ってくるなりメイド服脱いだの?」
苦し紛れに聞くしかない。会話よそれろ!
「脱いだというか消えましたね」
「消えた?どういうこと?」
「アッシュはある程度のメイド服を魔力で作ってるんだよ。私もだけど」
「魔力で服が作れるのか」
「作れるよ。けどメイド服まで作るとなるとちょっと難しいよ」
「その話詳しく」
会話もそれて、モナの装備も片付くかもしれない。
「魔力で物体の形とかある程度変えるのはセトもやってるでしょ」
ヴェルに言われるが、俺は頭をひねる。ヴェルがレンのことを指差す。
なるほど、人工スキンもある程度形を変えてるか。ワンドを通しての魔力なので実感がなかった。
「レンの肌は元があって変形で定着してるけど、魔力そのものも混じってるの」
アッシュが説明してくれる
「元がなくても魔力である程度は見せることができる。私の炎も細かくは違うけど似たようなもの」
指先に炎を出し、すぐ消す。
「それが布になると」
「実物になるわけでもないけどね、そこがスキンとは違うところね」
片膝を抱え込みながら、少し眠そうだ。疲れてるのかな。
「メイド服は複雑で大変なんだけど、魔力操作としては面白いんだよ」
ヴェルはまだまだ元気そうだ。今度はヴェルが説明してくれる。
「魔力をそう見せてるだけなんだけど、セトは好きそうな魔法といえばいいかな」
確かにものづくりは好きだ。魔法は、ワンド使っての定着しかできないぞ。
てかあまり聞いたことがない魔法だけどな。
「ほっとけば1日程度で消える魔法だからね。あまり習得する人もいないだよ」
「使い道が限られるし、残らないのか」
「そう、だから緊急用か暇つぶし用ね」
「服の魔法は役に立ちそうだけどな」
「魔力で多少温度保つけど、そうすると、夏は暑いし冬は寒いのよ。実物きた方がいいわ」
ヴェルもいつの間にか、キャミソール姿だ。こっちは黒いキャミソールとホットパンツ。
ガン見しても怒らないだろうが、ほどほどにしておこう。
「そのキャミソールは?」
「これとホットパンツは実物。魔法だと着心地もないし。気分的には全裸だから落ち着かないの」
「あくまで緊急か趣味か」
「そう。マント一枚変形させてた方が、効率はいいわよ」
実用には使えなくとも、緊急には使える。
何より俺の趣味に合いそうで、ワクワクしてきた。
レンとモナは理解が追いつかなかったか寝てた。アッシュも眠そうだな。今日はうちに泊まるのかな。
ヴェルだけが、獲物を狙う目で見ている。俺は寝れないのかな?
――と思ったら、そのヴェルが急に真顔になって口を開いた。
「セト。ゾンビに襲われた村。……あなたにも来てほしい」
思いがけずPVが伸びてますが、最新話付近を追ってくれる人に支えられてる気がします。
いつもありがとうございます。