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武器選びと相手選び

折れた剣を繋ぎ直すことはできなそうだ。耐久力が格段に下がる。

ならば折れた部分からショートソードにするか。

1本は長さがあるからできそうだが、もう一本はどうしたものか。


途方に暮れている俺の横目で、レンが何度も刀を抜き差ししている。

様になっているが、本人は首を傾げている。


レンはなんでも使いこなす。本人は武器に執着を持ってない。

【あるものを使う】

【守りも考えると2本あると便利】


筆談ではそう言ってた。



バックラーも俺に預けっぱなしの時もあるから、戦闘方は変幻自在だ。

そのレンが珍しく、執着しているように見える。

今回ばかりは少し様子が違う。……やはり、“あの柄”が理由だろうか。


考えがまとまらず、頭を掻いた。いったん、専門家に頼ることにしよう。鍛冶屋に行こう。


レンはまだやってるので、モナを誘うことにする。

「行く?」と聞くと、モナはぱっと顔を明るくして頷いた。

モナの武器も、今はまだ借り物のままだ。――ついでに見てもらうとしよう。


鍛冶屋の前ではドワーフの少女が石を吟味してる。鍛冶屋の娘フェルだ。

「おー暇なおじさん久しぶりだな」


俺のメンタルを抉る一言。だが、仕事してないように見えるが、今月の収入は過去最高だ。


出費は家を買った時の次に多いがな。あと家が担保に入ってるが気にしちゃ負けだ!


「だから仕事をしにきたんだ、親父さんいるか?」

「いるけどしばらく手が離せないな。あれ、その子」


俺の後ろに隠れていたモナを見つける。


「働かないおじさん、誘拐はダメだ」

おい、具体的な罵倒に冤罪まで盛ってくるのやめろ。


「誘拐じゃありません。俺の嫁です」

「!?」


意外にも大きく反応したのはモナの方だった。あれいけなかったか?


「うわっ……なんて早まったことを……」

心底驚いてるのか石をてから落としながらフェルもびっくりしてる。


「ねーねーこのおじさんのどこが良かったの?」

うむ。遠慮がない。本人の前で言いづらいだろその手の質問。


「…優しい…ところ…と」

「と?」

フェル食い気味だな。そんな興味あるのか。


「…レンととても仲が良いところ」

「へぇー。レンって誰?」


「俺の嫁さん」

「はああああっ!?!?!?」

さすがのフェルも絶叫。まあ無理もない。

重婚は別に罪にならないが、経済力か魅力が必要だ。

そして俺には前者がない!つまり


「俺の魅力がなせる技ファ」いかん、自分に酔いすぎて噛んでしまった。


「獣婚で重婚だった。おねーさん相手選びはもっと慎重にね」

フェルは妙に納得した顔で、さらりとスルーした。

おい、俺の“魅力”に触れろよ。

モナは嬉しそうに笑っている。



フェルなら、モナもすぐに打ち解けるだろう。


どうやらガールズトークが始まりそうなので、俺はそっと店の中へ入っていった。

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