第45話
「わかった。それならば、この魔法の粉を持って行きなさい」
かれは懐から、小さな透明な小瓶を取り出した。中には、きらきらと光る金色の粉が入っていた。
「これは?」
まなみは、不思議そうな表情を浮かべながら、その小瓶を受け取った。
「それはどんな願いごとも一つだけ叶えてくれる魔法の粉だ。だが使えるのは一回のみだ。粉をふりまきながら、願いごとをいえばいい」
ヴィルアルは、きりりとした口調でそういった。
「ありがとうございます」
まなみは、その小瓶を大切そうにポケットの中にしまいこんだ。
「わたしが手助けできるのは、ここまでだ。魔法使いの城へ行きたいなら、としゆきが開けた黒いドアがまだ城へと通じているはずだ。急ぎなさい」
「なにもかも本当に済まない。ヴィルアル」
「申し訳ございません、ヴィルアル様」
ドルダとヴィルアルが頭を下げていると、どこからともなくダークの声がした。
「けっ、いつまでも戻ってこないと思ったら、小僧がとんでもないことをやらかしたようだな」
「ダーク?! おまえいつからいたんだ」
「いつからでもいいだろ。話は、ほとんど聞かせてもらったぜ。早く行った方がいいんじゃねえか」
ダークは鼻を鳴らしながら、そういった。
「それはそうだが……」
ドルダが困ったような表情を浮かべていると、ヴィルアルが後押しした。
「わたしのことは気にするな。ダークのいうとおりだ。早く行った方がいい。悪しきものに通じるドアではあるが、悪しきものは、その他にもいるものさ。早く行かないと別の悪しきもののところへ通じてしまうぞ」
それを聞いたドルダは、頷いた。
「それもそうだな。では、まなみ様行きましょう」
「ヴィルアル様、ありがとうございました!」
「ヴィルアル。ありがとう!」
まなみは、今までのお礼をこめて、ぺこりと頭を下げた。さっきまで怒っていたヴィルアルだったが、まなみが礼をいうと、大きく頷いた。
「魔法での訓練を忘れないように。さあ、行きなさい」
こうしてドルダとラビネ、ダークとまなみは、魔法使いの城へと乗りこむことになった。




