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第50話
その間、ドルダとラビネは必死にダークの傷を治そうと魔法をかけ続けた。そしてなんとか傷をいやしたが、それでもダークは化け物の頭を離そうとしなかった。
それを見たドルダは、無念そうに首を振ると、まなみとラビネにいった。
「とにかく今はとしゆき、ロザリオ姫、グリラスの三人を助けに行こう。それが先決だ」
「ダークはどうするの」
まなみは、心配そうに呟いた。
「傷はいやした。しかし人の心を取り戻すことはできるのか。それは我らにもわからない」
「そんな!」
悲しみのあまり、まなみの心は張り裂けそうだった。
「ヴィルアル様だったら、なんとかしてくれるかもしれません。きっといい知恵を授けてくれるはずです。ダークは善意から人の心をなくしたのですから」
「うん……」
まなみは鼻をすすりながら、頷いた。
『そうだよ、ダークはわたしを助けるために魔法の封印をといてくれたのだから。きっといい方法があるはずだもん』
「さあ、まなみ様。泣いていてはダークが元にもどった時に、また意地悪をいわれてしまいますよ」
ラビネは、無理矢理笑顔を作りながらも、やさしい口調でそういった。
「そうだね」
まなみは涙を拭くと、笑顔になった。
「では、参りますぞ、まなみ様」
ドルダの声とともに、三人は、ダークをその部屋に残したまま、塔へと続く階段をのぼって行った。




