第54話
「うん」
「それはそうと、我らはまなみ様やとしゆき様を元の世界に戻す責務がある」
ドルダがそれをいうと、としゆきが、すかさずしゃべり出した。
「そのことだけど、この部屋の奥に大きな鏡があるんだけど、魔法使いはその鏡を通り抜けて、ぼくらの世界に行ったらしいんだ」
「それは確かなのかい」
ラビネが訊き返すと、としゆきは大きく頷いた。
「ぼくあいつに訊いたんだ。どうやってぼくらを異世界へワープさせたのかを。そしたらあいつ得意げに鏡のことをしゃべったんだよ」
「それが本当なら、すぐにでもとしゆき様たちを元の世界に返そう」
ドルダは、そういうと、さっと立ち上がり、まなみやとしゆきたちを促した。
「あ、あの」
としゆきは、急に改まった声をあげると、ドルダやラビネ、グリラス達を見つめた。
「なんだね」
ドルダが不思議そうに、としゆきを見つめると、としゆきはしどろもどろになりながら、こういった。
「迷惑かけてすみませんでした。いいつけを守らずに勝手な行動をとってしまって。ヴィルアルにも謝っておいてくれませんか」
それを聞いたドルダは、ははっと笑った。
「わかった。伝えておく。しかしとしゆき様、あなたが一番謝らなければいけない人がもう一人いるのでは」
ドルダは、まなみの方を見やりながらそういった。それに気づいたとしゆきは、さもいいにくそうだったが、ぶっきらぼうな口調で謝った。
「まなみ、迷惑かけて悪かったな」
まなみは、きょとんとしていたが、そのうちにやりと笑うと、こういった。
「いいよ、別に。無事だったんだから」
まなみは、ちょっと大人の気分だった。




